開館30周年記念展

日常のコレオ

開館30周年を記念し、国内外で活動する幅広い世代のアーティスト約30名/組の実践を紹介する大規模展「日常のコレオ」を開催します。本展は、アーティスト、鑑賞者と共に、現代美術を通してこれからの社会を多角的に思考するプラットフォームの構築を目指し、作品展示のみならず、鑑賞者の参加と対話を伴うパフォーマンスやワークショップも数多く展開します。

ジョナタス・デ・アンドラーデ 《Jogos Dirigidos (Directed Games)》 2019年

本展では、ジェンダー規範に基づく家庭から美術館のような制度的空間、ムンバイや沖縄などの都市空間に至るまで、異なる場所における人々の営みや身振りに着目し、変容をもたらす主体性の現れを探求します。東京でのリサーチをもとに制作された新作も多数含む本展は、人々の日常を織りなす場所に内在する文化的、政治的、経済的諸力の相互作用を掘り下げながら、しばしば社会構造に組み込まれた見えない暴力や抑圧の力学を可視化し、その影響を浮き彫りにします。同時に、そこに生きる人々の経験、記憶、切望に光を当て、従属を拒み逸脱する抵抗の身振りと、それを生み出す創造性やユーモアについての洞察を与えてくれます。

  • 青山悟《Embroiderers (Dedicated to unknown Embroiderers) #7》2015年 撮影:宮島径
    ©︎AOYAMA Satoru, Courtesy of Mizuma Art Gallery

  • 出光真子《主婦の一日》1977年 ©︎Idemitsu Mako

ゆえに展覧会タイトルに含まれる「コレオ=コレオグラフィー(振付)」は、制度や慣習、社会的規範によって規定される言動と、そうした管理や統御に対する批評的な応答、つまり日常を自らの内外から異化し、新たな場と生き方を創出する実践の両方を指し示しています。
アーティストたちとの密接な協働により構成される「日常のコレオ」は、生の諸条件に対する複層的な視座を提示し、多元的な社会の成熟に向けた想像と対話の場となることを志向します。

  • 大和楓《Three types of exclusion》2024年
    ※参考写真

  • FAMEME『Times Square Performance』(Performa Biennial 2019、2019年) 撮影:Eian Kantor
    ※参考写真

アーティスト

青山悟、バクダパン・フード・スタディ・グループ、CAMP、ヒーメン・チョン、ジョナタス・デ・アンドラーテ、ブレンダ・ファハルド、FAMEME、シルパ・グプタ、檜皮一彦、出光真子、今宿未悠、ジュリア・サリセティアティ& アリ・ジムゲット・センディ、黑田菜月、アン・ミ・レー、サム・メッツ、シュビギ・ラオ、リ、ライス・ブリューイング・シスターズ・クラブ、ピナリー・サンピタック、佐々木健、新海覚雄、ソー・ソウエン、髙橋莉子、髙橋凜、トランスフィールドスタジオ、上原沙也加、植村真、カレル・ファン・ラーレ、山田響己、大和楓 ほか

みどころ

〇アジアを中心に、15を超える国と地域を拠点に活動するアーティスト約30名/組が一堂に会する国際展。国内で初めて発表される作家・作品も多数。各地の社会的、歴史的文脈を起点とした絵画、写真、インスタレーション、映像からパフォーマンスまで、現代美術の幅広い表現を紹介し、芸術的実践を介して社会課題について思索するための多角的な視座とアプローチを提示します。

  • 上原沙也加《眠る木》2018年

  • 佐々木健《ゲバ棒、杖、もの派の現象学、または男性性のロールモデルについてのペインティング》2024年 撮影:加藤健

〇本展では、パフォーマンスやワークショップという表現領域を、作品展示の周辺的な文脈にとどまらないものとして位置づけ、相互関係を築くことにより美術館という場のあり方に対し、身体的知覚や空間的関与を通じた批評的な視座を提示することを試みます。

  • 檜皮一彦『walkingpractice』(「アブソリュート・チェアーズ」展、埼玉県立近代美術館、2024年)
    ※参考写真

  • カレル・ファン・ラーレ《Contact》2024年 撮影:Alex Heuvink

〇美術館が位置する深川・木場を取り上げたパフォーマンス、東京近郊の移民コミュニティに関する参加型作品など、新作を多数発表。アーティストと鑑賞者が様々なかたちで集い、視点を共有しながら、それぞれの「日常」の域を問い直す契機を創出します。

  • トランスフィールドスタジオ《Elevation, Stream》2024年 ©Hyejeong Park
    ※参考写真

パフォーマンス & ワークショップ

8月23()1124(月・祝) トランスフィールドスタジオによる新作ツアーパフォーマンス
8月29(金) FAMEMEによる新作関連パフォーマンス
8月30日(土)、31日(日) 檜皮一彦によるパフォーマンス《MOTにおける車椅子のコレオグラフィーを実験する。》
9月7() ライス・ブリューイング・シスターズ・クラブによる新作関連トーク&ワークショップ
9月13()14日(日)、15(月・祝) カレル・ファン・ラーレによるパフォーマンス《Contact
10月3()5()10()12() 植村真による新作ツアーパフォーマンス《夢の街》
10月25()26()  大和楓による《Types of exclusion》のアクティベーション
10月28()113(月・祝) 今宿未悠、ソー・ソウエン、髙橋莉子、髙橋凜、山田響己によるパフォーマンス《うろつきミーティング》
11月中旬 CAMPによる映像作品《Bombay Tilts Down》のリーディング・パフォーマンス
11月中旬 バクダパン・フード・スタディ・グループによるワークショップ
ほか

関連トーク
8月23()24() 参加アーティストによるギャラリートーク
その他、ガイドスタッフによるギャラリートーク、手話通訳を介してのギャラリートークなども実施予定。詳細は当館ウェブサイトで順次公開いたします。

基本情報

会期

2025年8月23日(土)~11月24日(月・振休)

開館時間

10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
*8・9月の毎金曜日は21:00まで開館

休館日

月曜日(915日、1013日、113日、1124日は開館)、9月16日、1014日、114

会場

東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F、ホワイエ ほか

観覧料

一般2,100円/大学生・専門学校生・65 歳以上1,100円/中高生500円/小学生以下無料
お得なツインチケット 2,500円(一般2枚)

※(  ) 内は20名様以上の団体料金
※本展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。
※ 毎月第3水曜(シルバーデー)は、65歳以上の方は無料です。(チケットカウンターで年齢を証明できるものを提示)
※家族ふれあいの日(毎月第3土曜と翌日曜)は、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住を証明できるものを提示/2名まで)の観覧料が半額になります。

[学生無料デー Supported by Bloomberg]
9月13日(土)・14日(日)は中高生・専門学校生・大学生は無料です。

主催

東京都現代美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)

助成

台湾文化部、モンドリアン財団、STPI、オランダ王国大使館、韓国国際文化交流振興院

協力

株式会社アフロ

同時開催・同時期開催の展覧会

展覧会一覧を見る

これまでの展覧会をみる