MOTアニュアル2020 透明な力たち

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若手作家の作品を中心に、現代美術の一側面を切り取り、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展、MOT アニュアル。第 16 回目となる本展では、人や物を動かしている自然界や社会の中の不可視の力の作用に着目し、そのメカニズムを再構築しようと試みるアーティスト 5 組を紹介します。

私たちの身の周りには目に見えない数多の力が働き、複雑な世界の様相を作り出しています。例えば、物の動きに直接影響を与える重力や磁力や摩擦、生き物の性質や行動に作用する DNA 等にその力が認められるでしょう。また、私たちの社会を動かし形作る諸システムやルール、そしてその背景にある人々の思考、意識、感情、固定概念も不可視の力と呼べるかも知れません。研究や業務の上での専門性が細分化した今日、世界を取り巻く仕組みをひとりひとりが認識し、頭にいれておくことは不可能に近いといえます。情報化社会が進むと同時に見えにくくなる、あるいは隠される仕組みも増えています。情報を反射神経的に認識・処理するようなスピード感が求められ、そこにどのような力が働いているか、意識されることは多くありません。

本展では、物ごとを動かし変化させるメカニズムを咀嚼しなおし、自分の手で、あるいは誰かと協働して、再構築する作家とともに、私たちを取り巻く透明な力について考察いたします。彼らの試みは、ときにミクロコスモス的な箱庭や実験室を連想させ、現実とは離れた系の中でものごとが自律的に動いているように見えます。しかしそれは私たちの立っている「あたりまえ」の地盤に視線を向けさせ、いくつもの要因が複雑に重なり動いている世界の様子をそれぞれの角度から垣間見せてくれるものです。これらのユニークな実践の中で、可視化された透明な力が各々の感覚を揺さぶり、見慣れた風景を再考するためのささやかな契機となれば幸いです。

展覧会解説シート(pdf)

出展作家

片岡純也+岩竹理恵、清水陽子、中島佑太、Goh Uozumi、久保ガエタン

展覧会のみどころ

多彩な表現でみせる世界
繊細な手作業のコラージュ作品から生物工学を取り入れたバイオアート、プロトコルを考察するソフトウェアアートまで、多彩な表現を用いて複雑な世界の様相を切り取ります。自然現象や社会現象への好奇心を刺激する作品や新しい生活のあり方を考察する作品たちに出会った後は、自分のいる社会のことや時代のこと、世界のことがもっと知りたくなるかも知れません。

"動き"のあるインスタレーション
回転や振動を伴うからくり装置、生物学的な反応が起きる様子を見せる映像作品、スマートフォンを使ったインタラクティブなプログラムや参加型のプロジェクトなど動きのある作品で、ときにささやかに、ときにダイナミックに、見えない力やそのメカニズムを体感させます。

国内外で活躍する若手作家の「今」
国内外の美術拠点で個展、グループ展、芸術祭、レジデンス等に積極的に参加してきた若手作家たちの近作・新作を中心にインスタレーションを展開します。会期中は出品作家によるトーク、パフォーマンス、ワークショップなど関連プログラムも予定。

作家プロフィール

片岡純也+岩竹理恵(ともに 1982-)は、2013 年パリでのレジデンスをきっかけに 2 人組のアートユニットとして活動を開始。電球や食器や本などの日用品に、物理的エネルギー(重力、風力、磁力等)を加えて本来の役割とは異なる動きを見せるキネティックな作品と、切手や博物辞典など多様な素材から切り抜いた断片を組み合わせてできた繊細なコラージュ作品からなるインスタレーションを展開する。
近年の主な個展に「大理石の上での電球と送風機の必然の回転のように」(KANA KAWANISHI GALLERY、2019年)、「二つの心臓の大きな川」(アーツ千代田 3331、2019年)、「Under35 片岡純也+岩竹理恵」(BankART Studio NYK, 2017年)、グループ展に「変容のありか 流れる時間の捉え方」(藤沢市アートスペース、2020年)、「Trans_2018-2019」(秋吉台国際芸術村、山口、2019年)、「めがねと旅する美術展 東京飛地展示」(カマタソーコ、2018年)、「ピョンチャン・ビエンナーレ 2017」(江陵、韓国、2017年)。

  • 片岡純也 《回る電球 #4 霰》 2019年

  • 岩竹理恵 《内包される風景#表情筋》 2018年

清水陽子(1977-)は自然、生命、宇宙のメカニズムをテーマに、微生物、細胞、DNA、有機物などのミクロの世界をはじめ、植物、自然、地球全体におけるマクロの現象まで、その美しさを可視化する作品を制作している。代表作に、微生物がコロニーを形成し、カラフルな培地で美しく成長・繁栄・衰退を繰り返す《Cycles of Life》、光合成によって葉に高解像度のグラフィックプリントを行う《Photosynthegraph》など。
近年の主な個展に「Biodesign Lab Exhibition」(NARS Foundation、ニューヨーク、2019年)、「Layers of Life」(LAD GALLERY、2017年)、「The Clean Room」(LAD GALLERY、2015年)、グループ展に「India Design ID」(ニューデリー市、インド、2019年)、「Link of Life」(資生堂ギャラリー、2017年)、「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」(リンツ市、オーストリア、2016年)。2020年よりアルスエレクトロニカ・フューチャーラボのアーティスト/リサーチャーとしてオーストリアのリンツ市で活動する。

オンラインによるアーティストトークを開催いたしました。こちらからご覧いただけます。

清水陽子《バイオスピーカー》2017年

中島佑太(1985-)は人々が持っている「当たり前」を日常とは異なる視点から問い直し、ワークショップや遊び的な活動を通じてその再構築・書き換えを試みる。「1人でやらない、みんなでもやらない」という彼のモットーが示すように、予測不可能要素を受け入れるプロジェクトは一見ゆるさを持っているが、家庭内ルールから公共の在り方、社会的分断などの題材を内包し、ルールやタブーといった身の回りのテーマに切り込んでいる。
近年の主な展覧会に「第2回・コレクション展 僕らが消えても、世界はつづく?」(宇都宮美術館、2019年)、「表現の森 協働としてのアート」(アーツ前橋、2016年)、「遊び ひらく 岡本太郎展」(川崎市岡本太郎美術館、2015年)、「3・11とアーティスト:進行形の記録」(水戸芸術館、2012年)。代表的なプロジェクトに、ある家族が毎年10月13日に守る3つの《家族のルール》、身近なテーマで分けたグループの間にバリケードをつくる《あっちがわとこっちがわをつくる》など。

中島佑太《あっちがわとこっちがわをつくる (旅行に行くならイタリアか北海道か)》2015年  撮影:加藤甫

Goh Uozumiはアート&テクノロジーの領域で活動するアーティスト。三上晴子のもとでMedia Artを学び、自律分散組織、プログラマブル・マネー、機械学習、監視社会、クリエイティヴ・コーディングなどの「文明における自動化の動向」を考察する作品を発表している。近作には、人工知能が自らのための国家をつくる《空の国家》、新秩序の起源として暗号通貨や分散台帳を描く《NewOrder/SirenCall?》などがある。
主な個展に「OBSERVER N」(山口情報芸術センター、2012年)、主なグループ展に「Lux Aeterna in ISEA」(Asia Culture Center、光州、2019年)、「メディア・コンシャス」(NTTインターコミュニケーション・センター、2016年)、「Machines」(Zinc&SecondNature、マルセイユ、2015年)。
2015年度Prix Digital Chocにて大賞、2009年度文化庁メディア芸術祭にて奨励賞を受賞。

Goh Uozumi《空の国家—State of Empty》2016年 「Media Conscious」展  NTT InterCommunication Center [ICC]

久保ガエタン(1988-)は超常現象や自然科学的に知覚できないもの、精神分析や社会科学の中の見えない関係性を「オカルト(隠された存在)」と総称し、独自の装置を通して考察を続ける。合理的社会の中で抑圧された無意識の欲望や不安が噴出し人々を動かす瞬間を、回転、破裂、振動などの激しい運動エネルギーを伴う装置と、淡々と語られる作家のナラティブによって再現し、鑑賞者の身体感覚に強く訴えかける。
近年の主な個展に「僕の体が僕の実験室です。あるいはそれを地球偶然管理局と呼ぶ。」(児玉画廊|天王洲、2017年)、「エマージェンシーズ!028 “破壊始建設 / Research & Destroy”」(NTT インターコミュニケーション・センター、2016年)、「記憶の遠近法」(音まち千住の緑、2016年)、「Hysterical Complex」(児玉画廊|京都、2013年)、主なグループ展に「STEAM THINKING」(京都市京セラ美術館、2020年)、「神馬啓佑と久保ガエタン ”塑性と蘇生”」(ARTZONE、2019年)、「新・今日の作家展2017 “キオクのかたち/キロクのかたち」(横浜市民ギャラリー、2017年)。

久保ガエタン「記憶の遠近法」展示風景 2016年  撮影:木奥惠三

※ 画像はすべて参考作品です。

関連プログラム

アーティストによるトーク、パフォーマンス、ワークショップなど
※ 詳細は当ウェブサイトにて、順次お知らせいたします。

基本情報

会期

2020年11月14日(土)- 2021年2月14日(日)

休館日

月曜日(11月23日、2021年1月11日は開館)、11月24日、12月28日-2021年1月1日、1月12日

開館時間

10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)

観覧料

一般 1,300円 / 大学生・専門学校生・65歳以上900円 / 中高生 500円 / 小学生以下無料
予約優先チケットあり

※ 本展のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。
※ 小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※ 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。
※ 企画展「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展とのお得なセット券もございます。詳細はこちら 

会場 

東京都現代美術館 企画展示室 3F

主催

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館

協力

リカシツ、理科室蒸留所、関谷理化株式会社、独立行政法人国立科学博物館、東京大学地震研究所、オーストリア文化フォーラム東京

助成

公益財団法人野村財団(久保ガエタン)

※ 開催内容は、都合により変更になる場合がございます。予めご了承ください。

展覧会カタログ

当館のミュージアムショップで予約販売中
価 格:2,200円(税込)
発 行:東京都現代美術館
発売日:2021年1月初旬予定

動画の記録

自然、生命、宇宙のメカニズムをテーマに、科学と芸術を融合するテクノロジーやインスタレーションを手掛ける本展参加作家の清水陽子氏が、VIRTUAL ART BOOK FAIR(VABF)会期中、展示されている作品を中心に、これまでのプロジェクトをご紹介しています。また、作家が関心のある書籍についてもお話していますので、ぜひご覧ください。

日時:2020年11月23日(月・祝)17:00-18:30(JST)
登壇者:清水陽子(MOTアニュアル2020展 参加作家)
ナビゲーター:小高日香理(東京都現代美術館 MOTアニュアル2020展 担当学芸員)

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