開館30周年記念 MOTコレクション
マルチプル_セルフ・ポートレイト
中西夏之 池内晶子 —弓形とカテナリー
東京都現代美術館は、今年2025年に開館30周年を迎えました。当館のコレクションは、戦後美術を中心に、近代から現代にいたる約6,000点に及びます。本展ではその中から新収蔵を軸に、作家たちの活動に光をあてる2つの展示で構成します。
森村泰昌 《エゴ・シンポジオン》2017 作家蔵(特別出品)
横山裕一《野獣とわたしたち》2005-2007
「アースデイ」(ANOMALY)展示風景 Photo: Ichiro Mishima ©Yuichi Yokoyama Courtesy of ANOMALY
1階では「マルチプル_セルフ・ポートレイト」と題し、誰もが知る名画や、歴史、日常生活を介して描き出される、複数の自己をめぐるイメージを多角的に展覧します。収蔵作家の森村泰昌、さらに架空の画家に擬態して制作するユアサエボシ、変顔などの自画像をコミュニケーションツールと捉えて描く松井えり菜の3名は、借用作品も交えて特別に構成します(ユアサ、松井は新収蔵作品を初展示)。またミヤギフトシ、横山裕一、開発好明、豊嶋康子、郭徳俊、アンディ・ウォーホルら多様な作家による作品を一堂に展示します。
松井えり菜《イミテーションサパー》2023
3階は特集展示「中西夏之 池内晶子 —弓形とカテナリー」として、中西夏之と池内晶子の作品世界を紹介します。当館で初の日本人作家として個展を開催した中西と、絹糸を用いたインスタレーションで知られる池内は、ともに「今ここ」にある自身の身体を起点としつつ、その外側に広がる世界を示唆する広がりを持つ作品を手がけてきました。両者の新収蔵作品に加え、池内による現地制作も交えて、それぞれの作品が響き合う空間を体験していただきます。
中西夏之《洗濯バサミは攪拌行動を主張する》1963(一部c.1981再制作)
Photo: Keizo Kioku ©NATSUYUKI NAKANISHI
池内晶子《Knotted Thread-White-From arc from 330cm high-every 1cm-》2010
「池内晶子 展」(gallery21yo-j)展示風景 Photo: Shiigi Shizune
出品予定作家
池内晶子、開発好明、郭徳俊、豊嶋康子、中西夏之、松井えり菜、南川史門、ミヤギフトシ、森村泰昌、ユアサエボシ、横山裕一、アンディ・ウォーホル ほか
展覧会のみどころ
- 1階では、「セルフ・ポートレイト」という伝統的な枠組みをひとつの切り口に、当館の収蔵作家による多様なコレクションを紹介。
- 森村泰昌、そして新収蔵作家の松井えり菜とユアサエボシの3名は、借用作品も交えて特別に展示を構成。横山裕一、開発好明、ミヤギフトシなどによるコレクション展で初展示となる作品も紹介。
- 3階では、中西夏之と池内晶子を特集展示。初公開を含め、それぞれの作品が響き合う空間を体感。
- 中西夏之の1960年前後から晩年までの絵画作品を新収蔵作品や借用作品を交えて展示。2026年に没後10年を迎えるにあたり、その画業を見つめ直す好機となる。
- 絹糸を素材として空間における見えない力や動き、広がりを可視化するインスタレーションで知られる池内の現地制作により、新収蔵作品を中心にコレクション展で初展示。
ユアサエボシ《軍装姿の自画像》2022 高松市美術館蔵(特別出品)
中西夏之《柔かに、還元Ⅰ》1996
©NATSUYUKI NAKANISHI
池内晶子《Knotted Thread-red-Φ1.4cm-Φ720cm》2021
「池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて」展(府中市美術館)展示風景 Photo: Tomoki Imai
基本情報
- 会期
2025年12月25日(木)~2026年4月2日(木) *当初予定から会期を変更しています
- 休館日
月曜日(1月12日、2月23日は開館)、12月28日-1月1日、1月13日、2月24日
- 開館時間
10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
- 観覧料
一般500円 / 大学生・専門学校生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下無料
※ 企画展「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」、「ミッション∞インフィニティ」のチケットでMOTコレクションもご覧いただけます。
※ 小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※ 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料です。
※ 毎月第3水曜(シルバーデー)は、65歳以上の方は無料です。(チケットカウンターで年齢を証明できるものを提示)
※ 家族ふれあいの日(毎月第3土曜と翌日曜)は、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住を証明できるものを提示/2名まで)の観覧料が半額になります。
※1月2日(金)・3日(土)はお正月開館につき、MOTコレクション展の観覧料が無料です。
[学生無料デー Supported by Bloomberg]
2月21日(土)~23日(月・祝)は中高生・専門学校生・大学生は無料です。(チケットカウンターで学生証を提示)
[Welcome Youth 2026]
3月1日(日) ~4月2日(木)の期間、18歳以下(2007年4月2日以降生まれの方)は無料です。(年齢を確認できる証明書を提示)- 会場
東京都現代美術館 コレクション展示室
- 主催
東京都、東京都現代美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
