デイヴィッド・ホックニー展

デイヴィッド・ホックニー展にご来場のお客様へ
東京都現代美術館では、2023年7月15日(土)から11月5日(日)まで、「デイヴィッド・ホックニー展」(主催:東京都現代美術館、読売新聞社)を開催します。現代で最も革新的な画家のひとりデイヴィッド・ホックニー(1937年、イギリス生まれ)の日本では27年ぶりとなる大規模な個展です。

ホックニーは60年以上にわたり、絵画、ドローイング、版画、写真、舞台芸術といった分野で多彩な作品を発表し続けてきました。本展は、イギリス各地とロサンゼルスで制作された多数の代表作に加えて、近年の風景画の傑作〈春の到来〉シリーズやCOVID-19によるロックダウン中にiPadで描かれた全長90メートルにもおよぶ新作まで120点余の作品によって、ホックニーの世界を体感できる機会となるでしょう。

《No.118、2020年3月16日 「春の到来 ノルマンディー 2020年」より》2020年 iPad絵画/紙 56.3 x 75.0cm 作家蔵 © David Hockney

みどころ

1.日本では27年ぶりとなる待望の大型個展

デイヴィッド・ホックニーの国内の美術館における大型個展は1996年以来、実に27年ぶり。欧米を中心に個展が相次いで開催され、2012年ロイヤル・アカデミー(ロンドン)での個展では60万人以上、2017年ポンピドゥー・センター(パリ)での個展でも60万人以上の来場者数を記録し、現在、世界で最も人気のある作家のひとりといえるホックニー。多数の代表作によって60年以上におよぶ画業をたどる本展は、日本におけるこれまでで最も充実したホックニー展となります。

《クラーク夫妻とパーシー》1970-71年 アクリル、カンヴァス 213.4 x 304.8 cm テート © David Hockney

2.近年の代表作〈春の到来〉シリーズ、日本初公開

ホックニーの故郷、イギリスのヨークシャー東部で2011年に制作された、幅10メートル、高さ3.5メートルの油彩画《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年》(2011年)が、日本で初めて公開されます。本展では、同じく日本初公開となる大判サイズのiPad作品12点とともに、本作を展示します。豊かな色彩感覚によって芽吹きの季節をダイナミックにとらえた会心作は必見です。

《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年》2011年 油彩/カンヴァス(32枚組 各91.5 x 122 cm) 365.6 x 975.2 cm ポンピドゥー・センター © David Hockney Photo: Richard Schmidt

3.今を生きる画家ホックニーの世界を体感する ― 全長90メートルの新作、世界初公開の自画像

2023年に86歳を迎えてなお一層制作に打ち込み、自らの芸術を刷新し続けるホックニー。60年以上にわたり現代美術の第一線で活躍し、新作を発表し続けるホックニーの「今」をご紹介します。コロナ禍で制作された作品には、国や文化、世代の違いを越えて、同じ時代を生きている私たちにしか感じ取ることができないメッセージがあるはずです。2023年だからこそ出会える作品の数々を、ぜひ直接会場で体感してください。

  • 《自画像、2021年12月10日》2021年 アクリル/カンヴァス 91.4 x 76.2 cm 作家蔵 © David Hockney Photo: Jonathan Wilkinson

作家プロフィール

  • デイヴィッド・ホックニー ノルマンディーにて 2021年4月1日 
    © David Hockney Photo: Jean-Pierre Gonçalves de Lima

  • デイヴィッド・ホックニー
    DAVID HOCKNEY


    1937年イングランド北部のブラッドフォードに生まれ、同地の美術学校とロンドンの王立美術学校で学ぶ。1964年ロサンゼルスに移住し、アメリカ西海岸の陽光あふれる情景を描いた絵画で一躍脚光を浴びた。60年以上にわたり美術表現の可能性を探る試みを続け、現在はフランスのノルマンディーを拠点に、精力的に新作を発表している。2017年には生誕80年を記念した回顧展がテート・ブリテン(ロンドン)、ポンピドゥー・センター(パリ)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)を巡回し、テート・ブリテンでは同館の記録となる約50万人が来場するなど、ホックニーは現代を代表する最も多才なアーティストのひとりとしてその名を確立している。

基本情報

会期

2023年7月15日(土)~11月5日(日)

休館日

月曜日(7/17、9/18、10/9は開館)、7/18、9/19、10/10

開館時間

10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)

会場

東京都現代美術館 企画展示室 1F/3F

観覧料

一般 2,300 円 (1,840円) / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,600円(1,280円) /中高生 1,000円(800円) /小学生以下無料

【オンライン限定】平日限定ペアチケット 4,000円 / グッズ付チケット 4,400円(限定各200)
【2展セット券】「デイヴィッド・ホックニー展」+「あ、共感とかじゃなくて。」
一般 3,200円、大学生・専門学校生・65歳 2,100円、中高生 1250円

※(  ) 内は20名様以上の団体料金
※本展チケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。

主催

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館、読売新聞社

特別協賛

Canon Canon

協賛

DNP大日本印刷、SOMPOホールディングス

協力

日本航空、ヤマト運輸、J-WAVE

助成

ブリティッシュ・カウンシル

※本展は東京都現代美術館のみの開催です。国内外への巡回の予定はありません。

展覧会オリジナルグッズ

本展のために企画・製作したオリジナルグッズを、展覧会場内のホックニー展ショップで販売しています。
■一部グッズは公式オンラインショップでもご購入いただけます。

Ⓒ David Hockney

  • うちわ 8種類 各3,080円(税込)

  • トートバッグ(全面プリント) 2種類 各6,380円(税込)

  • ポーチ 2種類 各3,740円(税込)

  • ランダムキーホルダー 各550円(税込)

  • 2024年カレンダー 1,980円(税込)

  • B3ポスター 4種類 各2,200円(税込)

このほか、ポストカード、一筆箋、ノート、マグネット、パズルほか多くのグッズをご用意しています。品数には限りがあり、会期途中に売切れや入荷待ちおよび新商品が追加される場合がございます。あらかじめご了承ください。

【注意事項】
・ショップ内の写真撮影はできません
・ご入場1回につき、お一人様1回限りの会計となります。
・同一商品はお一人様5個までの個数制限を設けさせていただきます(図録は除く)。
・転売目的の購入や転売行為は固くお断りいたします。
・不良品返品・交換の際は商品とレシートをお持ちください。レシートを紛失した場合やお客様都合による返品・交換はできません。
・商品名、価格、デザイン、仕様は変更になる場合があります。
・商品は発売延期や販売中止になる場合があります。
・グッズの完売や品切れを理由とした観覧料の払い戻しはお受けできません。

展覧会カタログ

「デイヴィッド・ホックニー展」カタログ 表紙作品:《ノルマンディーの12か月》(部分) 2020-21年 © David Hockney

  • 図版:《スプリンクラー》1967年 © David Hockney

  • 図版:《龍安寺の石庭を歩く 1983年2月、京都》(部分)1983年 © David Hockney

  • 図版:《ノルマンディーの12か月》(部分) 2020-21年 © David Hockney

デイヴィッド・ホックニー展 カタログ
「デイヴィッド・ホックニー展」の公式カタログです。全長90メートルの大作《ノルマンディーの12か月》を含む、本展の全出品作品127点のカラー図版を掲載。学芸員による論考に加え、日本語未翻訳の論考やホックニーのインタビューを収録しています。ホックニーを初めて知る人も、長年のファンも必携の一冊です。


A5変形 / 本文248ページ / ハードカバー上製本 / 日本語・英語
発行:読売新聞東京本社、東京都現代美術館
監修:ジョナサン・ウィルキンソン、David Hockney Inc.
執筆:デイヴィッド・ホックニー、マルコ・リヴィングストン、楠本 愛(東京都現代美術館)、ピエール・レスタニー〔インタビュー〕、サラ・ハウゲイト(ナショナル・ポートレート・ギャラリー、ロンドン)〔インタビュー〕
アートディレクション・デザイン:芝野健太(ライブアートブックス)

発行日:2023年7月14日
価格:3,300円(税込)
※展覧会カタログはナディッフオンラインよりご購入いただけます。(2024.3.25時点)

展示構成

本展は全8章で構成されます。1959年、デイヴィッド・ホックニーはロンドンの王立美術学校に入学。抽象表現主義やポップ・アートが欧米の美術を席巻していた当時、さまざまな様式や作家たちに学び、その影響を作品に反映させる一方で、特定の動向に与することなく自らの表現を切り拓こうとした若き画学生は、時代の寵児として一躍注目を集めました。
1964年、ロサンゼルスに移住したホックニーは、南カリフォルニアの開放的な空気の下、明るい日差しが降り注ぐプールの水面やスプリンクラーの水しぶきを描きました。こうした刻々と変化する光の反射や水の動きをいかにとらえるかという造形上の試みは、長年ホックニーの関心をかき立て、新たな画材や描写の探究につながりました。

  • 《イリュージョニズム風のティー・ペインティング》1961年 油彩/カンヴァス 232.5 x 83.0 cm テート  © David Hockney Photo: Richard Schmidt

  • 《スプリンクラー》1967年 アクリル/カンヴァス 125.8 x 123.8 cm 東京都現代美術館 © David Hockney

  • 《午後のスイミング》1979年 リトグラフ/紙 80.7 x 100.3 cm 東京都現代美術館 © David Hockney / Tyler Graphics Ltd. Photo: Richard Schmidt

ホックニーはまた、実に多くの肖像画を手がけています。代表作《クラーク夫妻とパーシー》(1970-71年)のように、 「ダブル・ポートレート」と呼ばれるふたりの人物が描かれた構図は、その代名詞のひとつといえるでしょう。ホックニーが目を向けるのは、家族や恋人、友人たちといった近しい関係の人です。こうした肖像画からは、目の前にいる相手をじっと見つめ、その人の内面までとらえようとする画家の静謐な眼差しがうかがえます。

《2022年6月25日、(額に入った)花を見る》2022年 フォト・ドローイング/5枚の紙、5枚のディボンドにマウント 299.7 x 518.2cm 作家蔵 © David Hockney assisted by Jonathan Wilkinson

「同じことを反復するのではなく新しいなにかを発見したい」と語るホックニーにとって、自らの芸術を次々と変貌させた20世紀の巨匠ピカソは最も敬愛すべき画家でした。1980年代、ピカソのキュビスムや中国の画巻を参照しながら生み出された「フォト・コラージュ」や〈ムーヴィング・フォーカス〉シリーズは、「見る」という現実の経験をそのまま平面上に再現した画期的な作例であり、こうした複数の視点の統合というアプローチは、近年の「フォト・ドローイング」やマルチチャンネルの映像作品にも引き継がれています。

《龍安寺の石庭を歩く 1983年2月、京都》1983年 フォト・コラージュ 101.6 x 160.7 cm 東京都現代美術館 © David Hockney Photo: Richard Schmidt

《スタジオにて、2017年12月》2017年 フォト・ドローイング/7枚の紙、7枚のディボンドにマウント 278.1 x 760.1 cm テート © David Hockney assisted by Jonathan Wilkinson

そして、本展の後半部分で展示される作品は、すべて日本初公開となります。1997年からおよそ15年間、ホックニーは幼少期に慣れ親しんだヨークシャー東部の自然や風物を抒情豊かに描きました。破格の大きさを誇る油彩画《ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作》(2007年)は、タイトルが示すように複数のカンヴァスを戸外に持ち出し、自然光の下でモチーフとなる木々を前にして制作された風景画です。

《ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作》2007年 油彩/カンヴァス(50枚組、各91.4 x 121.9 cm) 459.0 x 1225.0 cm テート © David Hockney Photo: Prudence Cuming Associates

また、2010年4月の発売と同時に入手したタブレット型端末iPadは、その創作に新境地を開きました。大型の油彩画とiPadドローイングで構成される〈春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年〉シリーズは、日ごとに劇的な変化を遂げる世界と向き合い、克明に描き切ったホックニーの卓越した力量を物語っています。

  • 《春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年(5月31日 No.1)》2011年 iPadドローイング/4枚の紙 (各118.1 x 88.9 cm)、4枚のディボンドにマウント 236.2 x 177.8 cm デイヴィッド・ホックニー財団 © David Hockney

2019年、フランス北西部のノルマンディーに拠点を移した後、未知の感染症の予期せぬ拡大により世界中が一時停止するなか、辺境の地でその影響をほとんど受けることがなく、周辺の自然や季節の移ろいを真摯に見つめ続けた画家は、ついに全長90メートルの大作《ノルマンディーの12か月》(2020-21年)に挑みました。本展を通じて、視線の先に広がる身近な日常をひたむきに描きとめ、それらを他者と惜しみなく分かち合おうとしてきたホックニーの創作の歩みをたどります。

(上・下とも)《ノルマンディーの12か月》(部分) 2020-21年 複数のiPad絵画による構成 100 x 9000 cm 作家蔵
© David Hockney

東京都現代美術館はホックニーの作品を150点所蔵し、開館まもない1996年に「デイヴィッド・ホックニー版画展」を開催しました。本展はこうした作家と美術館の継続的な関係性をもとに構想され、作家からの全面的な協力を受けて実現する待望の個展です。

関連情報

ホックニーさんからのメッセージ
作家本人がノルマンディーでの制作や今回の展覧会について語る特別な映像です

展覧会チラシ(PDF)

mot-hockney_A4_RGB_omo.jpg

鑑賞ガイド(PDF)

davidhockney_guide_japanese-1.pngのサムネイル画像

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