「あ、共感とかじゃなくて。」展 関連プログラム

【受付終了】中島伽耶子 『黄色い壁紙』の音読会

中島伽耶子《we are talking through the yellow wall》2023年(部分)
Photo: ookura hideki | KUROME photo studio

中島伽耶子さんの作品《we are talking through the yellow wall》の壁の色は、『黄色い壁紙』という1892年に発表されたアメリカの小説家シャーロット・パーキンス・ギルマンの短編小説に想を得ています。この小説では、安静療法として田舎の一軒家の黄色い壁紙の部屋に暮らすことを余儀なくされた女性の一人称の語りによって、彼女と夫とのディスコミュニケーションが描かれます。

このプログラムでは、アトリウムで中島さんの黄色い壁を見ながら、『黄色い壁紙』からいくつかのパートを音読します。パートナーとの関係やジェンダーの問題だけではなく、言葉や気持ちの伝わらなさやそれに起因する苦悩を描くこの小説を、自分の身体を通して音読することで、新たな発見があるでしょう。演劇や音読の経験は問いませんし、声を出すのが苦手な方もぜひどうぞ。また、ゲストに言語とコミュニケーションを研究する哲学者の三木那由他さんをお迎えし、音読した小説中の言葉がどのような意味なのか考えます。

*中島さんは現在開催中の「東京ビエンナーレ2023」(~11/5)でも《Yellow Walls》という作品を展示しています。あわせてご覧ください。

―アーティストからのメッセージ―
『黄色い壁紙』を声に出して読んでみる、聞いてみるイベントです。
この小説は、シャーロット・パーキンス・ギルマンという人によって書かれ、1892年(131年前!)に発表された物語です。主人公の日記に記された、相手との伝わらない会話や気持ちを、自分の声に出してみて、人の声で聞いてみて、どう感じたのかを参加者同士で共有します。ゲストに、言語とミュニケーションを研究する哲学者の三木那由他さんをお迎えし、いつもよりもう一歩踏み込んで、私たちの会話について考えてみます。

・小説の中から抜粋した箇所を一人ずつ、もしくはみんなで読みます。どうしても声を出すのが難しいと感じる人は、黙って聞くだけでも大丈夫です。
・参加者には事前に物語全体を読んでから参加してもらえたら嬉しいです。
・参加できなかった人のために、プログラムの中でどんな話題が出たかなどの報告を、東京都現代美術館のスタッフブログや中島伽耶子のウェブサイトなどで公開します。その際、個人が特定できないように配慮します。
・このプログラムを通して、私もこの小説を読み直して、今回作った作品について、そしてこれから作る作品について考えたいという気持ちがあります。参加される方には、この小説や私の作品から感じた感想を教えてもらえたら嬉しいです。
中島伽耶子

ゲストコメンテーター 三木 那由他
大阪大学大学院人文学研究科講師。コミュニケーションについて英語圏の哲学で用いられてきた理論や概念を手掛かりに考えている。著書に『話し手の意味の心理性と公共性』(勁草書房、2019年)、『グライス 理性の哲学』(勁草書房、2022年)、『言葉の展望台』(講談社、2022年)、『会話を哲学する』(光文社新書、2022年)がある。

基本情報

日時

2023年1030日(月)13:00-15:00
*当日は休館日のため、レストランやカフェ、ミュージアムショップ、展覧会はクローズしています。ご了承ください。

ファシリテーター

中島伽耶子(本展参加アーティスト)
ゲストコメンテーター:三木那由他

定員

15名

対象

どなたでも

■テキストは女性の一人称の文章ですが、参加者の性別は問いません。当日はジェンダーニュートラルなテキストを音読します。
■ご自分の声に自信がない方や人前で話すのが苦手な方の参加障壁を下げるため、他の来館者のいない休館日に設定しています。チックや吃音などのある方もご参加ください。どうしても声を出すのが難しいと感じる人は、黙って聞くだけでも大丈夫です。
■事前に、購入や図書館などでテキストを入手して、読んできていただけるようお願いいたします。入手しやすいのはこちらです。
エドガー・アラン・ポー、H.P.ラヴクラフト、シャーロット・P.ギルマン[ほか]著 ジョン・ランディス編 宮崎真紀訳『怖い家』エクスナレッジ、2021
(視覚障害をお持ちの方は、サピエ図書館で点字データ、デイジーデータを入手できます)
他にも『黄色い壁紙』が所収されているアンソロジーはいくつかありますので、すでにお持ちの方はそちらを使ってもかまいません。インターネット上でダウンロードできるものもあります。ちなみに英語の原文はこちらで確認できます。https://en.wikisource.org/wiki/The_Yellow_Wall_Paper
■アトリウムのベンチに座ってお話しする予定ですが、柔らかい椅子や体を支えるものが必要な方は申込フォームの備考欄にその旨お書きください。車椅子でも参加できます。
■聴覚に障害がある方は、スタッフがUDトークでサポートします。

会場

東京都現代美術館 企画展示室B2Fアトリウム(「あ、共感とかじゃなくて。」展 展示室内)

参加費

無料

参加方法

※定員に達したため受付を終了しました。

*当日は休館日のため、レストランやカフェ、ミュージアムショップ、展覧会はクローズしています。開館日とは違う運用でご案内するので、必要なサポートについては、事前にお知らせください。
*展示室内は飲食不可ですが、休憩スペースでは可能です。
*当日は記録のため、写真撮影をいたします。撮影NGの方は当日スタッフにお申し出ください。

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