マンガの時代展-手塚治虫からエヴァンゲリオンまで-
展覧会概要
海外で認識されている日本に対するイメージとしては、経済大国、技術大国といったもの以外では、歌舞伎や浮世絵のような伝統文化があります。しかし、現在の日本を代表する文化としては、それほど多くのものが知られているわけではありません。
マンガやアニメ、特撮映画といったものは以前はあくまでサブカルチャーの領域にとどまるものとしてしか評価されていませんでしたが、これらはそれ自体の熟成により良質な作品を生み出すとともに、これらを見て育った世代が自分たちで意識するとしないとにかかわらず影響を受けていることを認識するようになったために、もはやサブカルチャーではなく、日本を代表する文化としての地位を獲得しているといっても過言ではありません。また、美術の分野においても、1960-70年代以降におけるポップ・カルチャーの文脈の中でマンガが引用されてきただけにとどまらず、1980年代以降においては、自分たちの造形意識を規定しているものとして、マンガの表現技法を作品制作の場において積極的に導入している、マンガ世代の現代美術の作家も現れてきています。
日本のマンガの海外での評価の高まりにつれ、ジャパニーズ・アニメーションではなく「ジャパニメーション」(あるいは「アニメ」)、ジャパニーズ・コミックスではなく「マンガ」という名称で、英語としても通用するような状況が生まれてきつつあります。今回の展覧会の英文タイトルがthe MANGA Ageとなっているのはこのような状況を反映したものです。
戦後マンガをとりあげた展覧会としては、個人の回顧展やある特定の雑誌や領域に絞ったものや、戦後の文化的状況を示すものの一部としての展示が行われており、各論の面では研究が深まってきています。しかしながら戦後の日本で驚異的に発展したストーリーマンガ全体を通覧し、総括するような本格的な展覧会は未だ行われていなかったのが現状です。
今回の展覧会では、戦後のストーリーマンガがどのように発展・展開をしてきたのかを各々の時代において共通する様式性の変化をみせるとともに、様式の変化に深くかかわっていると考えられる、リアリティに対する考え方や、「カッコよさ」のイメージの展開を提示しようとするものです。また、これほど多くの読者を魅了する、マンガとは何かという根本的な命題についても展望を示そうとする試みです。
展覧会情報
展覧会名
マンガの時代展-手塚治虫からエヴァンゲリオンまで-
会期
1998年10月3日(土)~12月13日(日)
休館日
毎週月曜日(ただし11月23日は開館、11月24日休館)
開館時間
10:00~18:00 金曜日は21:00まで(入場は閉館30分前まで)
観覧料
一般700円、小中高生350円
主催 東京都現代美術館/ 朝日新聞社
協賛
オリンパス光学工業
特別協力
日本出版販売/ 富士ゼロックス
協力
アース出版局/ 秋田書店/ 朝日新聞社出版局/ 朝日ソノラマ/ 太田出版/ 角川書店/ 小池書院/ 講談社/ 実業之日本社/ 集英社/ 小学館/ 祥伝社/ 少年画報社/ スコラ/ 青林堂/ 大都社/ 竹書房/ 筑摩書房/ 中央公論社/ 徳間書店/ 日本出版社/ 白泉社/ ビブロス/ 扶桑社/ 双葉社/ ぶんか社/ 芳文社/ マインドカルチャーセンター/ マガジンハウス/ ラポート/ リイド社/ ワニマガジン社(50音順)/ マンガジャパン/ シーシーエー
企画協力
ディー・スクエア