MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム

展覧会概要

「MOTアニュアル」は、開館4年目に入った当館が新たに開始するシリーズ企画で、開館記念展「日本の現代美術 1985-1995」を引き継ぎ、日本、そして東京を中心とする新しい美術の動きに焦点を当て、毎年定期的に開催していくグループ展です。

第1回目となる今回は、「Modesty(=つつましさ、ひそやかさ)」をキイワードとして、「ひそやかなラディカリズム」の副題のもとに、9人の作家から構成しました。「Modesty」は、いわゆる「テーマ」として展覧会をまとめる概念ではありません。むしろそれは、現在にあって、美術作品を表現手段として選んだ何人かの作家たちが共有している一種の気質、ないし気候のようなものとでも言うべきでしょう。

1990年代の半ばあたりから徐々に顕在化してきたこの様相は、視覚的なヴォリュームの欠如や、生活に結びついた日常性などを特徴としています。そこには、先立つ1980年代に顕著であったスペクタクルとしての美術のあり方に対する反発とともに、展覧会=美術館という制度とその視覚性に対する根源的な異議申し立てをも見て取ることができます。「Modest」、つまり「つつましく」「ひそやか」であることによって「ラディカル」であるという、きわめて逆説的な新しい美術のパラダイムが、様々な位相から探求されつつあるのです。

展覧会は、来たるべき世紀を射程に入れて、この美術の新しい姿を捉え、提示することを試みます。


展覧会情報

展覧会名
MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム
会期
 
1999年1月15日(祝)~3月28日(日)
休館日 
月曜日、ただし3月22日(祝)は開館、翌23日(火)閉館
開館時間 
10:00~18:00(金曜日は21:00まで) 入場は閉館30分前まで
観覧料 
一般500円、小中高生400円


アーティスト

丸山直文
河田政樹
小沢剛
関口国雄
中沢研
杉戸洋
高柳恵里
内藤礼
吉田哲也

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