ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力

展覧会概要

ネオトロピカリア ブラジルの創造力  公式ホームページ

ブラジル、サンバとサッカーが盛んな国。巨大なアマゾン、バイオ燃料の開発などエネルギー問題やエコロジーなど未来に向けて大きな役割を担う国。多くの移民を受け入れ、ハイブリッド文化を生み出しているこのユニークな国は今もっとも熱い視線を集めています。そして魅力的なのはブラジルの表現は、豊かな色彩やしなやかで有機的な形に溢れ、「生きることの喜び」を伝えていることです。カーニバルやサンバ、音楽で知られるように、ブラジルの表現は、ストリートの人々の生が即興的に、そのままリズムや形になったかのように見えます。

この秋、東京都現代美術館は「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」展で、このブラジルの創造力を27組のアーティスト、クリエイターの作品を通じて紹介いたします。ブラジルでは60年代に欧米文化から脱し、独自の文化の創造を目指し「熱帯に住む者の文化のオリジナリティ」をうたった、トロピカリアという芸術運動が興りました。「形式よりも喜びを伝える『生きられた場所』を目指すファンタスティックな即興の産物」であるファベーラ(スラム街)からインスピレーションを得たアーティスト、エリオ・オイチシカ。彼がサンバ・ダンサーのための色とりどりの布をあわせてつくったケープのような《パランゴレ》は着る絵画であり、その象徴と言えます。

「生きることはアートそのものだ」−そんなオイチシカの考えは1990年代以降のアーティストたちの中にも脈々と息づいています。リオのトロピカルな植物の花や緑をモティーフにガラスのファサードに鮮やかな壁画をつくるベアトリス・ミリャーゼス、路上のグラフィティから出発し、ユーモラスなファンタジー絵画をつくるオスジェメオス、原住民の文化をとりいれ、独自のモダニズム建築を提案した建築家リナ・ボ・バルジ、リオの色彩とキュートな形をオブジェのような服にしたてるファッションデザイナー、イザベラ・カペト。ほか、国際的に活躍している日系アーティストの作品も展示されます。21世紀のトロピカリア− ブラジル移民100周年、「日本ブラジル交流年」を記念して開催される本展は、遠くて近いパートナー日本へむけた、ブラジルからの「元気をもたらす贈り物」となることでしょう。


展覧会情報

会 期
2008年10月22日(水)‐2009年1月12日(月・祝)
休館日
月曜日(ただし、11月3日・24日、1月12日は開館、11月4日・25日、12月28日‐1月1日は休館)
開館時間
10:00‐18:00(1月2日、3日は11:00‐17:00 入場は閉館の30分前まで)
会場
企画展示室 1F、3F、アトリウム
観覧料
一般1200円(960円)/ 学生900円(720円)/ 中高校・65歳以上800円(640円)
※小学生以下無料 ※( )内は20名様以上の団体料金 ※ 企画展のチケットでMOTコレクションもご覧頂けます。
「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展−共鳴する静かな眼差し」との共通チケット
一般1500円(1200円)/ 学生1100円(880円)/ 中高校・65歳以上1000円(800円)

同時開催
会期:2008年10月22日(水)‐2009年1月12日(月・祝)
「森山大道 ミゲル・リオ=ブランコ 写真展−共鳴する静かな眼差し」
「カラーハンティング ブラジル−藤原 大+イッセイ ミヤケ クリエイティブルーム&カンパナプラザーズ」
「MOTコレクション サヴァイヴァル・アクション−新収蔵作品を中心に」
「MOT×Bloomberg Public'Space'Project−Louisa Bufardeci」

主 催
財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 駐日ブラジル大使館-Embassy of Brazil in Tokyo、日本経済新聞社
認 定
日伯交流年認定事業、[社]企業メセナ協議会
助 成
芸術文化振興基金
協 賛
新日本製鐵株式会社、USIMINAS
特別協力
サンパウロ近代美術館(MAM-SP)
協 力
エールフランス航空、日本航空、株式会社中川ケミカル、株式会社エコビジネス、 NECディスプレイソリューションズ、MTN by montana colors、ABMlabor,INC.、 アッシュ・ペー・フランス株式会社、株式会社ラティーナ、日本ヒューレット・パッカード株式会社
後 援
日本テレビ放送網

展覧会カタログ 
「ネオ・トロピカリア:ブラジルの創造力」
株式会社エスクァイア マガジン ジャパン
日英テキスト
11月下旬刊行
価格:2,625円(税込)


関連イベント

アーティスト・トーク

2008年10月22日(水)18:00〜20:00 ルシア・コッホ、ベアトリス・ミリャーゼス他
2008年10月26日(日)15:00〜16:00 オスジェメオス

エデュケーション・プログラム

先生のための特別レクチャー
2008年10月31日(金)16:00‐18:00/小学生〜高校の先生対象
ミュージアム・スクール(学校向け鑑賞教室)
2008年11月6日(木)‐12月25日(木)の毎週火・木曜日/小学校〜高校対象
親子で楽しむギャラリー・クルーズ(体験型の鑑賞ツアー)
2008年12月6日(土)・7日(日)13:00‐15:00/小学校3〜6年生とその保護者対象 

ガイドスタッフによるハイライトツアー

2008年11月1日(土)‐2009年1月10日(土)以降の毎週土曜日(2009年1月3日(土)を除く)15:00‐16:00

MOT美術館講座「生きることの喜び」−ブラジルの"LIFE"を見つめて

 2008年11月22日(土)今福龍太(文化人類学者)
 2008年12月14日(日)長井美樹(PR01.事業部 アカウントディレクター)
 2008年12月20日(土)中原仁(音楽プロデューサー)
 2009年1月12日(月・祝)八谷和彦(アーティスト)+南城充/カポエイラアシェーダバイア(カポエイラグループ)
 *各日15:00‐


アーティスト

【建築】

リナ・ボ・バルジ
ルイ・オオタケ

【アート】

アシューム・ヴィヴィッド・アストロ・フォーカス(avaf)
アルトゥール・ビスポ・ド・ホザリオ
リジア・クラーク
ホジェリオ・デガキ
ルシア・コッホ
アンドレ・コマツ
レオニウソン
ルーベンス・マノ
マレッペ
シウド・メイレレス
ベアトリス・ミリャーゼス
ジウリアーノ・モンティージョ
ヴィック・ムニーズ
エルネスト・ネト
リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダー
トミエ・オオタケ
エリオ・オイチシカ
オスジェメオス
リジア・パペ
ミラ・シェンデル
アナ・マリア・タヴァレス
エリカ・ヴェルズッティ

【ファッション】

イザベラ・カペト
ロナウド・フラガ
ジュン・ナカオ

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