吉阪隆正展関連トーク
いかにナメクジは干からびたか
吉阪隆正が学生時代に内モンゴルへ旅をした際、草原に立つ一軒の小さな泥作りの家の姿を見て「巧まずにして、あそこまでまとめられた姿をつくりたい」と強く感動し、そのことが建築家を目指すきっかけとなりました。その後、戦後にル・コルビュジエ・アトリエでの修行を経て、《吉阪自邸》や《ヴィラ・クゥクゥ》といった実験住居によって、その夢を形にしていくことになります。
本トークでは、建築家・建築史家である東京大学名誉教授の藤森照信氏、『昭和モダン建築巡礼』などの著書で知られる編集者の磯達雄氏のお二人をゲストにお迎えし、吉阪の若き日の夢とその後「乾燥なめくじ」の名を借りて文明を批判的に語った吉阪の視座について、お話しいただきます。
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藤森 照信(ふじもり てるのぶ)
1946年、長野県に生まれ育ち、東北大学で建築を、東京大学大学院で建築史を学ぶ。東京大学教授として日本近代建築史を研究し、『明治の東京計画』『日本の近代建築 上・下』(岩波書店)『建築探偵の冒険』(筑摩書房)『丹下健三』(新建築社)などを出版する。その途中、赤瀬川原平らと路上観察学会を結成し、都市のディテールの面白さを発見して世に伝える。45才の時、処女作として〈神長官守矢史料館〉を手がけ、自然と人工の調和をテーマにして“科学技術を自然で包む”方法を見いだし、以後、この方法を続け、近年では〈草屋根〉〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉を完成させた。極小建築としての茶室にも関心があり、〈高過庵〉〈低過庵〉〈空飛ぶ泥舟〉など国内外に多くの作品がある。現在、東京都江戸東京博物館館長、東京大学名誉教授、工学院大学特任教授。
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磯 達雄(いそ たつお)
1963年生まれ。1988年名古屋大学卒業。1988~1999年日経アーキテクチュア編集部勤務後、2000年独立。2002年~20年3月フリックスタジオ共同主宰。20年4月から宮沢洋とOffice Bungaを共同主宰。2001年~桑沢デザイン研究所非常勤講師。2008年~武蔵野美術大学非常勤講師。著書に『昭和モダン建築巡礼』、『ポストモダン建築巡礼』、『菊竹清訓巡礼』、『日本遺産巡礼』(いずれも宮沢洋との共著)など
基本情報
- 日時
2022年5月14日(土)14:00-16:00(受付13:30-)
- 会場
東京都現代美術館 B2F 講堂
- 定員
180人(先着順/事前申込制)
- 参加方法
※5月7日(土)11:00より以下申込フォームにて予約開始。
必ず、参加される方のお名前でお申込みください。
- 参加費
無料