2014年08月26日(火)

ミッション[宇宙×芸術] 森脇裕之さんへのQ&A

ふれることのできる作品《echo》(《echo-π》, 《echo-p》の2つの作品のインスタレーション)は、宇宙の誕生や時間について問いかけてくるように見えます。《echo-π》は、展示室中央にある円盤を手で回すことで光が生まれ、円盤の中を駆け巡ります。宇宙では回転によって時間が生まれるという考え方から着想されました。壁面には《echo-p》、チベットの仏教寺院にあるマニ車(一回の回転でお経を一回唱えたことになる)をヒントに、一回転で宇宙を一周したことになるという作品です。作品上部のディスプレイにドラムの総回転数が表示され、億、兆、京、垓と天文学的な数字に達するまでカウントが続き、これからも別の場所で展示されるたびに、その数は増え続けるそうです。

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《echo(echo-π, echo-p)》|2014年
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森脇裕之さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

実験や科学が大好きな理科少年でした。自然と宇宙にも興味が。しかし理系に進むとなると、単なる暗記お勉強になって、つまらなくなり、もっと表現することに興味が移っていきました。宇宙のことを考えながら、創造活動をしているのは、僕なりの行き着いた先だと思います。

2.《echo-p》のドラム部分の光がもれてくる穴は何を表現したものですか?

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《echo-p》
特定の場所で、特定の時代の、特定の方角から見た星座(6等星以上)に従って穴があいています。それぞれドラムの下に「T○○」と記号がついており「T」は種子島ですべて種子島から見た星空の様子です。
ちなみにecho-pは合計20台制作しましたが、今回の展示では会場のスペースの都合で16台展示しました。
例)TTNは「1543年 9月23日(鉄砲伝来)北方向の星座」 

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

種子島宇宙芸術祭を立ち上げることに集中します。種子島の美しい自然のなかで、宇宙芸術は豊かで奥行きの深いものになるはずです。
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森脇さん、ありがとうございました。
種子島宇宙芸術祭、楽しみにしております。

森脇裕之 Hiroyuki Moriwaki
http://www.tamabi.ac.jp/dept/id/faculty/11/index.htm
1964年生まれ。筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了。主にLEDを用いたインタラクティブ・インスタレーション作品を意欲的に発表し、大規模な舞台装置、電飾衣装と併せて国際的に評価される。「SPACE ODSSEY 宇宙の旅」展(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2001年)参加を契機に、宇宙芸術を志す。「宇宙芸術シンポジウム 第1回/第2回(パナソニックセンター有明、2009年)などを経て発起人としてbeyondに参加し、種子島宇宙芸術祭の創設開催に向けて活動中。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

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