傾く小屋 美術家たちの証言 since9.11 展覧会概要
現代社会は、深刻で複雑な問題に満ちています。昨年9月11日の同時多発テロは、衝撃的な光景として人々の心に刻印され、世界に横たわる深い溝やひずみを誰にも身近な問題へと変えました。日本の社会も経済、政治、企業、環境などさまざまな価値の転換を迫られています。消費されゆくイメージが氾濫し、メディアが無限に反復する現代にあって、美術家たちは、何を感じ、何を考え、何を表現しようとしているのでしょうか?本展では、20代から80代まで世代やジャンルを超えた美術家の表現とともに、美術の意味や可能性について、共に考えようとするものです。このたび日本最大級の規模の館を持つ東京都現代美術館と「館」なき芸術支援活動を行うセゾンアートプログラムが、協力して展覧会を行うこととなりました。本展は、異なる立場と価値観から現代の日本を見つめ、今、日本で生きる美術家たちとともに、今、芸術の果たす役割は何か、未来へとつながるその可能性を問うものです。
*「傾く小屋」とは、出品作家の中村一美の作品のタイトル「破庵」から想起されたものです。「小屋」は、「ウサギ小屋」、「芝居小屋」などいろいろありますが、小屋の住人は我々自身であり、あらゆる組織そのものといえるかもしれません。「傾く」とは斜めになる、衰退する、転倒するなどを意味します。たとえば正面ではなく斜めから見るとか、斜面だと腰掛けて楽だったり、「傾いている」からこそ発見できる新たな身体性や価値観があるはずです。「傾く小屋」に光は見いだせるでしょうか。