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2018年12月28日

みんなでつくろう!てんらんかい

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毎年11月頃になると小学校では、
図工の成果を発表する校内展覧会が方々で開催されます。
一般に、校内展覧会は体育館をメイン会場とし、
こどもたちの作品を各学年で区分けしてひとつのテーマでまとめ
展示されることが多く、展示作業もほとんどが教員の手によって行われます。

しかし、この展覧会を作るという行為そのものを授業の一環で扱い、
こどもたちが企画・展示・運営するという授業にチャレンジしたいと
依頼を受けた学校があります。
江戸川区立下小岩第二小学校です。対象は6年生39名。
(実施期間:2018年10月22日~11月26日 展覧会11月29日~12月1日)

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授業初日に学芸員が展覧会の種類や展示テーマの立て方など
実際の美術館での展覧会の作り方の概要をレクチャーしました。
次に、全校生徒の作品をくじ引きで各班に割り当てました。
この偶然手元に来た作品を見ながら展示の構想を各班で練っていきます。
実は、この学校では昨年卒業した6年生も同様に自分たちで展覧会を作る授業を
やっており、その時の展示の様子(展覧会の年ではないので、
色々な空き教室を使って展示しました)を去年5年生だった彼らは見ています。
そのためか、どの班もテーマやストーリーなどがどんどん思い浮かぶようでした。
初回に出てきたテーマは、「電車の旅」や「ウサギの恋物語」、
「天国と地獄」そして「感情」など。

次の授業でも、引き続きテーマを掘り下げストーリーや
展示の構成、作品の配置順などの話し合いを続けていきました。
また、6年生が担当する体育館展示の展覧会タイトルも
『下二100点満展』(100の00の中には目玉が描かれる)に決定しました。
見る人も楽しめ、みんなで100点満点の内容を目指す意気込みを感じます。

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さて、本格的な展示作業に入る前に、再び学芸員が作品の配置の仕方、
特に絵画作品の並べ方をレクチャー。
下揃え、上揃え、センター揃えなどを意識するときれいに見えるなど
アドバイスしました。
これまでの作業は図工室で行っていたのですが、ここからは実際に作品を展示する
体育館に場所を移し、班ごとに空間を把握し、展示で使用する演示具
(体育館にある跳び箱や平均台などの道具類も活用)なども確認しながら
再び展示ストーリーや構成を検討していきました。

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展示作業も本格的にスタート。
作品の飾り方もこちらが伝えた展示の工夫などを意識しながら配置していました。
また、体育館にある備品、例えば、平均台や跳び箱も上手く活用して展示台として
利用していました。
板段ボールも大量に用意されており、それらもフル活用していました。

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床には来場者を誘導する導線として線路の模様をかいたり、
キャラクターや手形を作ってはったりといろいろな工夫が見られました。
また、参加体験型のアイテムとして、占いやおみくじ、
顔出し看板で写真が撮れるコーナーも用意するなど
来場者を楽しませる工夫も随所に盛り込まれています。
なにより、グループでの話し合い、意見を出し合って協力しながら
活動している様子は、まさにアクティブラーニング。
展覧会当日までにコーナー解説や展示を補足するアイテムも必要。
準備はまだまだ続きます。

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さて、待望の展覧会当日、実に多くの来場者でにぎわっていました。
6年生によるギャラリートーク(展示案内)が始まると、
さらに人が集まり展示ブースごとにトークが展開されました。
展示コンセプトを語るグループもあれば、体験型のアイテム
(顔出し看板や占い、おみくじコーナーなど)に誘導する児童、
質問にも丁寧に答えている児童などあちらこちらで積極的に
案内している姿が見受けられました。
来場者も実に楽しそうに展示をめぐっていたのが印象的でした。

学校長からは「長年教員をやってきてこんなに楽しい展覧会は初めて」
というコメントをいただきました。

展覧会終了後のこどもたちからは、
「お客さんをどう楽しませるかを考えるのが難しかった」
「感動したといってくれる人もいて飛び回りたいほど嬉しかった」
「質問してくれるお客さんもいて、真剣に展覧会を見てくれているんだと思った」
などの感想があり、自分たちで作った展覧会への手ごたえを様々に感じとったようです。

また、来場した保護者や学校教員からは、
「他校と違い展示に一体感があった」
「6年生が企画・設計・運営をしたことに驚いた」
「学年を混ぜた展示方法が良い」
「大人が不必要に介入しておらずこどもたちの作品だと感じた」
「色んな世界が見られて楽しかった」
などの感想があり、こどもたちが作り上げた展覧会への評価は非常に高いものとなりました。

今回の展覧会を作るという授業は、最高学年である6年生が、
自分達の作品を含めた全児童の作品を扱い、テーマや構成を考え、展示作業、
当日の展示案内(ギャラリートーク)までを行ったとても大変な授業でした。
こうした校内展は、あまり類をみません。
もちろん学校内での管理職や他教員の理解や協力も不可欠です。
こどもたちでもここまでできるという例を示すことができ、
図工という授業の可能性をさらに広げることができたのではないでしょうか。(G)

2018年12月21日

第57回MOT美術館講座を開催!

「MOTサテライト 2018秋 うごきだす物語」の
関連プログラムとして2回にわたり、第57回MOT美術館講座を開催しました。
(当館は現在休館中のため、会場はTHE FLEMING HOUSE (10月27日)と
リトルトーキョー(11月10日)で行いました。)

1回目は、10月27日(土)に、
「アート×落語―交わることで生まれたもの」と題し、
ヂョン・ヨンドゥさん(MOTサテライトの参加作家)の
映像作品に登場する三遊亭歌司師匠の落語上演と対談を行いました。

はじめは、落語。演目は古典落語の「死神」。
演目のまくら(導入部分)では、ヨンドゥさんの作品にも出てくる小噺や
清澄白河の町に関する話なども披露され、
師匠の巧みな話芸に観客は聞き入っていました。

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落語上演後、一旦休憩。次いでヨンドゥさんと歌司師匠による対談。

まず、司会のMOTサテライト担当者から
ヨンドゥさんの活動やMOTサテライト出品作と関連がある
作品《ワンダーランド》、《A Girl in Tall Shoes》などの説明があり、
ヨンドゥさん自身からも作品の特徴について話されました。

今回、ヨンドゥさんは商店街の店主や地元小学校の児童などを
リサーチして作品を制作しており、
作品に落語を取り入れた理由や
制作過程のエピソードなども語られました。


その他、ヨンドゥさんからは歌司師匠が「死神」の演目を選んだ理由として、
「ろうそくの煤で描いた自身のドローイング作品に関連しているのではないか」など
様々なコメントをいただきました。


一方、歌司師匠からは、
ヨンドゥさんから出演の依頼があったときのエピソード紹介や
落語で複数の人物を演じるときの声の出し方の実演などがあり、
終始、和やかな雰囲気の対談となりました。


実施後にいただいたアンケートでは
「アートに対する興味が増しました。展示会場にもう一度行ってみます!!」
との声をいただき、今回の講座によって作品に興味を持っていただけたことがうかがえました。
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2回目は、11月10日に、
「MOTコレクション―保存しながら見せるということ」と題し、
MOTコレクション(東京都現代美術館収蔵作品)についての
レクチャーを開催しました。

講座では、当館事業係長が講師となり、
東京府美術館(1926年開館、1943年に東京都美術館と改称)から
移管してきたコレクション作品のことや作品の収集、修復、保存や
それに関わるエピソードなどについて作品や休館中の活動の様子を
スライドで見せながら話しました。

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修復活動の例として、宮島達男の作品
《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》
を挙げ、LEDで作られている作品の特徴や専門家が行った
修復作業の様子について現代美術作品特有の事例を
具体的に紹介しました。


開催後にいただいたアンケートには
「作品を保存することの苦労、様々な問題とそれらに対する取組など
おもしろいお話がきけてたのしかったです。美術館に行くたのしみが増えました!!」、
「保存にとても苦労している事を知った。美術作品をその苦労も考えながら
見たらおもしろいと思う。様々なタイプの作品があると知った」、
「東京都現代美術館にまたいこうと思えた」などの声をいただき、
作品を保存することや当館について関心をもってもらえたようです。


なお、講座では試験的に手話通訳を導入し、
実際に聴覚に障害のある方も数名参加され、
運営やアクセシビリティーについてのご意見も
頂戴することができました。

今回の講座で現代美術の作品やMOTコレクションを深く知っていただく機会となりました。(N.M)

2018年12月 3日

あたり前を見つめて

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現代美術の作品の中には、日用品を素材にしたものや、
当たり前と思っている事象を別の視点から見つめなおし、
新たな気づきや発見を促すといったものが多くあります。

今回、目黒区立烏森小学校で行った出張授業では、
そうした現代美術の表現を通じて、想像力や観察力を高め、
自分なりの見方や感じ方を深めることをねらいとしました。

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対象は6年生。2クラス合同の授業。
場所はランチルームで実施しました。
初めに東京都現代美術館について説明した後、
収蔵作家である、白髪一雄、冨井大裕、
ヤノベケンジの代表作品を紹介し、
足で絵を描く人がいることや、
スーパーボールやストロー、自動車など
日常使用するものが作品の素材となることなどを
レクチャーしました。
次いで、当館の収蔵作家である泉太郎の映像作品を上映し、
その作り方や仕掛けを考えてもらいながら鑑賞しました。

鑑賞が苦手といっていたこどもたちでしたが、
積極的に想像したことや気がついたことなどを発言してくれ、
特に泉太郎作品では、どの作品でも笑い声が上がり、
その制作方法にも関心を寄せていました。

休憩を挟み、後半の授業では、
泉太郎作品《ナポレオン》にならって、
自分たちでも同様の手法をもちいて映像作品を作ることに挑戦しました。
《ナポレオン》は、泉氏がフランスの街中を散策し
目の前の人物や木の切り株、落書きなど見つけたものに手を伸ばし、
グッとにぎってカメラの前で手のひらを広げるとそれらが
手のひらに描かれており、目の前の対象をつかみとるように見える作品です。
この作品は、あらかじめつかみ取りたい対象を手のひらに描いておくのがミソ。
あとは、あたかも対象をつかまえたかのように手をにぎったり広げたりするだけ。

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こどもたちはグループにわかれて友達同士をつかまえる感じで
映像作りをおこないました。
方法は理解していても、実際にやってみると
つかみ取るタイミングや対象との距離をとる工夫が必要で
なかなか思うようにはいきません。
しかし、だんだんと要領を得てうまく撮影が進んでいきました。

最後、完成した全作品をみんなで鑑賞。
泉氏の撮影方法にはなかった、つかみ取った後に人物が画面から消えたり、
着ていたTシャツの柄がなくなったりといったトリックめいた技を
駆使しているグループもありました。
短時間ですがあたり前に見つめている日常を変える経験ができたようです。

現代美術とこどもたちとの相性は良いと日ごろから感じています。
丁寧に現代美術の世界を伝えることで、
こどもたちはあっというまに自分たちのものとすることができます。
こうした柔軟性は、やはり小学生ならではの得意技なのではないでしょうか。(G)

2018年11月30日

オリジナルのカードでご案内

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11月、あちこちの小学校で図工の校内展覧会が開かれています。
今回、出張授業を行った江戸川区立小岩小学校からは、
この展覧会で6年生がギャラリートークを行いたいという、
相談を受けました。

そもそもギャラリートークは、
数時間で習得できるものではありません。
他校でも同様の依頼がありますが、なかなか大変です。

そこでこの学校では、ギャラリートークのやり方を少し変えて、
6年生の展示作品をカードにして来場者に配り、
それを話のきっかけにして会場内を案内し、
自分の作品の前まで誘導し、作品を解説するやり方を考案しました。
カードの裏には、こどもたちが考えたオリジナルの物語や詩が書かれています。

事前の授業では、自分たちの作品を鑑賞した後、
カードの裏面に記述する作品から発想したオリジナルの物語や詩を創作しました。
完成した物語や詩は、後日国語の授業でPCを用いてテキスト入力し、
きちんと読み易いフォーマットに置き換えてカードに印刷し完成させました。

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展覧会当日、6年生によるギャラリートークにもおじゃましました。
保護者や来場者が来るたびに、6年生が順番について、
自分達のカードを渡し、裏面のテキストを読み上げて、
会場まで案内します。
会場内では、各学年の作品を概説したり、
自分のお気に入りの作品を紹介したり、
と緊張しながらも楽しげに案内をしていました。

カードを受け取った人も、実際の作品をみながら、
こどもたちから説明を聞き、時折質問もなげかけ、
スムーズにコミュニケーションが図れていたと思いました。

自作カードというツールを媒介にした今回のギャラリートーク、
来場者と案内する6年生との間に心地よい時間が流れていました。(G)


2018年10月29日

江東区民まつりに参加!

10月20日(土)、21日(日)に開催された江東区民まつりに今年も参加してきました。
昨年は安定しない天候でしたが、今年は天候に恵まれ、2日間を通して701人に
ご参加いただきました。
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"MOTおもしろプログラム"と題し、今年も現代美術館オリジナルの
「まちがい探し」と「塗り絵」を行いました。
20個の違いを見つける間違い探しは、協力して探す親子もいれば、
じっくり腰をすえて捜す大人の姿もあり、こどもから大人まで幅広い年代の方が
集中して取り組んでいました。

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参加された方にはオリジナルカンバッヂをプレゼント。
20種類(中には隠しキャラも!)あり、何が当たるかは運次第。
中にはこのお祭りで配るカンバッヂ目当てのリピーターの方もいらっしゃり、
何年もかけて全種類集めたい!との熱い声も聞かれました。
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現美ブースには多くの方がお立ち寄りくださり、
「しばらく美術館の周りに仮囲いが立っていたけど、やっと外れて美術館の
存在を感じるようになった!」
といった声から、
「オープンの日を楽しみにしています!」「オープンしたら絶対に行きます」
など、美術館の再開を心待ちにする多くの声をいただきました。

美術館の再オープンは来年3月末を予定しています。
まだ休館中ですが、10月20日(土)より、清澄白河のまちを会場に
作品を展示する「MOTサテライト 2018秋 うごきだす物語」がスタート。
イベントも盛りだくさんですので、こちらにも多くの方のご来場をお待ちしています。
(A.T)

2018年10月26日

入院中のこどもたちと鑑賞会!

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今年度、病院内訪問学級(病院内に設けられた院内学級に通えない、
あるいは院内学級が無い病院に入院中のこどもたちへの学習保障のために
ベッドサイド等で行う授業や教育支援)と連携授業を行っています。
その関係で、授業の無い夏休み期間中に、入院中のこどもたちが
学部を超えてみんなで一緒に楽しめる活動を行うという趣旨の
イベントでも連携してほしいという依頼を受け、
「現代美術鑑賞会~夏休み教室~」を実施(8月30日)しました。

入院中で美術と触れ合う機会が少ないこどもたちが、
美術館学芸員から現代美術の話を聞くことや一緒に活動することを
通して現代美術の魅力に触れ、心豊かな時間を過ごしてもらうことを目的としています。
また、休館中の現代美術館のPRも兼ねています。

今回の授業に参加したこどもたちは、いずれも病室から出られないため、
カメラ・マイク・スピーカーを搭載した分身ロボットを活用し、
ベッドサイドと教室を遠隔で結んで授業を行いました。
ステーションとなる教室は、世田谷区の国立成育医療研究センター内にある
都立光明学園「そよ風分教室」。
この病院に入院している小学生2名と、都心の私立病院に入院している
中学生2名、学芸員との3ヶ所とを結んでの遠隔授業です。
しかし、私立病院との環境設定がうまくいかず、結局ロボットの使用は断念。
急遽タブレットを用いたテレビ電話に切り替えた授業となりました。
※プライバシーへの配慮からこちらにはこども達の様子は見えないよう設定。

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「中央の目が光っているのが分身ロボット。両脇がタブレット」

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「2択クイズに挑戦!」

はじめに担当教員から授業趣旨について説明があり、
その後学芸員による授業開始。
まずは、現代美術館や現代美術について知ってもらおうと、
2択形式で、全10問のクイズにチャレンジしてもらいました。
こどもたちの顔は見えなくてもタブレットからは音声は聞こえるので、
なるべく相槌や反応を声に出してもらうようにお願いしました。
こちらは2つのタブレットの画面に向かって話しかける必要があり、
目線やクイズの問題を交互にカメラに向かって示さなくてはならず
多少の困難を伴いましたが、慣れてくるとスムーズな進行ができるようになりました。
クイズでは、正解に一喜一憂するこども達の声が届き、
また事前にこども達には自分の似顔絵を描いてもらい、
それをタブレットの前に掲示していたので、
顔は見えずとも本人と出会っている感覚にもなりました。

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「泉太郎さんを紹介」

クイズの後は休憩を挟み当館の収蔵作家である泉太郎氏の映像作品を鑑賞。
泉氏の映像作品は、過去「アーティストの一日学校訪問」でも活用しており、
こどもたちとの相性はすこぶる良いと感じています。
今回もタブレットからはこどもたちの笑い声や、映像の作り方の妙に感心している
様子が伝わってきて、映像を楽しんでいるのが実感できました。

授業後にこどもたちから送られてきた感想を紹介します(一部抜粋)。
「画びょうで作った作品など不思議で面白い作品が見られました。
泉さんの作品で、手でつかむ作品では、
つかんだものが映らないように工夫して撮っていたのがすごいなと思いました。
そして、手がどんどん黒くなっていくのも興味深くて、
何度も消したり書いたりしたのかなと想像して大変だっただろうなと思いました。
今回、現代美術鑑賞会をして実物の作品を目で見てみたいと思いました。」(中学部1年)

「クイズで現代美術館の建物を選んだりするのは、難しかったけど、
とても勉強になりました。勘で答えた問題がたくさんあったのに、
けっこう当たったので、とても嬉しかったです。
泉さんの手が出てきて、お店の中にいた人をたたくと、
洋服だけになるのが、不思議だなと感じました。
直接会って、現代美術のお話を聞いてみたくなりました」(中学部3年)

ロボットやタブレットを使用した遠隔授業は、
今後美術館の展示室と病室とをつないだ鑑賞活動の可能性を
探ることができました。
また今回は作家の許可を得て映像作品を活用しました。
モニター越しのため画質の問題はありますが、
絵画や彫刻作品とは違い、現代美術ならではの作品表現でもあり
映像作品は、こうした鑑賞にも効果的であることがわかりました。
なによりも授業に参加したこどもたちが本物の作品を見てみたい、
直接会って話しを聞いてみたいと思ってくれたことは、
この遠隔授業の大きな成果だといえます。

今後も遠隔授業の可能性も含めて、
出会えないこども達との出会いの方法、
また外に出られるようになった後に美術館に行って
作品を見てみたいという前向きな気持ちになってもらえるような
関わり方を模索していきたいと思います。

病気と闘うこども達が、病気を治すこと以外の未来への目標を
ひとつでも多くもつことに、はたして美術館は何ができるのか?
あらためて考えるきっかけにもなった授業でした。(G)

2018年9月27日

かかしベストショット!!

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毎年、現代美術館のご近所、深川資料館通り商店街で
開催されている「かかしコンクール」(9月1日~24日)。
今年で21回目を迎えます。
街中に並ぶかかしの数は、なんと100体以上!

その数あるかかしの中から自分のお気に入りのかかしを見つけ、
ベストショットを撮影し発表する「鑑賞」を目的とした連携授業を
地元の元加賀小学校「仲よし学級」と行いました。

対象は、1年生から6年生までの18名のこどもたち。
今回使用したカメラは、インスタントポラロイドカメラ。
撮影したものがすぐに写真になって、その場で見ることができます。
こどもたちが通常知っているデジタルカメラやスマートフォンとは違って、
撮影方法が異なるため、初めにこのカメラに慣れてもらうための
事前学習も実施しました。

カメラに慣れたところで、本番の授業を実施(9月6日)。
こどもたちを《仲よしカメラマン》と命名し、
美術館の学芸員や先生がたと一緒にいざ「かかしコンクール」に出発!

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かかしを見たこどもたちは「すごーい!かわいい」「これ気に入った!」など
歓声を上げながら楽しそうに鑑賞していました。
鑑賞後は、撮影タイム。
先に目星をつけておいたお気に入りのかかしのベストショットを狙って撮影。
撮影後は、教室に戻り各自のベストショットをみんなの前で発表しました。

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《仲よしカメラマン》が撮影したベストショットは、
パネルに加工し深川資料館通り商店街事務所に9月24日まで展示し
一般の方々にも見てもらいました。

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授業の感想をこどもたちに聞いたところ、
「いろいろなかかしが見られて楽しかった」
「かかしが動き出しそうだった」
「写真をとったらきれいに撮れた」
「お家の人とまた見にきたい」
などの声がありました。

自分達が暮らす地元の商店街にも鑑賞の題材はたくさんあります。
かかしとの楽しい出会いと撮影する面白さを実感してもらったのではないでしょうか。(G)

2018年8月24日

休館中のガイドスタッフの活動

当館では、現在25名のガイドスタッフ(ボランティア)が活動しています。
通常、ガイドスタッフは、開館時の毎日14時から約1時間にわたって
MOTコレクション(常設展)の作品解説をしていますが、
リニューアル休館に伴い、常設展でのギャラリートークは現在休止中。
しかし、ガイドスタッフの活動は休みではありません!

例えば、他館を訪問して勉強会を行ったり、リニューアル準備室事務所で
研修会をしたりと、定期的な活動を行っています。
しかしながら、長期間にわたって所蔵作品のトークを行う機会がないため、
トークの腕が鈍ってしまう・・・といった声がガイドスタッフから
チラホラ聞こえてきました。
そこで、自らが話したり、他者のトークを聞いたりすることを通して、
トークのブラッシュアップをはかることを目的としたスライドトーク研修会を
6月、7月と2回にわたって実施しました。

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ガイドスタッフは、それぞれ所蔵作品の中から1点を選定し、
その作品画像をもとに5分程度のトークを行います。
作品について解説しても良し、他のスタッフを参加者に見立てて対話しながら
進めても良し。
ガイドスタッフは作品や作家について、独自に準備した資料を用いたりしながら、
自身の言葉で語っていきました。

それぞれのトーク後には質疑応答の時間を設け、
実際に展示室でトークした際に起きた参加者との印象的なやりとりや、
自分だったらこんな切り口にする、などといった横断的な意見交換も行いました。
普段自分がトークする作品も、他者のトークを聞くことで
新たな視点を得ることができます。

同じ作品でも、その伝え方は人それぞれ。
何度でもガイドスタッフによるギャラリートークを楽しんでいただけるのでは
ないでしょうか。
リニューアル・オープンの際には、ぜひガイドスタッフによるギャラリートークに
ご参加ください。

引き続き休館中の当館ですが、2018年秋に開催される
MOTサテライト 2018秋 うごきだす物語では、
10月27日~11月18日の土日の14:30~/15:30~
ガイドスタッフがまちをご案内するプログラムを行います。(詳しくはこちら
当館のガイドスタッフが参加者(1~5名程度)と一緒に清澄白河のまちを歩きながら、
作品の見どころやまちの魅力をご案内するツアーとなっています。
当館のガイドスタッフと一緒にMOTサテライトを楽しみませんか?
ご参加をお待ちしております!
(A.T)

2018年7月 2日

美術と社会

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前回の中学校に続き、今回は高等学校へ
学芸員の出張授業に行ってきました。(実施日:2018年6月26日)
場所は、明星学園高等学校、デザイン・工作室。
科目は、既存の科目の枠組みを超えた「総合科」の中の一科目「美術と社会」。

事前授業で、生徒達はラスコー壁画の専門家のレクチャーを受けたり、
西洋美術館などに出向いて名品と言われる作品の歴史を調べたりしています。
そして、今回は「現代美術」。
この授業では、「美術館の役割・学芸員の仕事」と題し、
前半は、美術館の社会的意義や役割について説明したあと、
クイズ仕立てで当館についての紹介やコレクション作品を中心とした
「現代美術」の特徴を紹介しました。

後半は、学芸員の仕事の一環である教育普及や、
展覧会の作り方などについて動画を交えながらレクチャーしました。

ほとんどの生徒にとって美術館は、
「単に展覧会を見に行く場所というイメージを抱いている」
というのは、担当教師の弁。
授業終了後の生徒のレポートには、
・「美術や美術館が、その時の社会の動きとも
  連動して深く関わっているのが面白いと思った」
・「今まで、美術館は硬いイメージだったが、
  小さいこどもから大人までが触れられるものだと分かった」
・「美術のもつ表現の広さを知った」
・「これからは展示ができたプロセスなども考えて見てみたい」
・「美術館は古い外国の絵が置いてあり、お年寄りが行くと考えていた。
  現代美術というのを今日はじめて少し理解でき、
  若い人が興味をもつ理由が分かった」
・「学芸員が美術館を支えているといっても過言ではない。
  美術は楽しくこどもでも楽しめると知った」
などと感想が寄せられ、美術館や美術に対するイメージが、
今回の授業によって変化したことがうかがえました。

高校生にとって、美術館や現代美術は、
近いようでいてまだまだ遠い存在なのだと実感できました。
高校生を対象とした教育普及プログラムの充実も図っていきたいと思います。(G)

美術館学芸員の仕事、展覧会の作り方

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富士見丘中学校にて、学芸員の出張授業を行ってきました。
(実施日:2018年6月13日)
この学校では、武蔵野美術大学と連携し、美大生の作品を用いて
展覧会作りを体験する授業が行われています。
その授業の一環で、今回出張授業の依頼があり、
「美術館学芸員の仕事」や「展覧会の作り方」について
レクチャーを行いました。

はじめに現代美術館や美術館の機能、役割について紹介した後、
学芸員の仕事についてお話をさせていただきました。

そして、展覧会の作り方について。
まず、現代美術館の展覧会にはコレクション展と企画展があること、
多くの人が関わってひとつの展覧会が作られていることを説明しました。
その後、過去実施した『オバケとパンツとお星さま』展を例にあげて、
企画立案、展示構成、実際の展覧会の様子等、
展覧会作りの流れを写真や動画を見せながら具体的に解説しました。
小学生の頃に、この展覧会を見たという生徒が一人いて、
当時の様子をよく覚えており、びっくりしました。

最後に、生徒から質問を受け、
「紫外線に弱い作品は?」
「アイデアはどうやってわいてくるのか?」
「展覧会は何年くらい前から準備をするのか?」
などがあり、美術館や学芸員、展覧会について興味関心が
深まっている様子が伺えました。

授業終了後の担当教員からのアンケートには、
「誇りをもってご自分の仕事に向かわれる方の講義は生徒達にとって
目標とする道が違っても興味深く、新たな発見ができたようです。」
と感想を頂戴しました。

学校側の目標である、生徒の表現力やコミュニケーション能力を高めることは、
「展覧会」をつくる過程においても欠かすことのできない要素であり、
展覧会を作るプロセスを通じて多くのことを学んでくれるのではないでしょうか。(G)