東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
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ブルームバーグ・パヴィリオン・プロジェクト
審査結果 発表
公募展<作品展示部門>に多数のご応募いただきましてありがとうございました。
「パヴィリオンの空間を活かした展示プラン」という難易度の高い応募条件にも関わらず、 オリジナリティあふれるプラン58件のご応募いただきました。 ご応募くださった方々にあらためてお礼申し上げます。

6月中旬に、パヴィリオンの設計者である平田晃久氏、当館チーフキュレーターの長谷川祐子、そして当館学芸員による最終審査会を実施し、厳選な審議により大賞1名、入賞6名を決定させていただきました。
ここに受賞者のお名前を発表させていただきます。

大賞受賞者には8月11日より9月9日まで、パヴィリオンにて個展を開催していただきます。また、その間、入賞者のプランもパネルにて詳しくご紹介させていただきます。
ぜひこちらもご期待いただけますようお願いいたします。
審査員講評
平田晃久(建築家、ブルームバーグ・パヴィリオン設計者)
様々なジャンルをベースにした多彩な提案を楽しめた。木戸龍介さんの案は、見慣れたオブジェクトを浸食する彼のアプローチを、パヴィリオン本体にまで拡張する試みである。浸食の対象をオブジェクトから建築に拡張することで、さらに都市全体が浸食されたり発酵したりしていく姿すら想起させて興味深い。

湯口萌香さんのアイデアは、虫のような小さなオブジェクトを効果的に配置することによって、空間の見えをほとんど変えること無く、肌が粟立つような強い感覚を引き起こす場所に変える提案である。studio_01の案は、枝分かれのアルゴリズムそのものは特に新鮮ではないが、その展開の仕方、ジョイントの考え方などがエレガントで、線材の表面に反射する光の表情とともに美しい空間になりそうである。

美術と建築のインタラクションという観点で審査したが、パビリオンの建築、展示の提案ともに、相互作用の兆しのような段階ではある。とはいえ逆に言えば、この先もっと積極的な関係をつくり出せるのではないか、というリアルな予感を持つことができた。
長谷川祐子(東京都現代美術館チーフキュレーター)
選考にあたり重視したのは、パヴィリオンの空間との関係です。
三角形の空間と三角形のパターンの立体的な組みあわせでできている天井から入ってくる独特の採光をどのように生かして展示プランをつくっているのかに注目しました。

木戸さんは既存の形の一部が次第にデイゾルブしていく、密やかに変容していくオブジェと、結晶化しながら増殖するように建築空間そのものを変容させようとするコンセプトがユニークであった点を評価しました。また入賞した作品は展示内容の多様な可能性という点から選びました。

自立した彫刻がつくる物語性であったり (柴田)、パターンを壁面に展開するエンバイロンメンタルな作品 (DOROTHY VACANCE)、空間に構築的に介入していく建築的な作品 (studio_01)、異なった要素によるコンセプチャルなコンポジション (大崎) など、ほか入賞された人たちの展示案は、いずれもパヴィリオン空間に多様な世界を展開してくれる提案だったとおもいます。



大賞 受賞者

展示タイトル

木戸龍介

《Inner Light》

展示コンセプト
展示空間内に外部の二等辺三角形による構造の壁面を模した壁を作りその壁面に増殖もしくは浸蝕をイメージさせるような表現を彫り込む。また、室内の中心には同じような描写を施された机と椅子を配置する。
細胞が増殖していくような描写は壁面を薄くし、部分的には穴が空くことで壁面の裏側からの光が部屋の中へと差し込む。(中略) 外部壁面の増殖するような壁面を室内に作りさらに増殖する表現を施すことは建築を介して外部へと意識を繋げパヴィリオンの外までも作品が拡がっていくことを意識させる。(抜粋)
受賞コメント
「大賞受賞と展覧会の開催という素晴らしい機会を与えて頂き感謝すると共に大変光栄に思っております。受賞から展覧会まで短い期間ですが、東京都現代美術館と平田晃久氏と共にこの空間と企画でしか実現できない展覧会となるように全力を尽くしたいと思います。この展覧会がパヴィリオンと私の作品をより多くの方に見ていただける機会となれば幸いです。」
略 歴
1984年
東京に生まれる
2009年
多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業
2011年
東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了
展覧会歴
2009年
越後妻有トリエンナーレ
「克雪ダイナモアートプロジェクト」
2010年
日韓石彫刻交流展「STONE ROAD」(上野の森美術館ギャラリー)
トーキョーワンダーウォール公募2010入選作品展(東京都現代美術館)
2011年
個展 TWS-EMERGING2011(トーキョーワンダーサイト本郷)
第59回東京藝術大学卒業・修了制作展(東京藝術大学美術館)
2012年
TWSレジデンス成果報告展「TOKYO STORY」(トーキョーワンダーサイト本郷)
【展示プラン】
大崎土夢
展示タイトル
《さいしんみどうさんしん》
展示コンセプト
「兎角蠢く生命の軋轢と哀音を展示したかった」
略 歴
1984年生まれ 東京都在中
柴田英里
展示タイトル
《変身―metamorphose―》
展示コンセプト
「このような賞を頂くことが出来て、大変光栄です。
私にとって、アーティストとして活動することは、目の前にある巨大な山にトンネルを掘るようなことです。「生き埋めになってしまうかも』「誰も必要のない道かも」なんて思いながらも、未だ見ぬ山の向こう側の景色を切望しています。その美しい景色までの道のりはまだまだですが、頂いた賞を励みに進み続けて行きたいです。」
略 歴
1984年生まれ
2011年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻領域修了
東京都在中
むらたらむ
展示タイトル
《Finder》
展示コンセプト
「今回入賞できたことは、自分の表現に確かな自信を持つことの出来るきっかけとなる、私にとってとても大きな賞です。金工や七宝の技法で制作した立体物を十々分に魅せる事のできる作品を『ここだ!』という場所で発表していける様、脳と手を良い方向に動かして新たな表現にチャレンジして 行きたいと思います。ありがとうございました。」
略 歴
1983年生まれ
2007年東京藝術大学美術学部工芸科彫金専攻卒業
神奈川県在住
湯口萌香
展示タイトル
《小さく 非力で 弱い、ゆえの》
展示コンセプト
「この度はありがとうございます。提出したプランは、私がやきもの制作の中で続けてきた“無意味綴り”という行為と、壁や部屋の隅に見続けてきた幻像を、他の人にも見てもらいたいと考えたことが発案のきっかけでした。今回は実現にはいたりませんでしたが、いつか必ず現実の世界にこの“記号”たちを湧かせたいと思っています。」
略 歴
1987年生まれ
多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程在籍
東京都在住
DOROTHY VACANCE
〈メンバー〉
Ayano gon Nakayama (1986 - )、油谷暁徳 (1985 - )
Daphre Mohajer (1984 - )
展示タイトル
《DOROTHY! "A HOME IS NOT A HOUSE"》
展示コンセプト
「この度は狙ったのは大賞でしたが、頂いたのは入賞で、どうもありがとうございました。今回の作品はわたしが大好きな映画『オズの魔法使い』の主人公のドロシーの家が竜巻によって空中に浮かぶワンシーンと、ヒエロニムス・ボシュの一枚のタブローより着想を得ました。永遠のファンタジーに感謝と敬意を表して今後も夢のある製作をめざします。どうかみなさまもより妄想を豊かによろしくお願いいたします。」
略 歴
2006年 Ayano gon Nakayamanによりブランド「DOROTHY VACANCE」立ち上げ
2011年 油谷暁徳、Daphre Mohajerとともにグループ「DOROTHY VACANCE」を結成
東京都在住
studio_01
〈メンバー〉
浜田晶則 (1984 - )、Alex Knezo (1987 - )
展示タイトル
《mildendo》
展示コンセプト
「枝状の構造でつくられた、細長い空想の大地の提案です。
ガリバーがいろんな世界を旅して自らの世界への理解を深めたように、今まで気づかなかった小さな物語を発見するための時間と空間をつくろうとしました。大賞を逃したのは悔しいですが、審査員の方々に評価していただき光栄です。パヴィリオンからこの作品を着想しましたが、他の場所でまた違う形で実現させたいと考えています。」
略 歴
2009年 Alex Knezo、プリストン大学工学部土木学コース卒業
2012年 浜田晶則、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了
2012年 studio_01 を浜田とKnezoで共同設立
富山県在住

MOTブルームバーグ・パヴィリオン プロジェクト〈公募展〉作品展示部門

東京都現代美術館は、若手アーティストを対象にブルームバーグ・パヴィリオンに展示するプランを募集いたします。平面、立体、映像、インスタレーションなど作品のジャンルは問いません。大賞受賞者1名には制作費・展示助成として300,000円をサポートし、今年の夏、美術館の敷地内にあるパヴィリオンで実際に展覧会を開催していただきます。このユニークな空間を活かした新たな可能性を予感させるプランをお待ちしております。

We invite young artist/artists to submit proposals for the presentation of their works within the unique space of the Bloomberg pavilion. There will be one winner of the Grand Prix will have an exclusive exhibition in the pavilion during the summer of 2012. We hope this Project will provide a valuable opportunity for young artist to show their talent and creativity.
2012年4月25日(水)~6月8日(金)(当日消印有効)
2012年8月11日(土)~9月9日(日)
  • 日本在住で18~29歳までの作家(国籍不問。但し日本語でのコミュニケーションができること)。
  • ユニットやグループなど複数名での応募も可(但し、メンバー全員が応募条件を満たしていること)。
  • 平面、立体、インスタレーション、映像などジャンル不問。
  • 未発表作品の展示プラン。
  • 2012年8月11日から9月9日までパヴィリオンにて展示可能であること。
  • パヴィリオンの展示空間を活かした展示プランであること(約24m²の三角形の空間で、窓越しに外光が入ります。パヴィリオン内は5月19日より開催される「毛利悠子」展でご覧になれます。)
パヴィリオンについてはこちらをご覧ください
  • 平田晃久(建築家、ブルームバーグ・パヴィリオン設計者)
  • 長谷川祐子(東京都現代美術館チーフキュレーター)
  • 東京都現代美術館学芸員
7月初旬までにこのホームページで発表いたします。
原則としてお電話でのお問い合わせは受付しておりません。
ホームページ上の「応募要項」「よくある質問Q&A」をお読みの上、さらにご不明な点がこぎいましたら、下記のメールアトレス宛てに、タイトルを「ブルームパーグ公募展質問」と記載の上、お問い合わせください。当館からの返答は時間をいただく場合がごさいます。
motkoubo@mot-art.jp
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
ブルームバーグL.P.
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