オノ・ヨーコ|私の窓から  

60年にわたり多彩な分野で異なるものを繋ぎ、新たな回路を作ってきたオノ・ヨーコ(1933年-)。本展は、これまで主に戦後アメリカ美術のなかで語られてきたオノの活動を、出身地である東京という都市の文脈で再考するものです。作家活動を開始するまでの関連資料や創作、1950-70年代の東京での活動、近年の作品を通して、近代と現代、欧州と日本と米国、美術と音楽と文学、前衛とポピュラーカルチャー、そして社会と個人を繋ぐ独創的な創造活動を紹介します。

オノは独自の詩のあり方を核とする、コンセプチュアル・アートの先駆者として、社会のシリアスな課題を、ユーモアに溢れたアプローチで多くの人に向けて発信してきました。本展は、戦前に既に充分に国際化していた東京を起点に育まれたその軌跡を、今日的視点から辿る絶好の機会となるでしょう。

from my window.jpgオノ・ヨーコ 《FROM MY WINDOW: Salem1692》 2002年 顔料/カンヴァス 個人蔵 ©YOKO ONO 2015

展覧会のみどころ

■1930年代、オノは自由学園で音楽教育を受けました。そこでは時計の音など生活のなかで触れる音をもとに作曲するなど、芸術と生活を線引きすることのない考え方に接しました。それは、1950 -60年代の米国の音楽動向に触れる遥か前のことでした。本展ではアーティストとしての活動を開始するまでのオノを育んだものや初期の活動を紹介します。

■オノの代表作でありコンセプチュアル・アートの歴史の中でも重要な本『グレープフルーツ』は、1964年の夏、2年半の東京滞在の集大成として発行されました。本展では、葉書に記されたその膨大なタイプ原稿や、1962年の草月ホールで展示された指示絵画を複製絵媒体に変換し、コンセプチュアルな性格を進めたものなど、日本初公開の作品を紹介します。もちろんそのオリジナルの手書きの指示絵画や当館蔵の『グレープフルーツ』初版本もあわせて展示することで、音楽における楽譜のように、簡潔な言葉によって、鑑賞者の想像や行為を喚起する新しい美術のあり方が、東京で展開した過程があきらかになるでしょう。

■東京では日比谷野外音楽堂が会場となった1969年暮の「WAR IS OVER!」のジョン・レノンとのキャンペーンの企画や、環境をテーマに掲げた1974年の「One Step Festival」(郡山)への参加など、オノは1960年代から社会の課題に向き合い、広告媒体を用いたコンセプチュアル・アートとして発表するだけでなく、野外コンサートやレコードなど、ポピュラーミュージックの方法で、広くメッセージを発信してきました。また近年は、様々なところで起きた暴力を主題とする美術作品や曲を制作しています。それらは、オノ自身の個人的な体験と、多くのひとの記憶とが交差するものとなっています。

スクリーンショット 2015-12-07 12.40.46.png

トリミング済クラウド.png 撮影:山城大督



ダウンロード.png展示室での撮影について
「オノ・ヨーコ|私の窓から」では実際に皆様にご参加頂き、
写真撮影が可能な作品があります。

■《ソプラノのためのヴォイス・ピース》
「オノ・ヨーコ 私の窓から」展のため来日されたオノさんは、アトリウムで代表作のひとつ、《ソプラノのためのヴォイス・ピース》のパフォーマンスを行いました。オノさんの作品集『グレープ・フルーツ』(1964年)の中の、第1章(音楽の章)に収録されているそのインストラクションは

「叫ぶ  
1.風にむかって
2.壁にむかって    
3.空にむかって」  というものです。

■《バッグピース》
《バッグピース》は、1964年の7月、京都の山一ホールでの現代アメリカ前衛音楽演奏会で初演され、翌月、青山の草月会館ホールでのさよなら演奏会の舞台でオノとアンソニー・コックスが行った作品です。その後も米国などでこの作品を行う際に、オノは、身体をひと目に晒すのではなく、大きな黒い袋に入って、客をもてなしたり打合せをしたりといったことを提案しています。外側から見ると、袋の中の日常的な行為は、黒い塊がまるで山のように動いているような不思議な印象を与えます。 実際に皆さんも、袋の中に入って日常の行為を演ってみてください(袋のサイズは、大人2人用、1人用、子供1人用の3種あります)。

■《タッチ・ピース》
《タッチ・ピース》は、1964年の春に、内科画廊で、オノのインストラクション(指示)「Touch Each other 互いに触れ合う 」に基づいて、来場者が参加した作品です。その年の初夏には京都の南禅寺で、《夕方から夜明迄》と題して50人余の参加者が、月光だけがさす庭と座敷で、静かに触覚を頼りに明け方までの時間を共に過ごしました。本展でも、インストラクションに従って、実際に皆さんで演ってみて下さい。

■《握手をする絵》
《握手をする絵》は、副題に「臆病な人たちのための絵」とあるように、穴のあいたカンヴァスの穴から手を出し握手して客を迎え、手(つまり触覚)をとおしてコミュニケーションをとる作品です。1961年秋に構想され、1962年の来日直後の草月会館での演奏会のとき、ロビーで、その手書きのインストラクションは展示されています。皆さんも、手でのコミュニケーションにトライしてみて下さい。

「握手をする絵」
任意の点に穴をあけ、そこから手を出す。愛想笑ひをしてしまうものはお客が来た時、
そこから握手をし、手に依って会話をする。
1961年秋 

《バッグピース》、《タッチ・ピース》、《ソプラノのためのヴォイス・ピース》、
《握手をする絵》、《クラウド・ピース》とアトリウムの展示室内は、下記条件において、
写真撮影が可能です。

・フラッシュ、三脚を使用しての写真撮影はご遠慮願います。
・撮影した写真を営利目的で使用することを禁じます。
・撮影は写真に限ります。動画の撮影はご遠慮ください。
・他の来館者を撮影することはご遠慮ください。他の来館者の肖像権に触れる場合があります。
・写真の使用に関しては、使用者の責任において取り扱うようお願いいたします。美術館および作家は一切責任を負いません。
・アトリウム展示室内にて、撮影禁止マークの表示がある作品は撮影をしないでください。
※取材等でのご使用の場合は、美術館にお申し出ください。 

主催

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館

助成

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協賛

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協力

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オノ・ヨーコ

 
東京で生まれる。幼年時代を、東京、ニューヨーク、サンフランシスコで過ごす。
開戦前に帰国。

 
学習院大学哲学科に入学。その後、家族とニューヨークに転居、
サラ・ローレンス・カレッジで詩と音楽を学ぶ。

 
ニューヨーク、チェンバース・ストリートの自宅ロフトでコンサートを企画。

 
ジョージ・マチューナスが運営するAGギャラリーで最初の個展、
カーネギー・リサイタル・ホールで最初の個人演奏会が開かれる。

 
東京に転居、草月会館ホールでイヴェントを発表、そのロビーで
「絵のためのインストラクション」の展示を行う。

 
内科画廊等で「モーニング・ピース」などのイヴェントを実施。
作品集『グレープ・フルーツ』を出版。
京都の山一ホール、東京では草月会館ホールで、
「カット・ピース」「バッグ・ピース」等を発表後、米国へ。

 
ロンドンのインディカ画廊で個展、翌年リッスン画廊で個展、
映画「Film No,4(ボトムズ)」を制作。

 
ジョン・レノンと連名で、東京など世界の12の都市に
「War IsOver!」のポスター、看板を掲出。

 
シラキューズのエヴァーソン美術館で、個展「This is Not Here」を開催。

 
郡山での野外コンサート「ワン・ステップ・フェスティバル」に参加するため帰国、
東京、大阪、名古屋、広島でコンサート。

 
ジョン・レノンとの共作アルバム「DOUBLE FANTASY」を発表。

 
ホイットニー美術館で個展「オブジェと映画」。


個展「絶滅に向かった種族 2319-2322」スパイラル・ガーデン、東京

 
ニューヨーク、ジャパン・ソサエティで個展「Yes Yoko Ono」、
その後北米、韓国、日本を巡回。

 
パリ市立近代美術館の個展の際に、40年ぶりに「Cut Piece」を行う。

 
アイスランドのレイキャビックに「イマジン・ピース・タワー」を設置。

十勝千年の森に《北海道のためのスカイTV》を設置

 
ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞。
芸術の世界で貢献した人を顕彰する「Courage Awards for the Ar ts」を創設。


第 8 回ヒロシマ賞受賞、個展「希望の路YOKO ONO 2011」広島市現代美術館

 
ニューヨーク近代美術館で個展 「Yoko Ono: One WomanShow, 1960-1971」が開催される。

関連イベント

=====下記のイベントは終了しました=====

■当館ガイドスタッフによるギャラリートーク■

日時:2015年12月6日(日)、13日(日)、20日(日)、27日(日)各回15:00-16:00
2016年1月10日(日)、17日(日)、24日(日)、31日(日)各回15:00-16:00
2016年2月7日(日)、14日(日)各回11:00-12:00  ※開始時間が変更になりました。
場所:東京都現代美術館 企画展示室地下2階
参加無料 ただし展覧会チケットが必要
*企画展示室地下2階入口にお集まりください。
*日本語によるツアー
*2016年1月3日(日)の開催はありません。

「インストラクション」を体験して、作品集をつくる!
オノさんの創作活動の核となる「インストラクション」を皆で鑑賞したあと、実際に「インストラクション」をつくり、手作りの作品集に仕上げます。 2月2日(火)は「音」(聴覚)、2月12日(金)は「香り」(臭覚)をテーマに、 言葉による「楽譜」とも言える「インストラクション」を体験しましょう!

インストラクション関連イベント大.JPG

日時: ①2月2日(火)10:30-11:30  ②2月12日(金)10:30-11:30
集合・実施場所: 東京都現代美術館 企画展示室地下2階 アトリウム
定 員: 各回 10名 先着順
参加無料 ただし当日有効の本展覧会チケットが必要

■学芸員によるギャラリー・トーク 「時のかけら」■
時をめぐる作品を中心にギャラリー・トークを致します。
2004年の当館でのオノさんのイヴェント《プロミス・ピース》の壺のかけらをお持ちの方は
当日、それをお持ちより下さい。今回はじめてご来場の方も、是非ご参加下さい。 

日時:2月11日(木・祝)10:30-11:30
集合・実施場所:東京都現代美術館 企画展示室地下2階 アトリウム 《プロミス・ピース》の前
参加無料 ただし当日有効の本展覧会チケットが必要

学芸員によるギャラリートーク■
日時:2016年1月27日(水)、2月4日(木)、2月10日(水) 11:00‐12:00
場所:東京都現代美術館 企画展示室地下2
参加無料 ただし展覧会チケットが必要
*企画展示室地下2階入口にお集まりください。
*日本語によるツアー


■「オノ・ヨーコ 私の窓から」展 お正月開館プログラム■

オノ・ヨーコ展では、2016年1月2日(土)1月3日(日)のお正月開館日に、各日、午前と午後、ギャラリー・トークを実施します。トークの最後に、「インストラクション」を書いて、お持ち帰りいただくプログラムです。
オノさんの「インストラクション」の作品は、 「Imagine」(想像する)とか「Forget」(忘れる)のように短いものから、「Listen to the sound of the earth turning」(地球が回転する音に耳を澄ます」など日常を捉える意識が少し変化していくような、そのような言葉によって、読んだ方が日々を新たに感じていくことを促すものです。
新年の「インストラクション」を皆さんも是非、ご自身に向けて、あるいはご家族や親しい方のために書いてみませんか。

日時:2016年1月2日(土)、3日(日) 各日 11時から と 13時30分から (各回およそ1時間弱)
集合場所:「オノ・ヨーコ 私の窓から」 展 会場入口 (地下2階)
参加費:無料。但し、当日有効の本展チケットが必要です。
定員:30名(先着順)


■第51回MOT美術館講座

「前衛の源流を考える―戦前と戦後をつなぐ」■
講師:五十殿 利治氏(筑波大学教授)
日時:2015年11月21日(土)14時~16時(開場13時30分)※曜日に誤りがありました。お詫び致します。
会場:東京都現代美術館地下2階 講堂 
定員:先着200名
参加費:無料 *ただし当日有効の「オノ・ヨーコ」展チケットが必要です。

■講演会 「日本のコンセプチュアリズム:オノ・ヨーコ、河原温、松澤宥」■
講師:富井玲子氏 (美術史家、ポンジャ現懇主宰)
日時:2015年12月6日(日)16:00 -
会場:東京都現代美術館 地下2階 講堂
参加費:不要

■YOKO ONO Wish Tree for Tokyo 2015■
日 時:2015年12月9日(水) 10時~17時
場 所: 東京都現代美術館 サブエントランス付近
参加費:無料 (雨天決行)

2004年の春、当館で開催された「YES オノ・ヨーコ」展の出品作品、《東京のウィッシュ・ツリー(願かけの木)》が展覧会終了後にオノさんか ら寄贈され、美術館の庭に植樹されました。オノさんは毎年多くの方が美術館を訪れ、各々の願いを込めた短冊(願い札)をツリーに吊すことで、この作品に参 加下さることを希望しています。
本イベントの開催に際し、オ ノ さんご自身のご来館予定はありませんが、皆様にご記入いただいた短冊は、イベント終了後にアイスランドの《イマジン・ピース・タワー》に納めるため、オノ さんのお手元に送られます。ご家族やご友人とお誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください!

■「久里洋二作品上映会」 と 「飯村隆彦作品上映会とトーク」■
本展に展示されているオノさんの《6本の映画台本》は、1962年から1964年の東京時代に、
オノさんが映像に並々ならぬ関心を寄せていたことを示すものです。
オノさんは、東京では映画の制作は行ないませんでしたが、久里洋二監督作品「AOS」(1964年)と、飯村隆彦監督作品「LOVE」(1962年)の音楽を担当しています。
上映会は、映像と音楽をめぐる実験的な試みにふれる絶好の機会です。

「久里洋二作品上映会」
日時:2015年12月25日(金) 14:00-
場所:東京都現代美術館 地下2階 講堂
参加費:無料

「飯村隆彦作品上映会とトーク」
日時:2015年12月25日(金) 15:00-
場所:東京都現代美術館 地下2階講堂
参加費:無料

展覧会情報  スタッフ・ブログ

会期

2015年11月8日(日)-2016年2月14日(日)

休館日

月曜日1123日、2016111日は開館)1124日、1228日~201611日、112   

会場

東京都現代美術館
(企画展示室地下2F)

開館時間

10:00-18:00 ※入場は閉館の30分前まで

観覧料

一般 1,200(960)円
大学生・専門学校生/65歳以上 900(720)円
中高生 700(560)円
小学生以下 無料
※( )内は20名様以上の団体料金 ※小学生以下のお客様は保護者の同伴が必要です。
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料
※本展のチケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。

※同時開催の「東京アートミーティングⅥ ‟TOKYO" 見えない都市を見せる」とのセット券もございます
一般1,800円/ 大学生・専門学校生・65歳以上1,360円/ 中高生1,100円/ 小学生以下無料

アクセス

東京メトロ半蔵門線・清澄白河駅B2番出口より徒歩9分
都営地下鉄大江戸線・清澄白河駅A3番出口より徒歩13分
アクセス詳細

美術館お問い合わせ

03-5245-4111(代表)
03-5777-8600(ハローダイヤル)

同時開催

東京アートミーティングⅥ
‟TOKYO"-見えない都市を見せる

2015年11月7日(土)−1016年2月14日(日)

MOTコレクション
2015年11月7日(土)−1016年2月14日(日)

展覧会図録

タイトル:YOKO ONO: FROM MY WINDOW
価格¥2,250(税込) ※完売しました。

図録表紙.jpeg



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