MOTサテライト 2017春 往来往来

東京都現代美術館が清澄白河エリアに開館して20年あまり。急速に変化していくまちと一緒に成長してまいりました。現在、清澄白河は、江戸時代からの深川の歴史や古き良き下町の風景と、クリエイティブで新しい文化発信の拠点が混在する、注目のエリアになっています。「MOTサテライト」とは、休館中の美術館が外に出て、近隣のさまざまな拠点と協力し、アーティストたちや住民の皆様とともに、場所や人、記憶や歴史と関わりながら、まちの魅力を掘り起こしていく試みです。地域の一員としての美術館が、アートと社会の関わり方を多角的に提案する、新しい都市型アート・プロジェクトを展開します。

参加作家

飯山由貴+remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]
カニエ・ナハ+大原大次郎
クサナギシンペイ
ごはん同盟
佐野文彦
花代
ひがしちか(Coci la elle)
松江泰治
mi-ri meter
毛利悠子
吉増剛造プロジェクト
(50音順)

フェロー・プロジェクト

地域の特色あるオルタナティブな拠点と「MOTサテライト」との共催プロジェクト

gift_+AS
アートト

タイトル「往来往来」について

「MOTサテライト 2017春」の舞台は、遠い昔、松尾芭蕉が居を構え、隅田川を上って「おくのほそ道」の旅へと出発した地でもあります。この旅で彼が達した「不易流行」という境地 ― 変わらない本質的なものと、時代によって革新されていくものとが結びつくこと ― は、川と運河に囲まれてゆるやかに変化し続けてきたこのまちが、時代を超えて培ってきた精神を言い当てているように思えます。古いものと新しいもの、人々のさまざまな思いや記憶の往来の舞台となってきたこのまちの姿をともに感じることから、アーティストたちと美術館、ここに立つすべての皆様が、新たな往来へと出発することを企図しています。

見どころ

アーティストたちによる清澄白河/深川の往来
花代、松江泰治、クサナギシンペイ、毛利悠子、飯山由貴ら、ここを生活の拠点にしている作家、これまでもモチーフとしてきた作家、はじめて出会う作家がそれぞれの視点からこの地の姿を描き出します。

このまちにしかない魅力を発揮
ひがしちか(Coci la elle)やごはん同盟など、ここを拠点とする人たちの個性豊かな活動から、清澄白河の「いま」を紹介します。また「フェロー・プロジェクト」として、地域のオルタナティブな拠点との協働も行います。

「まち」ってなんだろう?と考える場
外からこのまちを観察してきたmi-ri meter、ここに居を構える佐野文彦、立場の異なる建築家たちが、コミュニティやまちのかたちについて、みんなで考える場を作ります。

まちに散らばる詩をたどる旅
近年多角的な活動で注目を集める吉増剛造が、新進気鋭の詩人や俳人、小説家たちとともにまちを歩き、芭蕉や小津安二郎といったゆかりの人たちの存在をたよりに、土地の持つ多層的な時間を切り取ります。また、在住の詩人カニエ・ナハと、斬新なタイポグラフィで注目を集めるデザイナー大原大次郎が、コーヒー・ロースタリーやカフェ、アトリエやショップなどの軒先に詩を宿らせます。

主催

東京都、東京都現代美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団

協力

深川資料館通り商店街協同組合/ 江東区深川江戸資料館ほか

飯山由貴+remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]

飯山由貴
1988年神奈川県生まれ。過去の歴史資料などの綿密なリサーチをもとに、個人/共同体の物語が作られるメカニズムに焦点を当てたインスタレーションや映像作品を展開。主な個展に、「APMoA Project, ARCH vol.16:飯山由貴 Temporary home, Final home」(愛知県美術館、2015年)「瀬戸内国際芸術祭2016・アーティスト in 六区 2016 : Vol.1 飯山由貴:生きている百物語 」(直島、2016年)など。

remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]
「文房具としての映像」というアイデアを手がかりに、表現活動や日常生活における"メディウム(媒介)"のあり方を多岐にわたって実践・研究する非営利組織。事業の1つに、8ミリフィルムや写真などのプライベートな記録物のアーカイブプロジェクト、AHA!(アハ)がある。これまでに、住民参加型アーカイブ「穴アーカイブ:an-archive」(世田谷文化生活情報センター 生活工房、2015年~) の企画や、「カンバセーション_ピース:かたちを(た)もたない記録」(武蔵野市立吉祥寺美術館、東京、2016年)などの展覧会に参加。取り組みごとに異なる手法を採りながら、国内各地の協働者とプロジェクトを進めている。

カニエ・ナハ+大原大次郎

カニエ・ナハ
1980年神奈川県生まれ。2010年『ユリイカ』の新人に選ばれる。2016年詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞を受賞、現在最も注目される若手詩人のひとり。装丁家として本の装丁や手製詩集のプロジェクトなども手がけ、現代美術家とのコラボレーションや朗読パフォーマンスも活発に行っている。

大原大次郎
1978年神奈川県生まれ。2003年武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。同年omomma設立。タイポグラフィを基軸としたデザインワークや映像制作に従事するほか、展覧会、ワークショップ、パフォーマンスなどを通して、言葉や文字の新たな知覚を探るプロジェクトを多数展開する。

クサナギシンペイ

1973年東京都生まれ。「nowhere now here」(タカ・イシイギャラリー、東京、2015年)、「so far so close」(アルトマン シーゲル ギャラリー、サンフランシスコ、2014年)、「project N 45 クサナギシンペイ展」(東京オペラシティアートギャラリー、東京、2011年)にて個展を開催。書籍の装丁画なども数多く手がけ、2013年求龍堂より清澄白河周辺を描いた画文集『清澄界隈』を出版。

ごはん同盟

ごはん好きの、ごはん好きによる、ごはん好きのための、炊飯系フードユニット。試作係(調理担当)のしらいのりこ、試食係(企画・執筆担当)のシライジュンイチの二人で活動。お米やごはんに関連する料理教室、ワークショップ、イベントの企画運営、執筆活動、メニュー開発などを行っている。

佐野文彦

1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店にて数寄屋大工として弟子入り。2011年佐野文彦studio PHENOMENON設立。日本の伝統的な意匠や​​素材、技法​など数寄屋大工だった経験​を生かした​空間​設計やリノベーション​、インスタレーション​を国内外で多数手がける。2014年ELLE DÉCOR Japanヤングジャパニーズデザインタレント賞受賞。2016年文化庁文化交流使​。世界各国で​現地の素材を使​い、地域に根差した空間を作る​事で各地の文化を浮き上がらせる​プロジェクトを展開​している​。

花代

1970年東京都生まれ。玉川大学文学部美術学科彫刻専攻在学中にパリへ留学、その後1989年に向島で半玉修行を始める。1995年に花柳界を引退し渡英。現在、東京・ベルリンを拠点に、写真家、芸妓、ミュージシャン、モデルとして多方面で活動を展開。自身の日常を幻想的な色彩で切り取る写真やコラージュ、またこれらに音楽や立体表現を加えたインスタレーションを発表。国内外での多数のグループ展・国際展に参加、ライブ・パフォーマンスも行う。主な個展に「ウツシユメク二」( PARCO GALLERY、東京、2000年)、「hanayo」(Palais de Tokyo、パリ、2002年)、「ベルリン」(タカ・イシイギャラリー京都、京都、2013年)など。主な作品集に『ハナヨメ』新潮社刊(1996年)、『MAGMA』赤々舎刊(2008年)、『berlin』月曜社刊(2013年)、『点子』CasePublishing刊(2016年)など。主な音楽アルバムに「wooden veil」(dekorder、2009年)「Gift /献上」(DHR Geist、2000年)など。

ひがしちか

1981年長崎県生まれ。2010年に「Coci la elle(コシラエル)」を屋号にブランドをスタート。手描きの絵や刺繍を施した1点物の日傘には作品と商品の間の魅力があり、日傘の新たな価値観をつくりだす。2012年にイラストレーターの塩川いづみ、前田ひさえとともに布にまつわるプロジェクト「meme(ミーム)」を始動。2014年に個展「日傘に辿り着く迄に-白から色へ」(gallery POINT、東京)にて絵画を中心としたインスタレーションを発表。現在は清澄白河にアトリエを併設した「コシラエル本店」を構える。

松江泰治

1963年東京都生まれ。 1987年に東京大学理学部地理学科を卒業後、1991年のイエメン旅行をきっかけに世界各地の地表を撮り始め、「地球の表面のサンプルを収集する」というテーマのもと、一貫したスタイルで撮影を続ける。2006年の『JP-22』以降は空撮を取り入れ、2010年からは「動く写真」と彼が呼ぶビデオ作品も発表。無機質な俯瞰の中に豊かな細部を含んだ独自のスタイルを持つ写真は、国内外で高い評価を集めている。 2002年、第27回木村伊兵衛写真賞受賞。東京国立近代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、ヒューストン美術館、サンフランシスコ近代美術館ほかに作品収蔵。

mi-ri meter

宮口明子と笠置秀紀によるユニット。建築、フィールドワーク、プロジェクトなど、ミクロな視点と横断的な戦術で都市空間や公共空間に取り組む。 日常を丹念に観察し、空間と社会の様々な規範を解きほぐしながら、一人ひとりが都市に関われる「視点」や「空間」を提示する。近年ではアーツ前橋 交流スペースのインテリア・デザインを手がけたほか(2013年)、鳥取藝住祭(2015年)、取手アート・プロジェクト(2007年)など、各地のアート・プロジェクトにも参加している。

毛利悠子

1980年神奈川県生まれ。現代美術家。2006年、エリック・サティをモチーフとした《vexation》で「アルスエレクトロニカ オノラリー・メンション」、「トランスメディアーレ 銀賞」受賞。2012年東京都現代美術館ブルームバーグ・パヴィリオンにて「サーカス」展を開催、2014年には「ヨコハマトリエンナーレ」、「札幌国際芸術祭」、「Festival/Tokyo」に参加。2015年「日産アートアワード2015」グランプリ受賞。2016年には「六本木クロッシング」に参加したのち、ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムとカムデン・アーツ・センター(ロンドン)にて滞在制作。「コーチ・ムジリス・ビエンナーレ」など国内外での発表を多数予定している。

吉増剛造プロジェクト(吉増剛造カニエ・ナハ、高柳克弘、ほか)

吉増剛造は1939年東京都生まれ。1964年に『出発』でデビューして以来、現代詩の最先端を疾走し続けている。主な詩集に『黄金詩篇』(1970年)、『オシリス、石ノ神』(1984年)、『花火の入り口で』(1995年)、『「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」』(1998年)などがある。2015年、日本芸術院賞・恩賜賞、日本芸術院会員。2006年から映像作品「gozo Ciné」を発表する。朗読パフォーマンスの先駆者としても知られ、1960年代から現在まで、日本各地およびフランス・イタリア・アメリカ・ブラジル・韓国などで詩の朗読を行っている。2016年東京国立近代美術館にて「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」開催。
本プロジェクトでは、詩人のカニエ・ナハ、俳人の高柳克弘らとともに深川の地を多層的に描き出す。

フェロー・プロジェクト

gift_+AS

清澄白河を拠点とし、「音」を入り口に活動してきた二組が、合同でプロジェクトを行います。

gift_
空間からコンテンツまで広く「場をつくること」にまつわるさまざまなデザインをおこなうチーム 。その探求(lab)の「場」として、清澄白河にスタジオ、カフェ、セレクトショップ、ギャラリー、コミュニティサロンの機能を備えたgift_labを構え、モノやコトを超えて状況をつくりだすことを企図する。ここを拠点に音楽のライブやワークショップを行うとともに、越後妻有に山ノ家cafe&dormitoryを構え、都市/ローカルの複数の拠点を持つ新しいライフスタイルを提案する。

AS(アンドレアス・シュナイダー)
ベルリン芸術大学卒業。江東区在住。1996年に多摩美術大学の情報デザイン学科設立に携わり、教鞭をとった後、2001年から2010年までIAMAS 国際情報科学芸術大学院大学・インタラクションデザイン研究室で教鞭をとる。これまで、早稲田大学、ソウル(韓国)のアジアクリエイティブアカデミー、アーメダバード(インド)の国立デザイン研究所、イスタンブール(トルコ)の ビルギ大学 などの講師を務めた。 デザイナーとして活躍する一方、デザイン開発のプロセス研究者である。清澄白河に居を構えてからは、ここを拠点にサウンド・アートのイベントを数多く企画している。

アートト

現代美術のゼミやスクールを展開する拠点が「MOTサテライト」を観察、リサーチし、地域とアート/美術館の関わりの可能性を探ります。

アートト/art to
キュレーター・小澤慶介が主宰する学びの場。社会人や学生、アーティストたちが集まり、現代美術やヨガを通して、よりよく生きるためのヒントを探る。地元のアートファンたちも参加している。




==================以下のプログラムは終了しました==================

11月9日(水)18:30~ キックオフ・イベント決定!

「MOTサテライト」のキックオフ・イベントとして、ゲストとともに、清澄白河の魅力や、このまちの過去・現在・未来について語り合うパブリック・ミーティングを開催します。 アートは「まち」をどのように描き、変えていくことができるのでしょうか。 ぜひご参加ください。

|パブリック・ミーティング|
第1部 「MOTサテライト」とは?
第2部 トーク 「清澄白河の魅力を語りつくそう!」

|第2部 ゲスト| (50音順)
笠置秀紀 (mi-ri meter:建築家)
調大輔 (清澄白河ガイド/「コウトーク」主宰)
東海亮樹 (「かわら版 深川福々」編集長)
野呂達矢 (江東区深川江戸資料館次長)
分部登志弘 (深川資料館通り商店街協同組合理事長)

|日時|
11月9日(水)18:30~20:00 (開場予定 18:15)

|会場|
江東区深川江戸資料館 小劇場 ※会場は東京都現代美術館ではありませんのでご注意ください。
〒135-0021 東京都江東区白河1−3−28
江東区深川江戸資料館  ※左記リンクは外部サイトに飛びます。

|定員|
200名程度(当日先着) どなたでもご参加いただけます。

|参加費|
無料

|会場協力|
江東区深川江戸資料館

|第2部 ゲストプロフィール|(50音順)
笠置秀紀 
(mi-ri meter/建築家)
宮口明子とともにユニット「mi-ri meter」として活動する。建築、フィールドワーク、プロジェクトなど、ミクロな視点と横断的な戦術で都市空間や公共空間に取り組む。近年ではアーツ前橋交流スペースのインテリア・デザインを手がけたほか(2013年)、鳥取藝住祭(2015年)、取手アート・プロジェクト(2007年)など、各地のアート・プロジェクトにも参加している。

調大輔 (清澄白河ガイド/「コウトーク」主宰)
会社勤務の傍ら、2011年からFacebook等のSNSで清澄白河界隈の情報を発信し続ける「清澄白河ガイド」を主宰。2016年からは、GLASS-LABの椎名隆行氏と共同で、このエリアの魅力的な「ヒト・コト・ミセ」に焦点をあてたトーク・イベント「コウトーク」を主宰。

東海亮樹 (「かわら版 深川福々」編集長)
慶應義塾大経済学部卒。共同通信社に入社し、大阪社会部などを経て文化部で論壇、書評、食文化などを担当。ボランティアで地元の東京・深川の地域フリーペーパー「かわら版 深川福々」編集長を務める。現在製作中の映画「小名木川物語」(大西みつぐ監督)の製作・脚本も手がける。

野呂達矢 (江東区深川江戸資料館次長)
1987年より江東区文化コミュニティ財団に所属。区内の文化センター勤務を経て、2014年より現職。「いつも何かイベントを行っている資料館」を目標に、江戸時代からの伝統芸能や伝統工芸の公開を随時行っている。

分部登志弘 (深川資料館通り商店街協同組合理事長)
資料館通り商店街にある文具店「あづま屋」店主。近隣に東京都現代美術館が開設された変化に柔軟に対応し、空き家店舗対策事業「深川いっぷく」や「世界かかしコンクール」などを展開。商店街を活性化させた継続的な取り組みが、商店街研究会編著『TOKYOキラリと光る商店街』で紹介されるなど、高い評価を得る。

展覧会情報

会期

2017年2月11日(土・祝)-3月20日(月・祝) *会期中定休日がございます。

会場

清澄白河エリアの各所

美術館お問い合わせ

03-5633-5860 (代表)

またはハローダイヤル
03-5777-8600

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