展覧会概要

荒木経惟。1940年東京生まれ、通称「アラーキー」。彼は、60年代から常に時代を挑発しつづけ、都市と性、日常と虚構、欲望と感情、さまざまな人や物事との関わりあいの中で「私写真」という独自の写真世界を切り開き、過去30年以上にわたって多様なメディアを通し、膨大な数の作品群を世に問い続けてきました。90年代においては、写真界のみならず、現代美術界においても日本を代表する作家の一人として、その活動は海外でも大きな反響を呼んでいます。

日本の公立美術館における初の個展となる本展は、写真家の回顧展ではなく、過去の発表作、多数の最近作、新作を含めた22の写真シリーズより1000点以上の作品をインスタレーションとして再構成、既存の写真集とは異なる1999年版アラーキーの現在形を提示するものです。変貌を繰り返す都市・東京。そしてそこに生きる女たち、男たち。空や花、ヌード、廃墟と楽園、露地から密室、事物の濃密な深淵と時代の表層、さらにアジア各都市、再び東京の路上へ。いくつもの異なる時空が結びあい、写真の群れが一体となって生と死の鮮やかなコントラストが生まれます。空間に展開する一つの大きなインスタレーションは、荒木経惟の「写真人生」の軌跡であり、同時に現代日本社会のポートレイトなのです。

昭和後期から平成、そして世紀末。写真という名の荒木の「旅」=「人生」は今、一つの時代を超え、競争から凪の時へ、生きる悦びへと向かおうとしています。「幸福論」を描き出すこと。本展は、先鋭的な方法論や刺激的なヌード表現によって絶えず社会の注目を集めてきたアラーキーの新境地を開示する試みでもあるのです。


展覧会情報

展覧会名
荒木経惟  センチメンタルな写真、人生。
会期
 
1999年4月17日(土)~7月4日(日)
休館日 
月曜日(ただし5月3日は開館、5月6日は休館)
開館時間 
午前10時~午後6時 金曜日は午後9時まで(入場は閉館の30分前まで)
観覧料 
一般500円、児童・生徒250円
主催 
東京都現代美術館/ 朝日新聞社
協力 
キャノン販売株式会社/ セイコーエプソン株式会社/ 富士ゼロックス株式会社


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