展覧会概要

シビアな日本の〈今〉を生きるために

1990年代から現在、女たちはますますシビアになっています。仕事も結婚も育児もすべてこなすスーパーウーマンはしんどそうです。かくて、女性の結婚年齢も非婚数も離婚率も上がり続け、子どもの数は減少し、結婚しても女たちはなかなか仕事を辞めなくなりました。従来の家族における女役割をこなしているように見える女でさえ、それはすでに強制力のあるものではなくなっています。いつ結婚しようがシングルでいようが仕事を続けようが子どもをもとうが離婚しようが、なんでもいい、ただ、その選択は自分でする、と、現代日本女性は、したたかにシビアに生きにくい〈今〉を生きています。
そうした現代を反映して多くの作品が生まれています。それは自分と様々な物事との「関係性」を捉え直す作業です。近代家族制度や雇用システム、コミュニティとの関わりや人間関係、歴史観など、さまざまな価値観が変化している「今」、いかに自分自身を世界に位置づけるのか。それは自分の日常や身の回りから、世界に共感しようとする行為です。そしてその作品には、生きることそのものにも似て、「愛と孤独、そして笑い」が溢れています。
既存のシステムが、あらゆる面で行き詰まり、暗雲が漂っている現代日本であるからこそ、こうした表現は生まれ、こうした表現のもつ重要性も高まっていると思われます。この閉塞感に満ちた現代日本で、しかしいかにあきらめないで、維持し続けるか。それは創り手の問題である以上に、この現代に生きる私たち全体に問われるものなのでしょう。日々の平凡な日常から生まれた非凡な作品、「愛と孤独、そして笑い」に満ちた延々に続く問いを、アーティストだけではなく、私たちが、維持し続けること。それがこの展覧会の目的です。


展覧会情報

展覧会名
MOTアニュアル2005 愛と孤独、そして笑い
会 期

2005年1月15日(土)-2005年3月21日(月・祝)
休館日
月曜日(ただし3月21日は開館)
開館時間
10:00-18:00(入場は閉館の30分前まで)
会 場
東京都現代美術館 企画展示室 1F、B2F
観覧料
一般900円 学生720円 中高生・65歳以上450円 ※小学生以下無料
※企画展のチケットでMOTコレクションもご覧頂けます。
主 催
財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館
助 成
財団法人 朝日新聞文化財団/ 財団法人アサヒビール芸術文化財団
協 賛
大日本印刷 株式会社/ 富士フィルム株式会社/ 株式会社 中川ケミカル/ 株式会社 ニコン
協 力
全日本空輸 株式会社/ エプソン販売 株式会社/ アサヒビール株式会社

アーティスト


イケムラレイコ
出光真子
イチハラヒロコ
岡田裕子
オノデラユキ
鴻池朋子
澤田知子
嶋田美子
溝口彰子O.I.C
綿引展子


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