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2014年8月26日

ミッション[宇宙×芸術] 名和晃平さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展で暗い展示室が続く中、まぶしいほど明るいホワイトキューブの空間がありました。名和晃平さんの《Direction》、《Moment》、《Ether》の作品群が展示された空間です。

《Direction》は、キャンパスを傾け、重力に従い流れ落ちる絵の具で描かれた平面作品であり、《Moment》は、「軌跡」「移動」という概 念から展開を見せる、振り子式のドローイングマシンによって描かれた絵画である。彫刻作品《Ether》は粘度の高い液体が床に落ちる際の形状を5段階で3D化し、上下反転させたものを合わせた形状を無限柱のようにランダムに積み重ねたもので無重力をイメージさせる。どの作品からも、人と重力、時間と空間の関係性を思わせる表現の可能性が感じ取れる。※

本展では、地球上の「重力」と名和さんの手によりどのように作品が制作されているのか、その過程を記録した貴重な映像作品《The DIRECTION/Direction_Document Movie/Moment_Document Movie》(The video was made in collaboration with Kenji Aoki and Luigi Honorat)も展示されていました。

※展示キャプションより引用(作家自身による記述)

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(奥)《Direction》、(手前)《Ether》Photo : Nobutada OMOTE|SANDWICH

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《Moment》Photo : Nobutada OMOTE|SANDWICH

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名和晃平さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

7才くらいの時に小さな天体望遠鏡をもらって、月や土星を観察したのがきっかけだと思います。
10才くらいの頃に天文学研究部を作って、星の観察や撮影、鉱物の収集を行うようになりました。

2.今回展示された作品には特別にインクを調合されたとうかがいました。その完成までにどのくらいの時間がかかりましたか?

インクの調合はこの2年の間に少しずつアップデートを繰り返したと思います。
今までに200枚くらいは描いたでしょうか。

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

今度はオイルを垂らす実験をしております。
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名和さん、ありがとうございました。

3unnamed-2.jpg
名和晃平 | Kohei Nawa

http://www.kohei-nawa.net/|http://sandwich-cpca.net/

1975年大阪生まれ。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期 )課程彫刻専攻修了。2009年京都・ 伏見区に創作のためのプラットフォーム「SANDWICH」を立ち上げる。2011年、東京都現代美術館にて個展「名和晃平―シンセシス」を開催。独自の「PixCell=Pixel(画素)+Cell(細胞・器)」 という概念を機軸に、さまざまな素材とテクノロジーを駆使し彫刻の新たな可能性を拡げている。2013年には韓国のチョナン市に大型彫刻Manifoldを設置。同年「犬島『家プロジェクト』」、「あいちトリエンナーレ2013」に参加。京都を拠点に活動。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

ミッション[宇宙×芸術] 森脇裕之さんへのQ&A

ふれることのできる作品《echo》(《echo-π》, 《echo-p》の2つの作品のインスタレーション)は、宇宙の誕生や時間について問いかけてくるように見えます。《echo-π》は、展示室中央にある円盤を手で回すことで光が生まれ、円盤の中を駆け巡ります。宇宙では回転によって時間が生まれるという考え方から着想されました。壁面には《echo-p》、チベットの仏教寺院にあるマニ車(一回の回転でお経を一回唱えたことになる)をヒントに、一回転で宇宙を一周したことになるという作品です。作品上部のディスプレイにドラムの総回転数が表示され、億、兆、京、垓と天文学的な数字に達するまでカウントが続き、これからも別の場所で展示されるたびに、その数は増え続けるそうです。

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《echo(echo-π, echo-p)》|2014年
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森脇裕之さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

実験や科学が大好きな理科少年でした。自然と宇宙にも興味が。しかし理系に進むとなると、単なる暗記お勉強になって、つまらなくなり、もっと表現することに興味が移っていきました。宇宙のことを考えながら、創造活動をしているのは、僕なりの行き着いた先だと思います。

2.《echo-p》のドラム部分の光がもれてくる穴は何を表現したものですか?

2th_IMG_2532.jpg
《echo-p》
特定の場所で、特定の時代の、特定の方角から見た星座(6等星以上)に従って穴があいています。それぞれドラムの下に「T○○」と記号がついており「T」は種子島ですべて種子島から見た星空の様子です。
ちなみにecho-pは合計20台制作しましたが、今回の展示では会場のスペースの都合で16台展示しました。
例)TTNは「1543年 9月23日(鉄砲伝来)北方向の星座」 

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

種子島宇宙芸術祭を立ち上げることに集中します。種子島の美しい自然のなかで、宇宙芸術は豊かで奥行きの深いものになるはずです。
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森脇さん、ありがとうございました。
種子島宇宙芸術祭、楽しみにしております。

森脇裕之 Hiroyuki Moriwaki
http://www.tamabi.ac.jp/dept/id/faculty/11/index.htm
1964年生まれ。筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修了。主にLEDを用いたインタラクティブ・インスタレーション作品を意欲的に発表し、大規模な舞台装置、電飾衣装と併せて国際的に評価される。「SPACE ODSSEY 宇宙の旅」展(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2001年)参加を契機に、宇宙芸術を志す。「宇宙芸術シンポジウム 第1回/第2回(パナソニックセンター有明、2009年)などを経て発起人としてbeyondに参加し、種子島宇宙芸術祭の創設開催に向けて活動中。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

ミッション[宇宙×芸術] ARTSATプロジェクト 久保田晃弘さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展の終盤のひときわ暗い空間には、世界初の芸術衛星「ARTSAT1: INVADER」や当時開発中だった「ARTSAT2: DESPATCH」が紹介されていました。「ARTSAT1: INVADER」は、2014年2月28日に全球降水観測計画主衛星(GPM主衛星)の相乗り副衛星としてH-IIAロケットとともに打ち上げられ、会期終了直後の2014年9月2日に大気圏に再突入するというロングフライトを成し遂げました。まるで展覧会の終了を見守っていてくれたかのようです。

本展では、宇宙空間を漂うINVADERの残骸、姿勢、温度、位置、音、速さ、テレメトリデータなどが五感で感じ取れるよう再構成されたインスタレーション作品が点在していました。INVADERからのモールス信号と生の「コンニチワ、ウチュウ」という声を聴くことができた来館者の方はいらしたでしょうか。

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ARTSAT : On-Orbit|2014年 © artsat.jp 撮影: 古屋 和臣 / 森 勇馬

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ARTSATプロジェクト 久保田晃弘さんに聞く

宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

子どものころから天文気象クラブに入って、毎月五島プラネタリウムに行っていたり、アポロの打ち上げや月着陸に興味津々でしたが、本当の意味で宇宙や衛星に取り組み始めたのは、2010年に田中利樹さんに会って、ARTSATプロジェクトを始めてからです。改めて、想像の宇宙と現実の宇宙の違いを深く実感しました。

2.人類初の芸術衛星が打ち上げられ、再び大気圏に突入していった瞬間、どのようなことを思われましたか?

衛星や地上局の設計開発、作品の制作など、ARTSATプロジェクトに力を貸してくれた多くのメンバーのことを思い起しました。フルサクセス+αが達成できたのも、優秀なメンバーたちのおかげです!

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

現在、ARTSAT2号機のDESPATCHを開発中です。2014年11月30日に「はやぶさ2」との相乗りで地球脱出軌道に投入される深宇宙彫刻です。衛星から惑星へ。こちらもPMの宇佐美尚人さんを始め、内外の多くのメンバーの尽力で開発が進んでいます。10月末にはJAXAに機体を引き渡す予定です。(注:その後はやぶさ2は11月30日に打上決定)

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久保田さん、ありがとうございました。

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久保田晃弘 Akihiro Kubota(多摩美術大学教授)

多摩美術大学×東京大学 ARTSAT:衛星芸術プロジェクト

Tama Art University×The University of Tokyo ARTSAT: Art and Satellite Project http://artsat.jp

「宇宙と地上を結ぶメディア」としての衛星を通じ、インタラクティブな芸術作品を制作展開するプロジェクト。2大学のコラボレーションを軸に、70名超のメンバーで構成される。東京大学チームが衛星の開発主体を、多摩美術大学チームが衛星データを活用した作品制作、地上局の運用やデータ配信を担当。2014 年2月28日(日本時間)、H-IIAロケット相乗小型副衛星として、世界初の芸術衛星「ARTSAT1: INVADER」が打ち上げられ、太陽非同期軌道に投入された。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

ミッション[宇宙×芸術] 逢坂卓郎さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展の中盤には逢坂卓郎さんの《Fullness of Emptiness Integral》(コントローラー制作:倉田真一)が展示されていました。広い展示室の床面には幻想的な青いLED 500個が点在し、脇の展示通路から俯瞰して眺めていると、所々で点灯したり消えたりを繰り返していることに気づかされます。

さらに国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟における 『文化・人文社会科学利用パイロットミッション』で逢坂さんが提案された作品のひとつ、《Spiral Top-II オーロラオーバル》の実機や写真が展示され、JAXAが取り組んだ宇宙における芸術的アプローチ全体についてもアーティストらのインタビュー映像で紹介されていました。

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Fullness of Emptiness Integral 2014年 コントローラー制作:倉田真一
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逢坂卓郎さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

はじめのきっかけは小学校低学年時に見た「金環食」です。急に寒くなり夕刻のような暗い中、カラスが鳴きながら巣に帰って行き、地面に影じられる葉の影が三日月型の太陽の形をしていた事がとても不思議で心が騒ぎました。また、小学校の校庭から「天体望遠鏡で見た星空」、じっと見ていると現れてきた空間を埋め尽くす星の海に驚愕しました。
その後も高校生時に「ジャコビニ・チンナー流星雨」、50代には娘と富士山五合目で「獅子座の流星雨」を見て、それまで大袈裟だと思っていたヨーロッパの木版画そのもの、宇宙との一体感を感じました。30代にオーストラリア中部で見た「闇よりも密度の高い星空」にも圧倒されました。静寂の中、流れ星とともに無数の人工衛星が飛び交う、アボリジニーのシャーマニズムが生まれる必然性を感じました。

2.これまでの≪生成と消滅(Appearance and Disappearance)≫シリーズと今回の出展作品はどのような点が異なるのでしょうか?

星や生命の発生、消滅の根源とされている超新星、そこから発せられる宇宙線が時空を超えて地球大気に侵入し、第二次宇宙線となって地表に降り注いでいます。今まではこの宇宙線を主に捕らえて光に変換していました。今回の作品はグラウンドと呼ばれる地中からの放射線も捕らえ、宇宙と地球の放射線を視覚化することで、私たちが宇宙と一体である事を感じようと試みた作品です。上から俯瞰するように見る事も初めての試みです。

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

1)太陽の光とダイクロイックミラーを使用した屋外作品を建築外壁に設置します。ダイクロミラーの特殊な性質を使って、太陽の移動により、透過と反射する色光が刻々と変化して行く作品です。
2)ハイブリッド自然エネルギー発電に注目し、わずかな電力で森と畑にほのかな灯りを添えるプロジェクトを会津三島町で進めています。

宇宙へ眼を向ける事を通して、今の私たちの生活と世界とを相対的に見る視点の確立が大切だと考えています。
宇宙に於けるアートの可能性とアートによる震災復興活動を同時に取り組んできましたが、二つの事業を横断する視点が、これから私たちが取り組んで行くミッションの意義と意味を見出す予感を感じています。
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逢坂さん、ありがとうございました。

逢坂卓郎 Takuro Osaka
http://www.takuro-osaka.com
1948年生まれ。早期より主にライトアート領域において先駆的な活動を展開し、「ELECTRA」展(パリ市立近代美術館、1983年)ほか国際的な企画展に多数参加。1995年より宇宙線を可視化してLEDの光に還元する試みをスタートし、月光を用いた《Luna Project》(「第1回大地の芸術祭」)や新東京国際空港などパブリックアートも手がける。2001年より旧宇宙開発事業団(NASDA)との共同研究を行い、無重力実験フライトを複数回体験した。2008年より国際宇宙ステーション内で4回の芸術実験を実施し、この領域の第一人者として、光や流体、音波による表現の提案を行う。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

2014年8月25日

ミッション[宇宙×芸術]展 大平貴之さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展会場を少し進むと入口が白いカーテンで覆われた部屋があります。
カーテンをめくると床から天井いっぱいに星がきらめく大空間、《夢幻宇宙(MEGASTAR -II: Imaginary Cosmos)》が広がっています。
大平さんが開発されたスーパープラネタリウム《MEGASTAR-II》は従来の数百倍、12.5等星までの星を正確に再現でき、本展では恒星数1000万個が再現されています。

その部屋を抜けると、2名様限定、超小型プラネタリウムを囲んでリクライニングチェアにもたれながら鑑賞する《内的宇宙(MEGASTAR-Jr.: Inner Cosmos)》 サウンドデザイン:有馬純寿、
大空間から一転、プライベートな空間で自己の内側に広がる宇宙を感じることができます。


大平貴之《夢幻宇宙》.jpg

大平貴之《夢幻宇宙》 2014年 サウンドデザイン:有馬純寿

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大平貴之さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

覚えていません。


2.《夢幻宇宙(MEGASTAR -II: Imaginary Cosmos)》(サウンドデザイン:有馬純寿)では星空にオーロラと雪がみられますが、どのようなイメージで制作されましたか?

現実世界から離れて、「夢の中で見る星空」をイメージして作りました。現実の尺度とは違う宇宙のスケールに触れていただけたら嬉しいです。

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

川崎市×川崎フロンターレとのコラボ企画「等々力スタージアム」です。
9/13、20のフロンターレ試合終了後、等々力陸上競技場に宇宙とサッカーをテーマにしたオリジナル映像を投影します。
中村憲剛、小林悠選手との撮影は興奮しました。

http://www.megastar.jp/news/201408/151229.php 

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大平さん、ありがとうございました。

大平貴之 プロフィール写真.jpg

大平貴之 Takayuki Ohira

http://www.megastar.jp/creator/

1970年生まれ。プラネタリウム・クリエーター。小学生の頃からプラネタリウムを自作し、大学時代にアマチュアでは例を見ないレンズ投影式プラネタリウム《アストロライナー》の開発に成功。1998年に《MEGASTAR》を発表、国際的に高く評価される。 2012年には独創的な投影方式を持つ《MEGASTAR-FUSION》を開発。文部科学大臣表彰ほか受賞多数。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

2014年8月21日

ミッション[宇宙×芸術]展 木本圭子さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]では、木本圭子さんの作品《velvet order /柔らかい秩序》が展示されています。
暗い闇の中から細かな粒子が現われ、連なり、消えていく大画面の映像、その両脇にはタブレットが設置してあり、ハンドサイズでも映像を楽しむことができます。「初期点配置以外には乱数を一切使用しないで決定論で作成」※された映像はまるで小宇宙を眺めているような感覚を覚えます。
※展示キャプションより引用(作家自身の記述)


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《velvet order /柔らかい秩序》
2014

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木本圭子さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

星を眺め星座の絵を描くのは好きな子供でした。やがて表現者にとっての宇宙は、物理的な意味での現実宇宙への想像や憧れも含めた、この生きている時空間の「中に」「自分も居る」という意識だとおもうようになりました。その場所がローカルであるありがたさと、想像力の限りで向かえる空を繋ぐある種の畏怖と予兆が、私の「宇宙」のようです。

2.どのようにして数理モデルによる本作品のような表現を生み出されたのでしょうか?

コンピュータの発達によって個人での動画制作が容易になり「動き」自体の持つ表現力の探求ができる環境が生まれました。私にとっての「動き」の興味は具体的な対象の動きの描写よりも「状況や状態が移り変わっていく」ことにあったので、「変化」をどのように記述するかが大きな課題でした。そして変化の「記述法」は科学の本に書かれていたのです。数学の素養があったわけではありませんが、作品制作の方法の1つとして取り組みました。つまり数理モデルを構成しプログラミングすることで「変化」を観察することから始めたのです。科学的な見方と自分の経験世界との違いに困惑しながら、両者の交錯地点を探りだし表現へ繋がる道を探しているところです。
美しいのは動的世界で、そこでは多様な振る舞いが次々に生成消滅し全体として崩壊はしないで遍歴を続けます。それぞれのジャンルがそれぞれの道でそれを掴もうとしているのを知ったことが、美術人が数理モデルを使ったことの最大の収穫でした。

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

アート作品としての映像にはスクリーンへの上映展示と並行してアーカイブもかねた棲家が必要だと思っていました。また私の作品は、画集や写真集を好きな時間に眺めるように、居間でコーヒーを飲みながらゆっくり本を読むように鑑賞してもらいたいと考えていました。プライベートでも楽しめるアート映像の居場所です。そして、タブレットは「ビジュアルウォークマン」でもある(今なら「ビジュアル用ipod」でしょうか)。ならば美術としての映像作品は「バブリッシュ」(出版)できるのではないかと考えました。

このたび、デザイナーの永原康史氏の主宰する電子出版のレーベルepjpから映像作品のサイト「pmi」(ピィミィ/publishing for moving image)が生まれます。
http://epublishing.jp/
私はこの「pmi」で、ミッション[宇宙×芸術]展に出展した作品も含んだ5点の動画をアルバム化してパブリッシュします。(2014年9月19日出版予定)
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木本さん、ありがとうございました。

木本圭子 Keiko Kimoto
http://www.kimoto-k.com
多摩美術大学卒業。1988年頃から独学でコンピュータを使った数理的な手法による造形を始める。1997年頃から、さらに動的表現を探る制作、研究を開始する。作品集『イマジナリー・ナンバーズ』(2003年)を発表後、2004年より合原複雑数理モデルプロジェクト/ERATO/JSTに参加。平成18年度(第10回)文化庁メディア芸術祭アート部門大賞受賞、ミラノサローネ・レクサス館をはじめ、国際的に作品発表を行う。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

ミッション[宇宙×芸術]展 辻野照久さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展では、辻野照久さんが収集された宇宙切手(一部)が展示されています。
1957年の人工衛星スプートニクの打ち上げ以来、ロケットや衛星を打ち上げた当事国だけでなく、関連のない国でも宇宙切手が発行されています。収集された宇宙切手は2014年5月6日現在、計219か国・地域で1681種類、その中から選りすぐりの切手をご覧いただくことができます。
宇宙切手 展示風景.jpg
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辻野照久さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

小学4年生の時に担任の先生が今晩望遠鏡で人工衛星を観測すると教室で話したこと。

2.初めて手にした宇宙切手は何ですか?

1967年発行の国際商業衛星通信開始記念

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

宇宙切手またはその画像をできる限り収集し、「宇宙切手の展示室」の掲載点数を増やすこと。目標5,000点(現在の3倍)としておきましょう。
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辻野さん、ありがとうございました。

辻野照久 Teruhisa Tsujino
http://members.jcom.home.ne.jp/ttsujino/space/sub02.htm
1950年生まれ。1973年に東北大学工学部卒業。同年日本国有鉄道入社。1986年宇宙開発事業団(現JAXA)に転職。子供の頃「切手ブーム」の影響を受けて切手のコレクションを始め、コレクション保有数は250,785種類(2014年2月現在)。宇宙切手に関する知識の豊富さから、国際宇宙年(1992年)記念切手の図案の原案づくりを郵政省から依頼された。現在、JAXA調査国際部所属。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

ミッション[宇宙×芸術]展 西澤丞さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展では、西澤丞&ソニー・ミュージックコミュニケーションズの写真集《イプシロン・ザ・ロケット― 新型固体燃料ロケット、誕生の瞬間》が大型パネルと映像で展示されています。
「日本の宇宙開発の最前線を、多くの方々に伝えたい」という思いから始まり、撮影日数は50日を超えたそうです。新型ロケット製造の現場、その圧倒的な迫力とそこに関わる多くの人の存在や思いを感じる空間がひろがっています。

イプシロン・ザ・ロケット.jpg

西澤丞&ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
《イプシロン・ザ・ロケット― 新型固体燃料ロケット、誕生の瞬間》
2013
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西澤丞さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

ご質問への回答
1)宇宙ロケットに興味を持った時期、きっかけは何ですか?

中学生くらいの時に見た写真がきっかけです。有名なアポロやゴダードの初期のロケットの写真を見て単純に「かっこいい」と思い、「いつか自分も撮りたい」と思うようになっていました。また、きちんと記録写真を撮っておくことの重要性も痛感していましたので、今回のイプシロンの撮影ではロケットのかっこよさと記録撮影の両面で質の高いものにしようと思って撮影しました。

2)撮影する上で一番苦労された点は?

無人カメラで撮影しなければならない状況が、一番難題でした。電波を発するものや有線での遠隔操作は出来ませんでしたので、音でシャッターを切れる装置を自作して臨みましたが、事前に本番と同様の環境でテスト出来る訳ではありませんでしたので、写っているかどうかを確認する瞬間は、本当にドキドキでした。
 でも、実は撮影よりも撮影出来る立場に自分をおくことの方が遥かに大変なのです。被写体によっては、人生を賭けないといけない場合もありますので。

3)次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

「撮らなければいけない」「撮らせてほしい」ものは沢山あるのですが、いずれも簡単に撮らせてもらえるものではありませんので、今の段階では「妄想」です。それでも、撮りたいと思っていると、巡ってきたチャンスを逃さずに済みますので、常に妄想を暖めておくようにしています。

 現在は、次の写真集の企画を動かしていますが取材先からの許可が出ておらず、胃が痛くなりそうな状況です。出来上がった写真を皆様にご覧いただくまでの9割は、書類を作ったり交渉したりする裏方仕事なのです。また、とある国家的規模のプロジェクトに記録撮影としての参加を打診されています。以前から「次世代のために記録しておかなければいけない」と思っていたプロジェクトですので、実現出来ればいいなあと思っています。
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西澤さん、ありがとうございました。

西澤氏ポートレート.jpg
西澤丞 Joe Nishizawa
http://joe-nishizawa.jp
愛知教育大学美術科卒業。写真家。「日本の現場を応援する」というコンセプトのもと、「日本製」のブランドイメージ向上に努め、科学や工業に関する写真を撮影し、自身の著作物や雑誌などで発表している。日 本における工業写真の第一人者。自動車メーカーデザイン室、撮影プロダクション勤務を経て2000年よりフリーランスとして『TIME』や『ナショナルジオグラフィック(日本版)』などで活動。主な写真集に「BUILD THE FUTURE」(太田出版、2010年)など。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

2014年8月19日

ミッション[宇宙×芸術]展にて、
劇場版アニメーション作品『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』の原画公開中!

現在全国公開中の映画『宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』の原画を、ミッション[宇宙×芸術]展の地下2階展示室内で公開しています!

映画を観た方もこれからの方も、東京都現代美術館のミッション[宇宙×芸術]展にぜひお立ち寄りください!

宇宙兄弟#0(ナンバーゼロ)』の公式サイトはこちら!


ポスター1.jpgポスター2.jpg

2014年8月17日

ミッション[宇宙×芸術]展、月面フォトロケーションで無重力写真を撮ろう!

今回はミッション[宇宙×芸術]展の楽しみ方をご紹介します。

地下の展示室へ降りていくと、そこには月面のフォトロケーションが!
月面から地球を望むこのセットは映画「宇宙兄弟」(2012年、配給:東宝)の美術、東京都現代美術館「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平」展の《アリエッティの家》セット、「館長 庵野秀明 特撮博物館」の巨大なミニチュア特撮セットなどを手がけたメンバーによって制作された《地球光》です。

こうして撮影すると、まるで月面で地球を持ち上げているかのような写真もとれちゃいます。
宇宙展 月面フォト.jpg

どんな仕上がりになるかは、ぜひ会場で確かめて下さい。

最後は家族で記念撮影!
「2014年 夏の思い出」の1ページに月旅行の写真を残してみませんか?
宇宙展 月面フォト2.jpg
※実際にご来場されていたご家族をモデルに撮影させていただきました。
ご協力いただき誠にありがとうございました。


地球光|Earthlight
プロデュース:籠谷武、美術デザイン:稲付正人、設計:早坂聰史、造型:渡邊昌義、ライティングデザイン:藤原工

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)

2014年8月13日

チームラボ代表・猪子寿之さんを迎えて 東京都現代美術館20周年記念 特別バージョン《憑依する滝、人工衛星の重力-Gold》公開

8月9・10日の2日間、「東京都現代美術館20周年 ナイトミュージアム」と題して記念イベントを開催し、「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて」展で公開中のチームラボによる巨大なプロジェクションマッピング作品《憑依する滝、人工衛星の重力》の特別バージョンが公開され、チームラボ代表の猪子寿之さんと当館学芸員の森山朋絵によるトークが行なわれました。

当日19:00、猪子さん登場とともに人工衛星「だいち2号」(陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)実物大模型)に降り注ぐ滝が水色から黄金色に...。

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チームラボ 《憑依する滝、人工衛星の重力》2014年
特別協賛=株式会社DMM.com
協力=ソニー株式会社/株式会社プリズム


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東京都現代美術館20周年記念 特別バージョン
チームラボ 《憑依する滝、人工衛星の重力-Gold》2014年

見逃してしまった、という方にも朗報です!
今後も8月15日(金)、8月22日(金)、8月29日(金)の夜7時から特別バージョンが公開されるそうです。
特別バージョン追加公開の詳細についてはこちら!


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チームラボ代表の猪子寿之さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?
1985年につくば市で開催された「国際科学技術博覧会(科学万博つくば'85)」で見たスペースシャトルの写真。

2.《憑依する滝、人工衛星の重力》はどのように描かれているのでしょうか?
コンピュータ上の空間で、重力を持つ人工衛星に引き込まれていく水をシミュレーションし、滝を描いています。水は粒子の連続体で表現し、人工衛星にぶつかった粒子はその周りを衛星し蒸発して消えていく、その映像をプロジェクションマッピングしています。

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)
アートであふれたテーマパークや街をつくりたい、建物内の作品だけでなく、例えば街頭や信号、噴水や家もインタラクティブに楽しめる、そんな環境を生み出したいと考えています。

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猪子さん、ありがとうございました!

「ミッション[宇宙×芸術]」展には、チームラボの《冷たい生命》《憑依する滝、人工衛星の重力》《脊振ILCハイスクール!》の3作品が展示されています。


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チームラボ teamLab
http://www.team-lab.net/
2000年、猪子寿之を中心に設立、ウルトラテクノロジスト集団。2011年、カイカイキキギャラリー台北で「生きる」展開催。2012年、フランス「LAVAL VIRTUAL」にて「建築・芸術・文化賞」を受賞、国立台湾美術館にてチームラボ「We are the Future」展を開催。「シンガポールビエンナーレ2013」にて《秩序がなくともピースは成り立つ》を展示。2014年、国内初の大規模な展覧会「チームラボと佐賀 巡る!巡り巡って巡る」展、Pace Gallery(ニューヨーク)にて、「teamLab: Ultra Subjective Space」を開催。

(「宇宙×芸術」展スタッフY)

2014年7月28日

山本一太内閣府特命大臣(宇宙政策担当)が来館されました!

山本国務大臣が来館され、「ミッション[宇宙×芸術]」展を鑑賞されました。

世界初の宇宙CM(大塚製薬 ポカリスエット/日清 カップヌードル)ほか、多数の作品を楽しまれたあと、SPACE TRAVEL社の宇宙旅行コンシェルジェ席で記念撮影。

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SPACE FILMS 《SPACE TRAVEL FOR SALE》 2014年

宇宙と芸術の今後について考えながら、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の模型によるプロジェクションマッピングの空間を体験。

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チームラボ 《憑依する滝、人工衛星の重力》 2014年

展覧会鑑賞後は、当館カフェ・ハイにも来店されました。
(8月31日会期終了まで、JAXAと漫画家・和田ラヂヲ氏のコラボレーションによる人工衛星を擬人化した《人工衛星クラブ》の楽しいイラスト満載、「人工衛星カフェ」として大人気営業中!)

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お忙しい中ご来館いただき、誠に有難うございました。

2014年7月 2日

「ミッション[宇宙×芸術]」展 関連グッズ販売中!

「ミッション[宇宙×芸術]」展の関連グッズとして、
ステッカーset(3種セット)、キャンディ、缶バッヂを販売しております。

宇宙展 グッズ3種類②.jpg
販売価格:上から右回りに 缶バッヂ各300円(税込)、キャンディ500円(税込)、
                  ステッカーset(3種セット)300円(税込)

宇宙展 ステッカー.jpg
こちらはステッカーsetの3種類

ミッション[宇宙×芸術]展会場、企画展示室地下2階アトリウム内特設ショップにてお買い求めいただけます。
ご来館の際に是非お立ち寄りください!
商品に関するお問合せはこちら ミュージアムショップ ナディッフコンテンポラリィ

2014年6月 7日

ミッション[宇宙×芸術]_道案内アプリ「MOT Navi」リリース開始!

半蔵門線・大江戸線の清澄白河駅から東京都現代美術館までの道のりが
楽しめるARナビゲーションアプリがバージョンアップして登場!
資料館通り商店街にあるマーカー(目印)にアプリをかざすと、
簡単にスタンプラリーが楽しめます。
たくさんスタンプを集めて、素敵なオリジナルプレゼントをGETしましょう!

遊び方はこちら

期間:「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて」展会期中 2014年8月31日(日)まで
推奨端末:iPhone4S以上のiPhone、第5世代以降のiPod Touch

⑨和田ラヂオ《人工衛星クラブよりだいち2号クン》.jpgのサムネイル画像

和田ラヂヲ《「人工衛星クラブ」よりだいち2号くん》(参考図版)