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2015年5月30日

他人の時間 mamoru

『他人の時間』展参加アーティスト、今回ご紹介するのはmamoruさんです。

本展覧会で展示されているmamoruさんの作品《THE WAY I HEAR, B.S.LYMAN 第五章 協想のためのポリフォニー》は、
明治時代に行われた北海道開拓の歴史が私たちに及ぼす影響や繋がりを音、テキスト、映像などのメディアを複合的に用いて表現しています。
そして本作品の原点となったのが、展示室にも展示されている地質図のリトグラフです。

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作品設営のため展示室にやってきたmamoruさんは、箱から慎重に地質図を取り出すと、
「あー久しぶりに見たなー。やっぱりいいなー。見る人が見るとすごいもんなんだけどなー」とつぶやきました。

mamoruさんはこの地質図の美しさに一目ぼれし、その歴史を地質学者のごとく緻密に調査してたどり着いたのが「ベンジャミン・スミス・ライマン」というアメリカ人地質学者・鉱山技師でした。この地質図は、ライマンが北海道の地質調査のために明治政府に招聘され来日した時に制作した日本で初めての地質図であり、ライマン本人が制作したものは二百部ほどしかないそうです。今回展示されているリトグラフは改めて原版から刷られたものであり当時ライマンが制作したものが忠実に再現されています。

またmamoruさんが北海道開拓の歴史に関心を抱いたもう一つの理由、それは彼の父親が北海道出身であり、まだ幼い頃北海道を訪ねる度に「ここは日本ではない、アメリカみたいだ」とアメリカに行ったことのない彼は何となく感じていたそうです。
そして大人になり、海を隔てている以上の違いが日本列島と北海道にはあることに関心を抱き、次第にこの違和感を掘り下げて行くようになりました。

かつてニューヨーク市立大学でジャズピアノ科を専攻していたmamoruさんは、現在オランダのハーグ王立芸術アカデミーと王立音楽院の共同プログラム「マスター・アーティスティック・リサーチ」(MAR)を修習中です。身近な物や行為の微かな音を「聴く」ことから見えてくる新たな世界観を提示する彼の作品は、観者の感覚を刺激し新たな時空間へと誘います。

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会場設営時のmamoruさん

この感覚、ぜひ「他人の時間」展会場で体験してみください!

*展覧会ページはこちら *

(「他人の時間」展インターン 現王園セヴィン)

2015年4月25日

他人の時間 ジョナサン・ジョーンズ

他人の時間展、今回ご紹介するのはオーストラリア出身のアーティスト、
ジョナサン・ジョーンズの作品《光落ちるウォール・ウィーヴ》です。
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ジョナサン・ジョーンズ《光落ちるウォール・ウィーヴ》2006/2015

展覧会前の準備中の会場にお邪魔して、特別に設営の様子を見させていただきました。

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オーストラリア先住民アボリジニの母親から受け継いだ伝統的な網づくりの手法や
儀式的な模様作りに着想を得た本作品を設営するのは4、5名の設営スタッフです。

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彼らは、一定の法則に従って壁一面にあけられた穴に黙々と電気コードを通し、
オーストラリア先住民のカヌーをかたどった輪を作ってゆきます。
一定のリズムで繰り返されるこの作業は儀式的であり、
このプロセス事態が作品の一部である様に思えます。

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繰り返し編まれた電気コードの先端、床ギリギリに設置された電球はオーストラリア先住民が狩りのために夜カヌーに乗ってかがり火を灯していた風景を想起させるとともに、
テクノロジーの発展が生活様式に与える影響についても思い起こさせます。


*展覧会ページはこちら

(「他人の時間」展インターン 現王園セヴィン)

2015年4月11日

他人の時間 ブルース・クェック

いよいよ本日から「他人の時間」展がオープンしました!
これから数回に渡って「他人の時間」展に出品している作家をご紹介していきたいと思います。

第1回目はシンガポール出身のアーティスト、ブルース・クェックさん。
今回展示している作品《鏡の回廊:アジア・パシフィックレポート》の時計はそれぞれが、
1分間あたりに起きている特定の社会的・環境的問題の統計に基づいて異なる時を刻みます。

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24台の時計に囲まれて黙々と展示作業をしているブルース・クェックさん

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全ての時計をセッティングするのにどのくらい時間がかかるのか?いつも一人でセッティングするのか?という質問に対して、
「時計のコンディションが良ければ一つ15分程でセッティングできるが、不具合が生じると一つの時計に1時間半も掛かってしまう。
また、時計の調整はとても複雑であり正しく調整できるのは自分だけなので他の人に任せることが出来ない」
と作業する手を休めずに答える彼の姿はまるで時を操る職人の様です。

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完成した作品はぜひ展示会場で!

また明日4月12日(日曜日)14時~ブルースさん他、参加アーティスト7名によるアーティスト・トークも予定しています。
作家のお話が身近で聞ける貴重な機会ですので、是非ご来館ください!

アーティスト・トークの詳細はこちらへ
*展覧会ページはこちら

(「他人の時間」展インターン 現王園セヴィン)