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2/25(土)カニエ・ナハ+大原大次郎「深川の漣ツアー」レポート

「MOTサテライト 2017春 往来往来」では、メイン会場の「MOTスペース」7か所展示をしているほか、「MOTスポット」と名づけた店舗や施設等でも小規模な展示を行っています。

この「MOTスポット」の17か所では、詩とタイポグラフィのコラボレーションを行ったカニエ・ナハさんと大原大次郎さんのコラボレーションによる「のれん」《旅人ハ蛙、見えない川ノ漣》という作品をご覧いただけます。
先日2月25日(土)に、カニエ・ナハさんと大原大次郎さんのお二人がこの作品を解説する「深川の漣ツアー」を実施しました。

春がもうすぐ来ることを感じさせるような暖かい陽射しの中、おふたりの作品の展示スポットをめぐりながら、詩の解題やデザインの意図、またのれんになるまでにカニエさんと大原さんの間で交わされたやりとりなどを明かしながらツアーが進みました。

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MOTスポットN(あづま屋文具店)
このお店では鉛筆に名前を入れるサービスをしているのにちなみ、カニエさんは「鉛筆」が使われている当館収蔵作品、レベッカ・ホルンの《バタフライ・ムーン》も詩の中に詠みました。
また、大原さんもそれにちなみ、のれんに鉛筆でカニエさんの詩を書いたそうです



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MOTスポットHの「しまぶっく」という古書店。
こちらの詩がのれんを設置している17か所の中でもっとも長いものとのこと。「しまぶっく」という響きから、当館収蔵作品の島袋道浩さんの《そしてタコに東京観光を贈ることにした》につながり、海、タコ、足、サッカーなどにイメージがどんどんつながっていきます。



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MOTスポットD(オールプレス エスプレッソ)ののれん。
コーヒーロースタリー&カフェのこの場所では、大原さんは「コーヒー豆の袋のプリントのような雰囲気、またその袋を開いたようなイメージにした」とお話されていました。


これらののれんをつくるにあたり、カニエさんからの投げかけに対して大原さんがタイポグラフィを考えたり、逆に大原さんから、たとえば、「お店の屋号にちなんで数字とアルファベットのものを」とリクエストを出したものに対してカニエさんが詩で応じたり、というやりとりがあったそうです。

カニエさんが「詩はもともと朗読される機会は多いが、今回の大原さんとのコラボレーションにより、大原さんが文字で詩を朗読してくれたと思う」とおっしゃったのに対し、大原さんは「カニエさんの詩をのれんに起こす("朗読"する)際は自分の声が強すぎることのないよう、観る人自身の声で詩を受け取れるよう、自分のデザインの色が出過ぎないように心がけた」とおっしゃっていました。

今回カニエさんが詠んだ詩の多くは、この地域に縁が深い松尾芭蕉や小津安二郎、伊能忠敬や平賀源内などの著名人の作品やエピソードなどを参照しているだけでなく、当館の収蔵作品、のれんを設置しているお店の情報などを幅広く参照しています。また、「水」「川」といったものを想起させるものも多く、あたかものれんや詩がまさに漣のように水面に浮かんでいて、そこから大きな池の中に潜っていくように、このまちを味わうことができるようだと感じました。

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ツアーの「延長戦」ということでまわった江東区芭蕉記念館。

MOTサテライト」の展示のメイン会場である「MOTスペース」は、木・金・土・日・祝に開場し、月~水はお休みですが、こののれんの作品は各店舗・施設の営業日に応じてご覧いただけます。

今後はMOTサテライト会場にて解題をプリントしたものを配布する予定です。同じく会場で配布しているマップとあわせてご覧になりながら、まちのあちこちで、漣のように軒先でゆれるのれんをたどる散歩にいらしてはいかがでしょう?
(カニエ・ナハ)による解題と、詩の原文

(RN)


「MOTサテライト 2017春 往来往来」の今後のイベント情報はこちら

イベント情報:
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/mot-satellite-1.html#tabs=tabs-3