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ミッション[宇宙×芸術] 逢坂卓郎さんへのQ&A

ミッション[宇宙×芸術]展の中盤には逢坂卓郎さんの《Fullness of Emptiness Integral》(コントローラー制作:倉田真一)が展示されていました。広い展示室の床面には幻想的な青いLED 500個が点在し、脇の展示通路から俯瞰して眺めていると、所々で点灯したり消えたりを繰り返していることに気づかされます。

さらに国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟における 『文化・人文社会科学利用パイロットミッション』で逢坂さんが提案された作品のひとつ、《Spiral Top-II オーロラオーバル》の実機や写真が展示され、JAXAが取り組んだ宇宙における芸術的アプローチ全体についてもアーティストらのインタビュー映像で紹介されていました。

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Fullness of Emptiness Integral 2014年 コントローラー制作:倉田真一
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逢坂卓郎さんに聞く
宇宙と作品に関する「3つの質問」

1.宇宙に興味を持った時期、きっかけは何ですか?

はじめのきっかけは小学校低学年時に見た「金環食」です。急に寒くなり夕刻のような暗い中、カラスが鳴きながら巣に帰って行き、地面に影じられる葉の影が三日月型の太陽の形をしていた事がとても不思議で心が騒ぎました。また、小学校の校庭から「天体望遠鏡で見た星空」、じっと見ていると現れてきた空間を埋め尽くす星の海に驚愕しました。
その後も高校生時に「ジャコビニ・チンナー流星雨」、50代には娘と富士山五合目で「獅子座の流星雨」を見て、それまで大袈裟だと思っていたヨーロッパの木版画そのもの、宇宙との一体感を感じました。30代にオーストラリア中部で見た「闇よりも密度の高い星空」にも圧倒されました。静寂の中、流れ星とともに無数の人工衛星が飛び交う、アボリジニーのシャーマニズムが生まれる必然性を感じました。

2.これまでの≪生成と消滅(Appearance and Disappearance)≫シリーズと今回の出展作品はどのような点が異なるのでしょうか?

星や生命の発生、消滅の根源とされている超新星、そこから発せられる宇宙線が時空を超えて地球大気に侵入し、第二次宇宙線となって地表に降り注いでいます。今まではこの宇宙線を主に捕らえて光に変換していました。今回の作品はグラウンドと呼ばれる地中からの放射線も捕らえ、宇宙と地球の放射線を視覚化することで、私たちが宇宙と一体である事を感じようと試みた作品です。上から俯瞰するように見る事も初めての試みです。

3.次なるミッションは何ですか?(今後の活動展開について)

1)太陽の光とダイクロイックミラーを使用した屋外作品を建築外壁に設置します。ダイクロミラーの特殊な性質を使って、太陽の移動により、透過と反射する色光が刻々と変化して行く作品です。
2)ハイブリッド自然エネルギー発電に注目し、わずかな電力で森と畑にほのかな灯りを添えるプロジェクトを会津三島町で進めています。

宇宙へ眼を向ける事を通して、今の私たちの生活と世界とを相対的に見る視点の確立が大切だと考えています。
宇宙に於けるアートの可能性とアートによる震災復興活動を同時に取り組んできましたが、二つの事業を横断する視点が、これから私たちが取り組んで行くミッションの意義と意味を見出す予感を感じています。
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逢坂さん、ありがとうございました。

逢坂卓郎 Takuro Osaka
http://www.takuro-osaka.com
1948年生まれ。早期より主にライトアート領域において先駆的な活動を展開し、「ELECTRA」展(パリ市立近代美術館、1983年)ほか国際的な企画展に多数参加。1995年より宇宙線を可視化してLEDの光に還元する試みをスタートし、月光を用いた《Luna Project》(「第1回大地の芸術祭」)や新東京国際空港などパブリックアートも手がける。2001年より旧宇宙開発事業団(NASDA)との共同研究を行い、無重力実験フライトを複数回体験した。2008年より国際宇宙ステーション内で4回の芸術実験を実施し、この領域の第一人者として、光や流体、音波による表現の提案を行う。

(ミッション[宇宙×芸術]展スタッフY)