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2014年5月16日

「ミッション[宇宙×芸術]」展 「ワンダフル ワールド」展のボランティア募集

2014年夏に開催する企画展、「ミッション[宇宙×芸術]」展と「ワンダフル ワールド」展では、体感型・参加型作品を展示します。
お客様に展覧会を楽しんでいただけるよう、会場内でのご案内や、鑑賞のサポートをしていただける方を募集します。

【活動内容】
作品鑑賞のサポート。展示室内での活動になります。
1)「ミッション[宇宙×芸術]」展 出品作品「スペースダンス・イン・ザ・チューブ」運営補助
*楽しく身体を動かしながら無重力空間をイメージ出来る作品です。
2)「ワンダフル ワールド」展 体験鑑賞補助
3)必要に応じて他の展示コーナーやイベントの運営補助

【活動日時】
活動日:2014年6月22日(日)~8月31日(日)のうち休館日を除く毎日
活動時間:10:00~18:00(途中休憩あります)、午前(10:00~14:00)または午後(14:00~18:00)のみの活動可(応相談) 
*休館日:月曜日、ただし7月21日(月)は開館、7月22日(火)は休館

【事前説明会】
開催日:2014年6月21日(土)
時間:10:30~14:00
場所:東京都現代美術館
*事前説明会に参加できない方には、展覧会・ボランティア活動概要を別途お知らせいたします。

【応募資格】
1)18歳以上で、ボランティア活動の趣旨を理解し展覧会を応援していただける方。
2)会期中3日以上の活動が可能な方。または、週のうち定例的な活動が可能な方(例:毎週○曜日)。
3)連絡のためにメールアドレスをお持ちの方。

【その他・条件】
1)ボランティア活動をするにあたり、展覧会への理解を深めていただくため、任期中、ボランティアは展覧会を何回もご覧いただけます。
2)報酬、交通費、食費の支給はありません。
3)ボランティア保険に加入します(無料)。

【応募方法】
下記の必要事項を下記メールアドレス宛にメールにてお送り下さい。
1 氏名(ふりがな)/ 2 年齢/ 3 住所/ 4 電話番号(日中連絡先)/ 5メールアドレス/ 6 活動希望日(3日以上、または定例的な曜日をご記入ください)/ 7 事前説明会の参加可否/ 8 志望理由

応募先:missionkodomo@mot-art.jp

*個人情報は、ボランティア募集の目的以外には一切使用いたしません。
*ご応募いただいた方へは、メールを受信してから1週間程度で返信いたします。迷惑メール拒否の設定をされている方は、あらかじめmissionkodomo@mot-art.jpからのメールを受信する設定にしてください。

(応募締め切り)
2014年6月15日(日)

質問・お問い合わせ:
03-5245-4111(「ミッション[宇宙×芸術]」展・「ワンダフル ワールド」展ボランティア係)

*展覧会の詳細についてはHPをご参照ください。

2014年5月10日

MOTアニュアル2014ブログ No.24 パラモデルの林泰彦による展覧会ファイナル・トーク

いよいよ展覧会もあと2日になりました。
今週末はそれぞれイベントを予定しております!
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10日(土)15:00~吉田夏奈 
  詳しくは→MOTアニュアル2014ブログ No.21

11日(日)15:00~パラモデル(林泰彦)
場所:企画展示室 地下2階
参加費:無料(チケット不要)
定員:40名程度
*開場は15分前。展覧会場とは別の場所になりますのでお間違いなく。
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パラモデルのアーティスト・トークは、じつは展覧会初日の2月15日にも実施したのですが、その日はあいにくの大雪。交通機関も動いていないところもあり参加できなかった方も多かったため、今回、特別にお願いして最終日に林さんの"再登場"が実現しました。

林さん.jpg
制作中のパラモデルの林さん(撮影:後藤武浩)

今回の新作についての制作プロセスや作品の背後に潜むコンセプトなどお話いただけることと思います。ご本人に会ってみたい方、直接、お話がしたい方、ぜひお越しください!

2014年5月 8日

MOTアニュアル2014ブログ No.23 インターンのカノさんのお薦めスポット

これまで出品作家のインタビューなどを担当していただいたインターンのカノさんですが、一年間のインターン期間を終え、4月末に無事に当館を卒業されました。
最後に「MOTアニュアル2014」展を担当した感想やお薦めスポットについて、
記事をまとめてくれましたので、お届けします!

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インターンとして一年間、「MOTアニュアル2014」の展覧会作りのお手伝いをさせていただきました。

 展覧会を内側から見てみて、空間作りのために作家の皆さんと学芸員が話し合いを重ね、全体としてより美しい展示空間を作っていこうとしている姿を知ることができました。作品の魅力を最大限に引き出す空間を作るには、作品を深く理解することや、様々な方向から鑑賞の可能性を考えることが必要なのだとわかりました。

 また、作家へのインタビュー等を通して、6組それぞれに、他の誰かが作ったものへの思い入れがあることを知りました。作品はとても新しいもので、それだけで独立しているかのように見えるけれど、作品の背後には必ず、作家と周りの世界との濃厚な関係があることがわかりました。作品について本当に深く知るには、まだまだ知るべきことがたくさんあると感じます。

 私のおすすめは、3階の展示を見終わった後にある2階の小さな展示室、「fragments of FRAGMENTS もう一つのフラグメント」です。6組の作家たちの展示室からこぼれ落ちたフラグメントを集めた小部屋であり、個々の小さな作品とじっくり対話できます。薄暗い小部屋の中に6点の作品が浮かび上がる空間全体を、展示室の入り口から眺めるのもおすすめです。

2階展示室.jpg
2階の展示室「fragments of FRAGMENTS」(撮影:伊奈英次)

また、「MOTアニュアル2014」の展示は、実は会期中にどんどん変化しています。作家が美術館に来て制作し、新しく増えた作品や展示もあります。会期も残りわずかとなりましたので、まだ見ていない方はもちろん、一度来られた方もぜひもう一度お越しください。

修復シリーズ.jpg
会期中に制作された髙田安規子・政子の「修復」のシリーズ(撮影:伊奈英次)
(美術館の屋外に設置された作品です。)



2014年5月 7日

MOTアニュアル2014ブログ No.22 髙田安規子・政子によるワークショップ

ゴールデンウィークも終わりましたが、皆様、いかがお過ごしですか。
さて先週の土曜日、5月3日に出品作家の髙田安規子・政子さんよる「地図のミニワークショップ」を実施しました。
お二人の地図の作品といえば≪富士山≫。
富士山の地図を等高線に沿って切り取った細かな作品が、展覧会に出品されています。
このワークショップは、そうした作家の制作のプロセスの一端を、参加者にも挑戦していただこうという企画です。

富士山2.jpg
髙田安規子・政子《富士山》(山頂の部分)撮影:伊奈英次

そんな細工ができる器用な人がいるのか?
やりたい人がいるのか?
・・・・という心配もありましたが、お陰様で定員をこえる応募者に、ほっと胸をなでおろす場面もありました。

さてお二人は、今回のワークショップのために、地図をテーマにした過去作品も多数ご用意くださいました。

これはニューヨークの地図。すごく大きく、細かいです。
ニューヨーク.jpg

航空路線図だけを残した地球儀も!
地球儀2.jpg

テムズ川を中心にしたロンドンの地図
ロンドン.jpg

そうした作品をお二人のレクチャー付で鑑賞した後、東京の3種の地図の中から、お好きなものを選んでいただき、ひたすらカットしていく作業に専念。

デザインカッターを使って。
WS風景.jpg

みなさん、黙々と・・・。静かです。
WS風景2.jpg

切り取り方を説明する髙田姉妹。
「どこを残すかが重要」とのこと。
髙田さん.jpg

これは髙田姉妹が作ったサンプル。
道路を残して、他を切り抜いています。
サンプル2.jpg

わずか2時間のワークショップだったので、制作途中・・・という人も多かったのですが、みなさん力作揃いでした。

地図の裏返すと、青地に浮かび上がる不思議な模様。
無題.jpg

東京の半分が完成しました。半分は未完成のままでも面白そう。
作品2.jpg

こちらは高速道路を残した作品?
作品3.jpg
髙田姉妹曰く、「作ってみないとわからないことがあり、切り抜いて初めて街の形が理解できる。」そうです。
参加者の皆さんの感想は、
「地図自体は同じものなのに、見る人によって、捉え方が違ったり、感じるモノが違ったりすることを、それぞれの人が地図を切っていく場所や残す場所が違うことでとても強く感じました。」
「普段、目的地に向かうための地図をこんな風に切り取ることで、思わぬ模様に出くわしました。何気ないものでも、見方によって視点が変化したり、思いもつかないような発見があるのだと気づかされました。」
そして、
「集中力が必要な作業で、思っていたよりも大変でした。富士山の等高線の作品に一年かかる意味がわかった気がします。」というものも。

驚くほど細かな作業の積み重ねによって生まれた≪富士山≫を、ぜひもう一度、展示室で。







2014年5月 5日

MOTアニュアル2014ブログ No.21 吉田夏奈によるアーティスト・トーク

ゴールデンウィークの只中ですが、いかがお過ごしでしょうか。
さて展覧会もラスト一週間ですが、様々なイベントが続きます。
今日は5月10日(土)に行われる、出品作家の吉田夏奈さんによるアーティスト・トークのお知らせです。

yoshida.jpg
吉田夏奈≪Face to the Green≫(撮影:早川宏一)

吉田さんはいつも全力投球の作家です。山に登る、湖を渡る、海に潜る・・・様々なご自身の冒険を経て生み出される作品は、"風景画"の領域を超えてゆくものです。その制作のプロセスについて、今回のトークではたくさんの画像もご用意いただき、ひも解いてくださるようです。
先日も、私が展覧会のギャラリートークをしていた時、お客様から、「吉田夏奈さんのこの作品、どうして≪ポテト・インテリア≫なんですか??」と質問を受けました。≪ポテト・インテリア≫というのは、展覧会のために制作された新作で、下にある展示風景写真の中央に写っている角柱の作品群です。

展示風景.jpg
吉田夏奈の展示風景  (撮影:伊奈英次)

≪ポテト・インテリア≫は、作家の住む小豆島にあるバリエーション豊かな石や岩を描いているそうですが、確かに'なぜ固い石がじゃがいもに?'と疑問に思いますよね。

それが明かされるのももうすぐです。
アーティスト・トークの前後には、展示室での公開制作も予定しています。会期最後ではあるのですが、展示室にはまだ白い壁面が残っているので、そこにクレヨンでドローイングを加えていきたい!と意欲的な吉田さんです。
展覧会まだの方も、そして一度ご覧いただきました方も、ぜひこの日に合わせてお越しください。

吉田さん.jpg
展示室で≪ポテト・インテリア≫の仕上げをする吉田夏奈(撮影:後藤武浩)

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吉田夏奈によるアーティスト・トーク
日時:2014年5月10日(土)15:00~16:00
場所:企画展示室 地下2階(開場は15分前)
参加費:無料(チケット不要)
定員:40名
*トークの前後に作家が展覧会場にて公開制作をいたします。そちらは入場の際に展覧会チケットが必要です。
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2014年5月 4日

MOTアニュアル2014ブログ No.20 メールでQ&A「パラモデル 中野裕介」

こんにちは。学芸員の森です。
さて「MOTアニュアル2014」も、もうあと少しになりました。
さて出品作家のインタビューシリーズですが、今回は、パラモデルの中野裕介さんの回をお届けします。
じつは中野さんは何度か美術館に来ていただいていたのに、正式なインタビューの機会が取れず、今回、改めてメールで質問させていただき、解答を文書でいただきました。
長文にはなりますが、掲載させていただきます。
(最初にいただいた文章はさらに長かったので、ご本人の了承を得て、一部割愛させていただきました。)

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1.今回、中野さんは本をテーマに展示されていますが、中野さんにとって本とはどのようなものなのでしょうか。

幼い頃から、長いテキストに少し挿絵の入った子供向けの読み物、そしてもちろんマンガなど、次から次に読む、本の虫でした。今は普段、近所の大学図書館で働いてもいて、いつも大量の本に囲まれて過ごしています。
このWeb時代、電子書籍・図書館など、情報自体は洪水のように溢れ、優劣の議論もされていますが、やはり、二つの間には位相や機能の差異があるんだな、と思います。
本をいろんなレベルで扱えば扱うほど、作品の中で考えるほど、電子的雰囲気とはまた異なるある感触、モノとしての「本を感じる」ことが、やはり僕自身の充実感としてはまず大事なのかな、と改めて感じました。
それらは単なる情報ではなく、やはり、情報の「模型」であり、オブジェであり、ブロック玩具などに近いものかなあと。
図書館という宇宙模型のような世界の中で、情報をブロック玩具のようにして「遊ぶ」事、たまたま隣り合わせ、意想外の連鎖が産まれる事は、誰にとっても楽しいことだと思います。そして能動的に遊んで、何かを自分なりに創り出して、ようやく自分の「心の」本達になる。心に「書」を持ち、一体化して、「外」へ出ること。そのように想像していくと、物質的な本と電子的な本の意味合いは、かなり接近もしてくるように思います。人間の生や存在自体が、非物質的な出来事と物質的な出来事との混淆の狭間に流れる「水」、あるいは狭間に吹く「風」だとすれば、「本」という存在は、テキスト内容とその外殻(挿絵などのパラテキスト群、または電子環境)の隙間において、実にそうである、というのが今僕が思う、「本」の有り様です。

2.美術図書室を展示の中心に選んだ理由はありますか。
また、図書室に展示した感想を教えてください。

中野さん.jpg
図書室で展示をする中野さん (撮影:後藤武浩)

図書館が好きで、図書館で働き、図書館をよく利用する僕が図書館をモチーフにすることは、自然な成り行きでした。そしてMOTの図書館は日本の美術館の中では最も充実していますし、ここで何か出来ないかな、と単純に思いました。
美術館と図書館を比較して考える時、美術館での展覧会は、全て展覧会記録・図録という形で図書館にアーカイブされ収斂し、そこを胎盤に培養されてゆく、と考えることは、極論ではあるけれど、思考遊戯的には十分可能ではないでしょうか。視点を変えれば、MOTの中枢はもしかしたら美術図書室が担っているかもしれない。あくまで空想遊びに近いニュアンスですけど、そんな視点から何かがまた新しく見えてこないかな、と思いました。
今回、図書館と美術館の立ち位置の顛倒、書物と美術作品の立ち位置の顛倒、という思考遊戯がどれほど示せたかといえば、まだまだです。本来、純粋な図書館でこそ大々的にやるべき実験かもしれない。ただ、今や僕にとって作品はまず、図書館や書物により近いものですし、近くあって欲しいし、何なら来るべき書物に情報を載せたい、その書物を眺めたい、図書館に納めたいから作品を作る、という逆さまの順序が、僕にはしっくりくる感触さえあります。

3.中野さんは、美術館全体を"巨大な架空の書物『Paramodelliana』の建設現場"に見立てましたが、未完の書物のテキストがこれから生まれるとしたら、どのような内容になるでしょうか?

今回は、美術館の建築空間全体を、巨大な架空の書物の生成状態に見立て、そのパラテキスト(G.ジュネットの研究によると、書物の根幹となる「テキスト」を取り囲み延長し、「書物」を形成する周辺諸要素であり、タイトル・表紙・挿絵・図解・目次・帯・序文・あとがき・解説・奥付・註釈・参考文献・参照など)を館内に分散させ、その仮想プランの仕組みの中で「遊ぶ」ことで、「書物」生成の実相を最大限拡張して、模型的・遊戯的に、何かしら示せるのではないか、と作品群を構想しました。

図書室風景.jpg
図書室での展示 (撮影:伊奈英次)

その書物の内容面は、パラモデルの一点としての僕の根源に寄り添った、web上で密かにアップデートを続ける流動的な電子テキストと、J.ブスケの著作『傷と出来事』をベースにした、僕自身の草稿テキストにひとまずは基づいています。ただ、それらは常に構想の段階であり、「テキスト(本文)」だけはいつまでも不足した状態ですから、空想的でとめどない「パラテキスト=仮想の遊びの痕跡」のかけら達がその消失点に向かって随時発生し、お互いに影響し合い、予想外の展開で未知の収束に向かって行く、というような空想遊びになればな、と思いました。

模型や註釈の中にイメージとして出て来た、心眼で静かに本を読む盲目の女性、幻肢で本を触り感じる盲目の小人、といった特異な読書像は、共にJ.ブスケの詩想から着想を得たものですが、「盲目の言葉と無言の像」(ドゥルーズ『フーコー』)といった、人間の生におけるある究極の形姿、また「本を感じる」というイメージを最大限讃えるものになったとは思っています。
これらの出来事を眺める観者も、永遠に顕在することのない「テキスト」を自由に想像し、「大きく空虚な物語」を巡り、移り変わり定着することのないパラテキストのかけら達と共に、架空の「書物」編集・生成に遊戯的に寄り添い(それは「編集・出版ごっこ」といってよいかもしれません)、追体験し楽しみ、また、「書物」とは一体何か?という思索を深めるきっかけになれば、と思います。
幼い頃から、子供向け読み物などで感じた、「テキスト」と「挿絵」の内容の間の、永遠に合致しないような不思議な感触が、今回の構想の一番根っこにある動機です。それを拡張した、今回の挑戦が上手くいったとは思いませんし、現在、まだ制作は水面下で続いています。そんな中、通常の意味の「テキスト(本文)」は無くとも、「テキスト(本文)」的内容は、周りに産まれるイメージに押し寄せられながら、非時空間な場に発生しているんじゃないか、という感触はここに来て感じます。
どこまでも感覚しえない「テキスト(本文)」こそがすなわち「本」そのものであり、それはもはや文字としての形状も持たず、本来、ただ心にだけ刻み込まれ得る傷にも似た何か、どこまでも合致しない狭間を通る「水」であり「風」のような、永遠に非在の何か、なのかもしれません。そしてその主語は特定の「私」を超えた「我々」であり、多声的に語られゆく何かだろう、とも感じています。

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じつはパラモデルの展示は最近になっても密かに変化しています。
「未完の書物」が生み出す様々なパラテキストが美術館のあちこちに増殖中です。