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MOTアニュアル2014ブログ No.17 インタビュー「宮永亮」

こんにちは。学芸員の森です。展覧会も残すところあと一ヶ月!
今朝、いつの間にか展覧会が終わっている、そんな夢を見てしまいました。
作家や関係者のスケジュール調整、そして作品返却のトラックの段取りなど、
展覧会撤去の仕事に追われているせいかもしれません。

さて出品作家のインタビュー・シリーズの5人目、'宮永亮さん'の回をお届けします!
今回、宮永さんは《WAVY》というタイトルの新作を発表しています。
「波のように」を意味するタイトルですが、街並、家並など様々な「なみ」が矢継ぎ早に現れては消えてゆき、そしてまた現れる・・・
展覧会前に初めて宮永さんから見せていただいた時に、その迫力に呆然としたことを覚えています。
見終わった後、頭の中にその残像と残響が一気に押し寄せてくる、そんな映像作品です。

調整中の宮永さん.jpg
映像の調整をする宮永亮さん (撮影:後藤武浩)

では今回も、"MOTアニュアル展インターン"のカノさんによるインタビューで、お届けします。
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映像作家の宮永亮さんは、風景の映像を旅して撮影し、集めた複数の映像を何層にも重ねていくことで映像作品を作ってきました。
今回はその宮永さんに、作品づくりについて聞いてみました。

カノ「宮永さんの作品は、画面の中に様々な風景が何層にも重ね合わされていて、画面の様々な部分がどんどん変化していきます。
一度見ただけでは、映像の多様な動きに目が追いつきません。
しかし、二、三度繰り返し見るうちに、新たな発見が生まれてきます。
それはどうしてなのでしょうか。」

宮永「コマーシャル映像や映画は、一つの画面の中で、カメラがフォーカスした(焦点を合わせた)一つの視点が、そのまま観客の視点になるのですが、僕の作品はそうではありません。
僕の作品は様々な映像を何層にも重ね合わせているので、そこに複数の視点が生まれます。
たくさんのフォーカス(焦点)が存在していることによって、それぞれのフォーカスが相互に関係し合い、複雑に揺らいでいくこともあります。
映像を何層にも重ねていった結果、僕自身が意図した関連性だけでなく、僕自身も意図していなかった関連性も作品の中に生まれてきます。
作品の編集段階では、制作途中の作品を繰り返し見ながら作っていくのですが、その時々の時間や、気持ちの状態、精神状態によって、僕自身が作品のどこを特に注意して見るか、という、僕の視点も変わっていきます。

完成作品を見て初めて、『あ、こことここが同じ。』と、作品の部分と部分に関連性が出てきたように見える意外な瞬間もあったりするのです。」

カノ「また、宮永さんの作品は、始まりもなければ終わりもなく、永遠に続いていくようにも見えますが、それは意図していますか。」

宮永「映像は、ある程度ループ(循環)の構造を意識して作っています。何回か繰り返し見てもらって、新たな発見をしてもらうために、繰り返し繰り返し調整しつつ作っているところがあります。」

WAVY.jpg
WAVY2014

今回の展覧会では、≪WAVY≫を巨大画面で上映しています。
北海道の美瑛、新潟の田畑、京都や名古屋や東京の高速道路、そして奈良の家並など、様々な風景が登場する約10分の映像ですが、何度か繰り返し見ていただくことで、見落としていたディテールも浮かび上がり、新たな発見をもたらす魅力ある作品になっています。

展示室にはクッションも用意されていますので、そこでくつろぎつつ、ゆっくりと、ご鑑賞ください。

【お知らせ!】
来週、4月19日(土)に宮永亮さんのアーティスト・トークがあります。
当日は15時より福田尚代さんのトークがあり、その後、15時45分頃より宮永亮さんが登場します。
最近、奈良の石舞台古墳という特殊な場所に映像作品を投影した宮永さん。
そのお話や≪WAVY≫以外の映像も上映するという楽しみな企画です!
場所は企画展示室の地下2階。
予約不要ですのでお気軽にご参加ください。