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2009年8月25日

44と77のはざま

展示室の入口に置かれている
ウェルカム・ピースが
44の染体と言う作品。

本展覧会のタイトルにもなっている
「伊藤公象 1974-2009」

1974年は伊藤公象氏にとって
現代作家としての
スターティング・ポイントとも
言える時期。

様々な模索を経て
土を素材とする作品つくり
に焦点を絞った時期
となるからです。

その頃に技法として伊藤氏が
生み出したのが
多軟面体シリーズの作品。

まさに、このウェルカム・ピース
になっている44の染体は
伊藤氏が44歳になり、
花を咲かせるようになった
回顧展の中でも極めて
重要な作品です。
44の染体.JPG
44の染体

では、となると展示室の
最後を飾る作品は
どうなのかしら?

JEWELの襞77・・・
35年前の月日が経ち
本展の新作でもある
JEWELの襞77は伊藤氏の
77歳の作品。
jewelの襞77.JPG
JEWELの襞77

この2つの数字が持つ意味。
35年の長い月日だけという事
のみならず、作家の貪欲な素材への
追求の痕跡・・・

何に対してもライフ・スパンが短い
私達の現代病にそっと違う風を
吹いてくれるような、展覧会です。

2009年8月23日

アトリエ探訪

いつもは展覧会の様子をご紹介していますが、本日は
伊藤公象先生のアトリエをご紹介しましょう。

コピー ~ 杉林.JPG
先生のアトリエはやきものの町としても有名な、茨城県の
笠間市にあります。
自然が豊かなところで、このような杉林などを抜けて行くと・・
アトリエ入口.JPG
アトリエに到着。
ここで、制作していらっしゃるのですね。

中はこのようになっていました。
作業場.JPG
左の窯に、小さな箱がご覧になれますか?
これはダンボールの箱に、アルミナと長石をあわせたものが
入っています。
窯&アルミナ.JPG
会場内で展示されている《アルミナのエロス》は、このようにして
つくられたとのこと。
焼く前は、さらさらの粉の状態。
それが焼かれると、展示されているような形になるそうです。
今回の展示のために、伊藤先生はここで何日も《アルミナのエロス》
を制作されたそうです。
一連の作業に48時間もの時間を要するそうで、展覧会前はずっと
フル稼働だったと聞きました。


もうひとつ、アトリエの中で見つけたのがこれ。
冷凍庫.JPG
土を凍らせる冷凍庫です。

本展でも《土の襞-青い凍結晶》や《土の襞-踊る焼凍土》など、
土を凍らせた作品をいくつか展示していますが、このような
冷凍庫で土を凍らせていたのですね。

作品のうまれる場を知ると、より展覧会が楽しめるもの。
これからいらっしゃる方はぜひ作品が生まれた場にも思いを
馳せながらご覧ください。

2009年8月22日

"ひみつの観察”

今日は伊藤展の子供用関連プログラムの
アートピクニック"ひみつの観察”が
開催されました。

まずは、担当学芸員からのお話を聞いて・・・
伊藤展にはどんな作品が展示されているのかな?
P1010083.JPG

早速みんなで、観察旅行に出発!
観察記録を取りながら、
スケッチをしたり、
お話しをしたり。
P1010093.JPG

やっぱり、誰もが思う気持ち・・・
触ってみたい!
伊藤氏からお借りしている、
作品のパーツを、触って・・・
P1010126.JPG

今度はじっくり作品のディテールを
虫めがねでチェック!
P1010134.JPG

最後にはきれいな観察日記を作りました。
P1010151.JPG

今日は本当に楽しい一日でした。
子供だけではなくて、大人の私も
ちょっと燃えてしまうような
盛りだくさんのプログラム。

コレをきっかけにもっともっと
気軽に美術館に遊びに
来てもらえると嬉しいです。

2009年8月20日

後から気づいたこと・・・

P1010050.JPG

この部屋に入ると、
すーーーっと体感温度が
下がります。 

全て(ほぼ)が白いという
知覚的な効果があるのでしょうか。

それとも空間デザイン上、
そういった錯覚に
陥るのでしょうか。

他の部屋と温度は
同じなのに不思議です。

やはり、作品によって
体感温度をも下げてしまう
ものってあるのかも
しれません・・・。

こんな事をぼんやり
考えていると、
以前にもこんな感覚に陥った事を
思い出しました。

アトリウムに置かれた
アルミナのエロスの作品
をはじめて見た時。

匂いなんて無いのに
パチューリのような香り
が漂っていた気がしました。

私の妄想に過ぎないのですが
そういう場所に連れて行って
くれる作品に出会えるのは
嬉しいことです。

2009年8月18日

ちょっとした工夫

展示会場の出入り口の所に
白い箱があるんですが、
皆様お気づきでしょうか・・

ご存知で無い方、
それは実はアンケートボックスなんです。

現代美術の一つの魅力は作家自身が
まだ生きていると言うこと。

となれば、当然作家も
やはり自身の作品をどのように
感じ取ってもらえたのか・・・
あるいは感じ取ってもらえなかったのか・・・
がいろんな意味での今後の
バロメーターになると思います。

そう言ったリアル・タイムの
フィードバック感が
作家にとってっも、観覧側にとってもの
一つの対話の場。

その対話の場の提供としての、
アンケートボックス。

そこで少しでも多くの人に
伊藤氏の製作過程等への
疑問を分かってもらいたい!
と言う願いから、新たに
モニターが設置されました。

P1010039.JPG

作品を見る前にモニターで
少しだけ伊藤氏の世界を覗いてみる・・・・

または作品を見終わった後で
伊藤氏のユニバースを垣間見てみる・・・

どちらでもいいと思います。
P1010042.JPG
熱心にモニターを見ておられたお二人

お時間があれば、展示室を出る前に
アンケートにもご記入くださいませ。

その声はきっと作家に届きます。

2009年8月17日

ここにも、「多軟面体」

「多軟面体」
たなんめんたいって読むんです。

「多軟面体」って伊藤氏の
作家としてのスターティング・ポイント
になる代表的な作品です。

いくつも軟らかい面が
一つの作品に存在している。
とても不思議な感覚に陥る作品。

というのも、
作品が持つ軟らかい曲線と
焼くというプロセスを経た
土の従来の直線的な硬いイメージは
相反している個性だから。

「多軟面体」をはじめ
伊藤氏の作品は様々な
コントラストを持っています。 

そんなことを静かに感じながら、
私は作品鑑賞の角度を日々変えて
楽しんでいます。

森さんワーク.JPG
展示室に降りるときに見える「多軟面体」、
お気づきになられましたか?

2009年8月14日

ちょっとした秘密

重なりあい.JPG

上の写真って不思議ですよね・・・。

私も伊藤氏にこっそり
教えてもらったんです。

実は、インドアの作品(アルミナのエロス)と
アウトドアにある作品(土の襞 踊る焼凍土)が
交じり合う箇所があるんです。

サンクンガーデン側から
ガラス越しに2つの作品を見ると、
白と赤茶色が重なり合っていて、
なんとも言えない、
温かい気持ちになります。

建築の一部であるガラスと
きらきら光るJEWELの襞の作品で
2つの作品は離れ離れなはずなのに・・・

皆さんはコレを見てどんな事を
連想をされるのかしら。

2009年8月11日

駅貼りポスター!

KI022.jpg

KI020.jpg

伊藤公象展のポスターは
この1ヶ月~2ヶ月に渡り
様々な駅で出没予定です。

新宿で乗り換える人・・
上野を通る人・・・
銀座でぶらぶらされる人・・・

これらの箇所は
駅貼りされているほんの一例。
皆さんも、是非ポスター探ししてください!
(あっ、押し付けがましいですね? スミマセン・・・)

伊藤公象展の印刷物のデザイン
全般を手がけてくださったのは
東京ピストルの加藤賢策さんです。

ステキな作品を沢山作っておられるので
チェックしてみてください。↓
http://www.tokyopistol.com/

2009年8月 9日

伊藤公象展-タッチ&トーク

P1010066.JPG

P1010076.JPG-touching the sample.JPG

今日は伊藤公象展の関連イベントの一つ、
タッチ&トークが開催されました。

担当学芸員による1時間ほどの、ギャラリー・ツアー。
イベントの名前が示すとおり、タッチ&トークは
作品の一部を触りながら、鑑賞するツアーです。

展示作品を見るのは今回がはじめての人も、
既に見られた方も楽しんで参加できるイベントです。

皆様のいろんな疑問と好奇心をくすぐるような
伊藤氏の制作活動の裏話しや、展示場での伊藤氏の
様子など、写真や実際の作品のパーツを触りながら
様々な謎を皆でお話ししながら、解いて行く。

土が持つ様々な表情や表現法を担当学芸員が
説明し、実際に触りたくなる気持ちを、
かなえてくれた!と嬉しいコメントを頂きました。

今日わざわざお時間を作って、
お越しいただき、誠にありがとうございました。

今日お越しいただけなかった方にも、
まだチャンスはありますので、(8/23と9/19)
是非次回ご参加下さい。 

関連プログラムの詳細は以下でご確認下さいませ。
http://http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/100/3

2009年8月 6日

伊藤公象展の幕開け

伊藤公象 WORKS 1974-2009展
がいよいよ始まります。

内覧会には本当に沢山の方々にお越し頂きました。
ここでちょっと伊藤公象展内覧会の夕べの
雰囲気をご紹介したいと思います。 

伊藤公象氏は土を素材として、
制作活動をされて、35年。

その代表作を全貌できる本展覧会は、
作品と展示スペースが
一体化して溶け込んでいくような・・・
非常にダイナミックなものです。

この夜は個人的には、
伊藤公象氏の
圧倒的な土へのデディケーションとエネルギー
をたっぷり浴びて、
元気がパワーアップした感じです。

ワン・マテリアルなのにワン・表現ではない。

MOTの地下展示室は伊藤氏の作品で
個性的で美しい顔を見せてくれています。

インドア展示とアウトドア展示。

サンクンガーデンにある
外の3作品も含め、計17作品を
皆様のそれぞれのリズムで
エンジョイできる、本展覧会。

是非、伊藤公象展へお越し頂き
体感していただきたいと思います。

先生.JPG
熱心にプレスの方にお話しする伊藤公象氏