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2016年5月27日

(真の)セルフポートレートとは何か?

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昔から美術の主要なテーマとなってきた「顔」。
美術の歴史は、顔の歴史と言っても過言ではないほど、
美術館は顔であふれています。中でもセルフポートレートは、
これまで多くのアーティストが取り組んできたテーマであり、
本人の「らしさ」が思いがけない形で現れる表現形態です。


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今回は、イメージの歴史を題材にしつつ物語的想像力を生かした作品を制作し、
また古い写真の研究も行っている美術家の村上華子さんを講師にお招きし、
「イメージの物質化」を通して、美術史の主要テーマである
「セルフポートレート」を再考し、「(真の)セルフポートレートとは何か?」に
ついて考えるワークショップを行いました。
(実施日:2016年5月14日、対象:高校生以上~一般、参加人数:12名)


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参加者には、あらかじめ写真や絵などセルフポートレートを持参してもらい、
自己紹介で発表してもらいました。
その後、村上さんから様々な画像を用い、絵で描いたポートレートと、
写真で撮ったポートレートの違いは何か? 絵で描いた自画像と
最近の「セルフィー」の違いは何か? といった問いを通じて、
絵画と写真を貫く「うつす」というテーマについてレクチャーがありました。

後半は、このワークショップの要である、セルフポートレート「顔拓」作り。
絵でも写真でもなく、自らの脂分で「顔」のイメージを写し取ります。
村上さん自身、日頃からお化粧の際に使用しているあぶらとり紙に吸い取られる
自分の顔の脂を見るたびに、聖ヴェロニカの聖骸布(キリストの顔が布に浮かび上がった)
の話を思い出すとか。
そこで、このあぶらとり紙に写しとられる顔も「自画像」ではないかと思うように
なったそうです。


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小さなあぶらとり紙をのりでつないで大きな面にして、
顔面のあぶらを写しとる「顔拓」を自ら実践し、やり方を説明してくださいました。


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その後、参加者のみなさんもまずは、あぶらとり紙をつないで大きな面にして、
各自「顔拓」に挑戦しました。顔に張り付いたあぶらとり紙に脂分が染み出て、
顔が浮き出る瞬間は、ちょっとしたホラーでもあり、自分では見ることが出来ず、
その様子を見ているまわりの参加者からは驚きの声があがっていました。
自分の顔のはずなのに、なんだか違和感があり、
でもしっかりと浮かび上がっているセルフポートレートにびっくり。


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全員の「顔拓」が完成後、それらを鑑賞。
脂の出方にも個性があり、なかなか味わいのある「顔拓」がそろいました。

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鑑賞後は、美術館の普段は入れない館外で
完成した「顔拓」を使ってポートレートを撮影しました。

参加者の皆さんのアンケートには、
「セルフポートレートを通して、自分を考えるきっかけになった」
「皮脂で顔拓をするという奇想天外な試みでしたが、
これは紛れもなく自分自身の一部であり、今日という私の顔の一瞬を
とらえたものだと感慨深いものがある」
「皮脂には意思があるのではないかと他の方や自分の顔拓を見て感じました」
など、今回の顔拓体験からセルフポートレートへの考えが深まったと同時に
自分自身と改めて向き合っている様子が伝わってきました。

最後に村上さんは、自分で描いたり、撮影したりしたものばかりが
セルフポートレートなのではなく、これが私のセルフポートレートだと
感じたものが全てセルフポートレートなのかもしれませんと締めくくり
和やかにワークショップは終了しました。

参加者一人ひとりがこの体験をもとに、セルフポートレートとは何か?を
考え続けていってほしいと思います。(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月30日

こどもたちの「イタズラ」紹介

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9月22日、23日に行われた「ここはだれの場所?」展
関連ワークショップ「イタズラ・キッズ探偵団」で
「会田家」のコーナーにこどもたちが仕掛けた
「イタズラ」の数々をご紹介します。

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《カラダアヤトリ~プロローグ》の「物拾う男」に
イタズラ&他各所に小さなイタズラ

「物拾う男」の棲む家に、こっそりとカラフルなオブジェが
たくさん仕掛けられました。
男自身にもとりつけたかったのですが、怖くて実行できず...。
もともと、イタズラのアイデアがなかなか浮かばず、
とりあえずあった材料で各自アクセサリーのようなものを作りだし、
それらを男の家に飾る企みへと変化。
結果、一番目立たないが巧妙なイタズラとなりました。
男の家以外にも、他の展示物にこっそりと置かれており、
椅子にもピンクの不思議な生物を座らせました。

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おにぎりめっしー仮面

会田家の全ての展示要素を合体させてひとつのロボットを制作。
会田誠氏が8月まで公開制作をしていた畳の上に設置。
顔はおにぎり仮面、体は楽器、手には愛憎弁当、そして壁には仮面と檄文。
こどもたちの書いた檄文は「テストとは、とてもやっかいな物である。
100点をとればむだにきたいされ、0点はおこられる」など素朴な不満を吐露。

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ドラムを鳴らす装置

学習机の未来楽器(ドラム)を鳴らすための装置を制作。
ひもをひっぱると重りが上下してドラムをたたけるようになっています。
作品にくっつけたので、オリジナルとみわけがつかず、
初めらからこのような作品だったようにも見えます。
「本来は、たたけるようにしたかったので、
それが実現できたありがたいイタズラ」と岡田さん。
小さな子がひもをひぱって音を出して楽しんでいました。

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なぞの客

それぞれが作ったオブジェを合体させて、
エイリアンのような生き物を作り会田寅次郎作《TANTATATAN》の映像が
上映されている床に座らせました。
カラフルな床の色と違和感無く同化。
もとからそこにあったかのよう。

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秘密基地

講堂に用意されていた材料の中から偶然みつけた古い手紙。
秘密基地に関することが書いてあり、そこから秘密基地を作ろうということになったそう。
壁には、美術館に紛れ込ませるためのカモフラージュとして様々な絵を描いてはってあります。
中に入ると床は宇宙を表現。くつろげるようテーブルも用意。
また壁には窓も開いていて、中が覗けるようになっています。
小さなこどもたちに大人気スペースとなっていました。

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迷わす順路

「順路」と書いた紙に様々な方向を示す矢印を書いて、
展示通路にはり、順路を迷わすイタズラ。
順路男に扮したこどもが来館者にもイタズラを仕掛けました。

ちなみに、仕掛けたイタズラの数々はその日の閉館まで設置され、
たくさんの来館者の方々を惑わし、楽しませてくれました。(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月28日

ワークショップ1日目「イタズラしちゃう?」

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ワークショップ1日目(9月22日)。
まずは人形劇『イタズラしちゃう?』を鑑賞したのち、
こどもたちには「地獄の学芸員」から黒マントが提供され、
全員でこのマントを羽織り、イタズラ・キッズに大変身。
マントを装着することで、いつもとはちょっと違う自分に変わり、
イタズラ心に火がついたようでした。
次いで、グループに分かれて自己紹介。
ここからは、黒子のお兄さん、お姉さんも加わり活動を共にします。


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自己紹介の後は、展示室に出向き作品鑑賞。
同時にイタズラのアイデアも練ります。


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再び活動の拠点である講堂に戻り、事前に用意された段ボールや画材、
布やひもなどさまざまな素材を使って、イタズラを実現すべく各グループで創作タイム。
基本イタズラは、1グループで1個考案しますが、
複数やりたい場合はそれも可としました。
もくもくと作業が進むグループもあれば、なかなかアイデアが出なかったり、
まとまらないグループもありましたが、なんとか1日目の終了までには、
方向性が定まったようでした。


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最後にまた人形劇『明日もまってるぞ!』を上演し解散。
(次回に続く...)(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月27日

イタズラ・キッズ探偵団!

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当館で、恒例化されつつある夏のこども向け展覧会。
これまでのこども展は、主に未就学児~小学生(低学年)を対象に
作品に触れたり、のぼったりといった体感的ないわゆる参加型作品が多い構成でした。
でも、今展「ここはだれの場所?」においては、
こうした要素を少なめにし(というか、ほぼありません)、
対象年齢も少し上に想定し小学生(高学年)~中学生を主なターゲットに、
かつ親子で共に考える作品や場が用意されました。

とはいえ、小学生には自由な発想や感性でもっとダイレクトかつ
ダイナミックに展覧会を楽しんでもらいたいもの。
そこで、こどもたちが主体的かつ能動的に展覧会に関われる場を
創出することを目的とし、9月22日と23日の2日間、
「ここはだれの場所?」展関連ワークショップを実施しました。
題して「イタズラ・キッズ探偵団」。


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ワークショップの企画・指導は出品作家の一人「会田家」の
岡田裕子さん(写真上)にお願いしました。

自らが主宰するオルタナティブ人形劇団「劇団★死期」の
人形たちや黒子スタッフ(声優や人形遣い)とこどもたちが
展示室内(「会田家」のコーナー)にイタズラを仕掛けるという
ユニークな企画を考案してくれました。

ここでいう「イタズラ」とは、人に迷惑をかけたり、困らせたりすることではなく、
「新しいモノの見方を発見したり、楽しみ方を考えたりすること」と定義しました。


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ワークショップは人形劇の上演を交えながらのストーリー仕立てで進められました。
登場人物は、イタズラ大好きな悪役「地獄の学芸員」、
そのイタズラを解決する名探偵「ゲンダイチコースケ」、
ゲンダイチの助手「ベッキー・モロー」、
ちょっと不真面目な刑事「ガイコツ刑事」、
そして展示室でお客様を見守る「漆黒の監視員」。

これら5つのキャラクターが人形劇を通じて
こどもたちにイタズラのルールやワークショップの流れを説明し、
人形劇団の黒子スタッフがそのままこどもたちのグループリーダー役も担いました。


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こどもたちに最初に伝えたルールとして《イタズラ・キッズの掟》なるものを用意。
それは、「危険なことはしない」「モラルをまもる」「美術館の作品を大切にする」という3つ。
イタズラとはいえ、火や刃物などの危険物を用いるのはNG。
また人やお客様の心を傷つけたり、汚い言葉を使ったり、怖がらせない、
そしてもともとある作品を壊したり動かしたりしない。

テーマが「イタズラ」ということもあり、こうした教育的な観点から
社会のルールとでもいうべきものをしっかりとこどもたちに伝えることも
強く意識しながら行いました。

そのおかげか、こどもたちも今回のイタズラとはどういうことかを良く理解し、
自分たちも会場の来場者も共に楽しめるユニークなイタズラがたくさん考案されました。
(次回に続く...)(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年1月29日

「発見の術」プロジェクト記録展開催中

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昨年の6月から11月までの半年間実施しました、
東京都現代美術館 ワークショップ 2014
「発見の術」プロジェクト
日・伊の『往復書簡』 -新しい世界の出会いと、知恵を身につけるために!
の記録展示がミュージアムショップ横のホワイエで開催中です。

この記録展は、遠くイタリアに暮らす美術家・廣瀬智央と参加者が
半年間にわたり"文通"と"交換" -手紙や写真を撮るなどの行為- を行い、
日本とイタリアというお互いの生活の違いや共通点を探りながら、
普段見慣れた日常にいかに豊かな世界が潜んでいるか、
そんな出来事に出合うための新しい視点と豊かに生きる術を
身につける事に挑んだワークショップの記録です。

半年間交わされた実際の手紙や品々、ワークショップとホームワークの課題で
撮りためた参加者皆さんの記録写真を中心に展示構成されています。

皆様、ぜひご覧ください。

■会期:2015年1月24日(土)- 3月22日 (日)
■主催:東京都現代美術館
■会場:東京都現代美術館 ミュ−ジアムショップ横 ホワイエ
■企画:廣瀬智央(美術家)、企画担当学芸員 郷泰典
■開館時間 10:00~18:00  月曜日休館 入場無料
■発見の術プロジェクト関連サイト:http://topica-rediscover.tumblr.com

撮影:後藤武浩

2014年11月30日

最終回-ようこそ!廣瀬さん!!

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6月から始まったワークショップもいよいよ最終回(6回目:11月23日実施)。
最後は、これまで半年間参加者の皆さんと手紙のやり取りをしてきた廣瀬さんが、
イタリアからやってきてくれました。

廣瀬さんと会う前に、まずはいつものように
イタリアから届いたお手紙を皆さんにお配りしました。
最後のお手紙はいつもに増してずっしりと重く、
大変手の込んだもので、廣瀬さんお手製の木箱の中に手紙の他、
たくさんの絵葉書、手作りミニノートなどが入っていました。

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そして、嬉しいことにこれまで 皆さんが廣瀬さんに送っていた
路上観察写真の中からセレクトされた一人ひとりの写真を手に、
廣瀬さんがミラノの街中を散歩し、偶然見つけた 同じような風景に
重ね合せて撮影された写真が入っていました。
まさに廣瀬さんと皆さんとのコラボレーションです。
これには「やられたー! そうきたかー!!」と参加者の皆さんもビックリ。
満面の笑みを浮かべていました。

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最後の手紙で多いに盛り上がっていると、
突然ドアが開いて「どうも!」と廣瀬さんが登場しました。
またまた、ビックリ!!

「皆さん初めまして。そしてどうもありがとうございます。
手紙を書きながら毎回想像力をはたらかせるのは楽しかったです」と廣瀬さん。

これまで半年間手紙のやり取りをしてきた廣瀬さんご本人を前に、
皆さんちょっと緊張した様子でしたが、明るく朗らかな廣瀬さんの雰囲気に
だんだんと緊張もほぐれ、廣瀬さんも初回からこのワークショップの場に
いたかのように違和感なく溶け込んでいました。

挨拶もそこそこに、最終回は半年間続けてきた長期的な課題
「定点観測」の写真を発表し、廣瀬さんにご講評していただきました。

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「定点観 測」のテーマも人それぞれ。
自分が利用する駅構内を同じ時間帯にある1点から撮り続けた写真、
自宅の窓から見える景色、近所の公園の木々の様 子、
アイスクリームが常備されている自宅の冷凍庫、
飼っている文鳥の成長記録、アパートの解体風景などなど。
中には、2014 年ということで、図書館に通い分厚い本を探し、
その本の2014頁目だけを撮影した写真、
近所の家の壁にからまっている蔦の変化を撮影する予定が、
急にその家が取り壊しになり、結果取り壊される過程を
定点観測することになったという写真もありました。

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そうした写真を楽しそうに丁寧に見ていく廣瀬さん。
「ユニークな視点ですね」「対象を柔軟に捉えることが大事です」
「こうして人の写真を見る時間も大切。自分と他人の発想を見比べられます」と
コメントをくれました。

一通り見終えると、続いて今後予定しているこのワークショップの記録展示と
記録集の作成について具体的なアイデアや方向性が語られました。
つまり、ワー クショップはこれで終わりではなく、
もう少し皆さんには関わっていただき続いていきます。

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さて、せっかく廣瀬さんが来てくださったのですから、
廣瀬さんご本人の作品も見てみたいもの。
というわけで、廣瀬さんがご自身のこれまでの作品の数々をスライドショーで
紹介してくださいました。また、改めてこの企画が立ち上がってきた経緯を
担当学芸員である私からも伝え、私と廣瀬さんとの 20 年近くに渡る関係から
生み出されたものであることもお話ししました。

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最後に廣瀬さんからの総評として
「アートの世界も進歩しています。価値観を再構成し、
結びつけることで新しいものが生まれてきます。
想像力を使って石ころを金に変えていくことができます。
生きることに忙しい毎日、立ち止まることも大事。
日常を記録していくことで、自分とは何か、
生活の質について考え続けていってください」と締めくくられ、
半年間のプログラムは和やかに終了しました。

ご参加いただいた皆さん、そして廣瀬さん半年間ありがとうございました。(G)

※記録展示:2015年1月25日~3月22日を予定(ミュージアムショップ横のスペース)

記録撮影:後藤武浩

2014年10月28日

「動物の眼」と「青写真-光の軌跡」

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6月から始まったワークショップ「日・伊の『往復書簡』」も
ついに5回目(10月26日実施)。
今回廣瀬さんからは、なんと段ボール箱が届きました。
こうなると最早「手紙」ではありません。荷物です。

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中をあけると参加者全員に宛てた廣瀬さんお手製のオリジナルノートが
10冊入っていました。「芸術の秋」にからめ廣瀬さんが暮らす
「ミラノの文化を届けます」ということでミラノの市街マップや様々な
アート系のパンフレットなどが挟まったノート仕立ての「お手紙」でした。

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これまでの4回のやりとりを通じ、写真や文章の雰囲気から参加者一人ひとりの
個性も見えてきて、廣瀬さんのお返事の内容もボリュームアップし、
皆さん廣瀬さんのお手紙を読むのにも気合いが入ります。

さて、前回のホームワークは「動物の眼」。動物の視点で日常を
撮影してくるというお題です。動物になってみるといってもその解釈も様々。
小さなものでは「蚊」、大きなものでは「シロクマ」なんていうものもありました。
犬や猫というおなじみの動物の目線も。
皆さんが撮影してきた「動物の眼」の写真を見ながらデスカッションしました。

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動物の眼になって日常を見直してみることで、
「人間って大きんだな」と改めて実感したという方や
動物の行動範囲を自分も歩いてみることで、
普段では気がつかない路地裏の風景に遭遇できたなど
新たな発見も多数あったようです。
中には、魚の目線になりたくてわざわざ水槽を購入し、
中にカメラを入れて川で水中撮影に臨む強者もいました。

今回のワークショップでは、課題に答えはないので、
自身で考え実践するという主体性や能動性が強く求められます。

一方、本日のフィールドワークは「青写真ー光の軌跡」。
青写真とは、写真の原型のようなもので、印画紙に原版を
直接おいて太陽光で感光させるというもの。
美術館のお隣の木場公園で落ち葉や枝を集めてきて、
自然の形に注目しながら青写真を作成しました。

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青写真初体験の方も多く、「アナログの世界で、イメージが広がる」
「不思議な感じがする」という感想や、「葉っぱにもいろいろな形が
あるのにあらためて気が付いた」など葉っぱ集めの段階から青写真として
形をとどめる過程を経て、自然を見つめる意識も深まったようです。

次回いよいよ最終回。
なんと廣瀬さんがイタリアから皆さんに直接手紙を届けにやってきます。
廣瀬さんと皆さんとの出会い、どんな展開になるか楽しみです。(G)

記録撮影:後藤武浩

2014年10月 8日

「色探し」と「見立ての風景」

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6月から続いているワークショップも4回目(9月28日実施)。
後半戦に突入しました。
今回廣瀬さんから届いた手紙には、長ーいおまけが同封されていました。
それは、イタリアの様々な食べ物で構成された食材集。

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イタリアでも日本同様、ポストにいろいろなチラシが投函されているそうで、
それらのチラシに載っている食材のみを切り抜いて構成したものです。
イタリア感満載の「おまけ」を見て参加者の皆さんも「美味しそう!」
「お腹が減っちゃう」とニヤニヤしていました。

廣瀬さんからの手紙を読んだ後は、
前回のホームワーク「色探し」の成果を発表してもらいました。

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これは、身の回りの中にある「色」に注目して写真を撮って集めてくるというもの。
色の捉え方、集め方も様々で、「日本の赤」をテーマにした人やカラフルなものが
好きなので、一色にこだわらずにいろいろな色が混ざったものを撮影した人。
また「色」を柄として捉え木肌の迷彩模様などを撮影してきた人がいました。
さらに、自分がリラックスできる色を集めたり、信号機の3色にこだわって
「赤」「青」「黄」に着目して色を集めてきた人もいました。
この方は、信号機を撮影していたら警察の職務質問にあってしまったという
ハプニングもあったそうです。

ホームワークの発表の後は、本日のフィールドワークを実施。
今回は、「見立ての風景」がテーマ。
「見立て」とは、車を正面からみると顔に見えるなど、
別のものを想起したり連想したりする事です。
そんな見立ての風景を探しに、美術館の近所の商店街に出かけ撮影しました。

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今回のワークは皆さんかなり難しかったらしく、苦戦していました。
しかし、撮影されたものはどれもユニークで、自分の姿を風景に入れて撮影し
合成写真のような見立てをする人や、何かの隙間から撮影して借景のような効果を狙う人、
はたまた道路の白線などの模様を文字や記号に見立てる人がいました。

本日の感想を伺うと、
「皆さんの写真を見ていて、いろんな考え、視点があるなと思った」
「大人になって忘れがちな、子どもの頃の柔軟な発想を大切にしたい」
「多面的に物事を見る事でいろいろな風景に見える」
「遊び心を大切にすると心のゆとりが生まれる」などなど、
新しい世界の出会いと、知恵をまたひとつ手に入れたようでした。

ワークショップも残すところあと2回。
次回のホームワークは「動物の眼」。
動物になったつもりで写真をとってきてもらいます。
皆さんどんな動物になるのでしょうか?(G)

記録撮影:後藤武浩

2014年9月 2日

「食」と「裏の世界」

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6月から始まったワークショップ「日・伊の『往復書簡』」も
3回目(8月24日実施)を迎えいよいよ中盤。
今回廣瀬さんから届いた手紙は、いつもにも増してずっしりと重く、
手紙以外にまたまたいろいろな「おまけ」が入っていました。


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「空」の写真、ポストカード、レーターセット、そして廣瀬さんの
「シチリア旅日記」なるオリジナルの食のエッセイなど。
毎回趣向が凝らされた廣瀬さんのおまけを参加者の皆さんも楽しみにしています。
もちろん、参加者一人ひとりにあてた廣瀬さんのお返事も深く心にしみ入ります。


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さて、今回は、廣瀬さんからこのワークショップの大テーマでもある
「生活の質」について皆さんでディスカッションをしましょうという
提案がありました。一言で「生活の質」といっても大変難しいテーマです。
ワークショップを通じて世の中や日常の見方を変えるという経験を積み重ねている
参加者のみなさんが考える「生活の質」とは...。例えばこんなものが出ました。

「最近、使っていたソファーを捨てたことで部屋がシンプルになり結果、
掃除をするようになった」という自身の行動の変化。
「日々忙しい中での小さなことへの気付き。それが心地良く、
そんなちょっとした行動を起こす大切さ」「モノでないコトで満たすこと」
「ある程度の収入は必要。そうした状況が保たれた中でのプラスアルファの精神面の充実」
「気に入ったものをいつまでも使うこと」など、モノからコト、精神性への変化が
「生活の質」を考える上での大きなヒントになりそうです。


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ディスカッションの後は、3回目のホームワークで撮影してきてもらった
「食」と「路上観察」の記録の発表。日々出会った食べ物、
日本人の食の原点としての「米」や「水」、自分の中の大切なものなど
食を捉える視点も様々。「食」は生きて行く上で必要なものだからこそ、
あえてじっくりと対峙することで見過ごしていた「何か」が見えてきたようです。
また、路上観察では、皆さんの生活する日常の中での驚きや再発見があったようです。

そして、本日のフィールドワークを実施。今回は、「裏の世界」がテーマ。
物事には裏と表があるように裏側に注目して考えることも「豊かな世界」について
考察するためには重要なことです。
美術館も普段一般の人が入れない裏側の世界があります。
というわけで、今回は美術館の裏側(バックヤード)を巡りました。


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展覧会という華やかな表の顔だけではない、
美術館の裏側にある機能や諸室を案内し、
所々でクイズを交え楽しくツアーをしました。
表の華やかさとは別に人が作っているのだということの認識や
現場の大切さを実感したようです。


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ツアーの最後は館長室へ。皆さんで「館長とその仲間たち」といった感じで
記念撮影を行い終了しました。

次回(9月28日)はワークショップもいよいよ後半戦。
これまでの応用編といった感じでワークショップは続きます。(G)

記録撮影:後藤武浩

2014年8月 6日

「空の散歩」と「庭探し」

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6月から始まったワークショップ、美術家の廣瀬智央氏との
文通・交換を通じて新しい世界の出会いと、知恵を身につける、
「発見の術」プロジェクト「日・伊の『往復書簡』」の2回目が7月27日に終了しました。
初めに前回同様、廣瀬氏から参加者に届いた手紙を配りました。
前回は、初回ということもあり廣瀬氏の手紙の内容は全員同じ文面でしたが、
それに対する参加者の返信は一人ひとり異なります。
よって廣瀬氏から届いた今回のお返事は、当然一人ひとり異なります。


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手紙を受け取った参加者は、前回よりも分厚い封筒を興味深げに開封すると、
手紙以外に「おまけ」が入っていました。レトロなポストカード、イタリアの使用済み切手、
古い映画のフィルムを栞にアレンジしたもの、そしてなんと廣瀬氏のドローイングが。
これには参加者もびっくり! お互いに中身をみせあったり、手紙を交換して読み合ったりと盛り上がりました。


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その後、前回のホームワークの指示にあった「空の散歩」の課題を発表。
参加者の暮らしている場所、または旅行先で撮影されたいろいろな空をテーブルに広げ鑑賞。
まさにその人の視線の先にあった「新しい世界との出会い」です。
きっちり空だけを撮影する人(実は意外と難しかったそうです)、
周りの風景も入れて空を強調する人、などなど空の捉え方も様々。


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そして今回美術館で行ったフィールドワークの課題は「庭探し」。
庭といっても広いスペースを確保しにくい東京では、軒先に植木鉢を置いたり、
プランターで草木や野菜を育てたりといろいろな工夫をして「庭」作りを
楽しんでいます。そうした「庭」を探して美術館の周辺に出かけて撮影しました。
あいにく突然の雷雨に見舞われて短時間の活動となりましたが、
参加者が発見した「庭」は小さな都会のオアシスのように見えました。

次回3回目(8月24日予定)に向けてのホームワークは「食」。
人が生きていくのに必要な「食」についてあらためて意識して撮影してきてもらいます。
もちろん、廣瀬氏との文通も続きます。(G)

「発見の術」プロジェクト関連ホームページ
http://topica-rediscover.tumblr.com/

記録撮影:後藤武浩

2014年7月22日

日・伊の『往復書簡』関連HPのお知らせ

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Photo: Satoshi Hirose. © 2014 Satoshi Hirose All Rights Reserved.

6月からはじまりました、ワークショップ2014「発見の術」プロジェクト
「日・伊の『往復書簡』-新しい世界の出会いと、知恵を身につけるために!」
の関連ホームページができました。
下記がアドレスになります。

http://topica-rediscover.tumblr.com/

よりくわしいプロジェクトの内容が紹介されています。

みなさまぜひお立ち寄りください!(G)

2014年7月12日

日・伊の『往復書簡』スタート!

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今年度の夏のワークショップは、「発見の術」プロジェクト
「日・伊の『往復書簡』-新しい世界の出会いと、知恵を身につけるために!」と題し、
半年間(実施期間6月~11月、全6回)にわたる長期のプロジェクト型の
プログラムとしました。
これまで、当館では長期間にわたるワークショップを実施したことはなく、
初の試みとなります。

内容は、遠くイタリアに暮らす美術家の廣瀬智央氏と半年間にわたり
「文通」と「交換」-手紙や写真を撮るなどの行為-を行います。
この行為を通じて、日本とイタリアというお互いの生活の違いや
共通点を探りながら、普段見慣れた日常にいかに豊かな世界が潜んでいるか、
そんな出来事に出合うための新しい視点と、豊かに生きる知恵を身につける事に
挑戦していきます。

基本、廣瀬氏はイタリアから対応するため参加者の目の前にはおらず、
手紙の仲介・進行は美術館の担当学芸員が担います。
参加者との丁寧なコミュニケーションを図るため、参加人数も10名としました
(応募の関心も高く倍率は5倍!)。

また、このワークショップには、廣瀬氏から3つのテーマが提示されています。
それは、

「固定観念や先入観からの解放」
「体験と実践によるリアルの享受」
「世界の豊かさの発見」

これらに基づいて参加者一人ひとりが「生活の質」とは
何かを思考し、日常をもう一度見つめ直していきます。

毎回廣瀬氏からは手書きの手紙の他に当日行うプログラム、
次回までにやるホームワークの指示書が届き、その内容に従って参加者は、
美術館の活動スペースや日々の生活の中で写真を撮ります。
そして各自撮影した写真と手紙を廣瀬氏に返信するという流れです。

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先日ワークショップの1回目が終了しました(2014年6月29日実施)。
はじめ緊張していた参加者の皆さん。廣瀬氏の手紙が一人ひとりに手渡されると、
真剣に手紙に目をやり一心に読みはじめました。
その読んでいる姿は、なんとも美しいものです。

封筒の中には、手紙の他に氏のポートレート、そして氏の作品でもある
「空」の写真が入っていました。手紙には「最近一番驚いたことはなんですか?」
という質問がありました。

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その返答は、手紙を読んだあとに行った参加者同士の自己紹介で回答され、
また廣瀬氏への返事の手紙にも記述してもらいました。

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自己紹介のあと、和やかな雰囲気で互いのポートレートを撮影しあい、
これから半年間一緒に活動する仲間という意識が芽生えはじめたようです。

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最後、廣瀬氏への返事を書きます。
日頃文章を書く際の主流になっているキーボードが発するカタカタという音とは違って、
紙の上にペンをさらさらとはしらせる音は実に耳に心地よいものです。
お気に入りのポートレートを一枚同封し初回終了(廣瀬氏への返信のお手紙は、
美術館がまとめて発送します)。

ちなみにこの日のプログラムは、「参加者同士の自己紹介」「このワークショップの趣旨説明」「文通のルール」などで、ホームワークは「空」の写真を撮影し、次回お気に入りの空の写真を持参する事というもの。その他、自分の生活の中で「定点観測」のテーマを決めて、最終回までに継続して写真を撮り続ける事という指示がなされました。

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これからの半年間、廣瀬氏との文通や指示を通じ、参加者の中にはどのように
日常の見え方が変化し、豊かな世界が発見されていくのか楽しみです。(G)

記録撮影:後藤武浩

2013年7月21日

地域連携と美術館への案内役“かかし”

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美術館のある深川資料館通り商店街では、
毎年「かかしまつりが」開催(9月上旬)され、
住民手作りのかかしたちが商店街を彩り、
地域住民や通りを散策する人々の目を楽しませてくれます。

また、昨年、教育普及係のキャラクター「MOTちゃん」のかかしを
高校生ボランティアに作ってもらい、商店街に設置し、商店街と美術館を
結ぶ案内看板としても機能しました。

現在開催中の企画展「オバケとパンツとお星さま」では、
タイトルにも掲げているとおりこどもたちが好きそうな
「オバケ」「パンツ」「お星さま」がキーワードとなっています。
「オバケ」をアニメーション作家の松本力さんが、
「パンツ」を画家のはまぐちさくらこさんが担当しています。

そこで、今回のワークショップでは、参加者に展覧会をより親しみをもって
楽しんでもらうことと、美術館と商店街との連携を深め、商店街から美術館に
来館するまでの道案内もかねると同時に展覧会の宣伝効果も狙い、
松本さん(下写真右)、はまぐちさん(下写真左)の両名が指導者となり、それぞれが担当する
「オバケ」と「パンツ」をテーマに、かかしを制作しました。
(2013年7月13日実施)

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今回参加してくれたのは、小学生以上のお子さんのいる18組の家族。
応募の動機をみると「家族でひとつの事に取り組める良いチャンス」
「こどもたちは“かかし”というものを知らないので、この機会に伝えたい」
「地元商店街に関われるのは、地域に暮らすものとして嬉しい」など、さまざま。

ワークショップでは、初めに展覧会場に移動し、松本さん、はまぐちさんの展示室で
それぞれから作品についてのレクチャーを受け、しばし作品鑑賞。
かかし作りのテーマとなる「オバケ」や「パンツ」のイメージを膨らませてもらいました。 

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次いで展示室から講堂に戻り、いよいよかかし作り開始。
はまぐちさん、松本さんも参加者にアドバイスやお手伝いを
しながら完成の行方を見守ります。

はじめは家族同士でどんなかかしにするか話し合うも、
様々な材料を用いながら手を動かしているうちにだんだんとかたちが明確になり、
お子さんの考えるイメージに近づけようと必死になっている親子もいれば、
親の方が真剣になって、お子さんよりも熱くなって制作に励む姿が見受けられました。

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時折、松本さんはお得意の工作で段ボール製の帽子を作って、
かかしのアイテムを提供してくれました。
はまぐちさんも参加者一人ひとりに優しく声をかけながら、
よりかわいらしくするヒントを与えていました。

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約3時間後、それぞれのかかしが完成し、参加者どうしでお披露目。
松本さん、はまぐちさんもそれぞれのかかしの完成度の高さにビックリしながら、
コメントをしてくれました。

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終了後、参加者のアンケートをみると今回の満足度は100%!
「家族での良い思い出になった」「良い雰囲気でとても楽しめた」
「商店街のかかしはこれまでもみてきたが、今回は自分たちの手で
かかしを作れて楽しかった」「道具や材料も豊富でたくさんのアイデアが
浮かんだ。あっというまに時間が過ぎた」「作家の方たちと作品を見て
からかかしを作ったのでとても楽しくできた」などなど満足な様子が伝わってきました。

今回の美術館と地域連携のプログラム。
みなさんの作ってくれたかかしが橋渡しとなり、
商店街も美術館も賑わうとよいなと思います。(G)

写真撮影:後藤武浩

2012年8月14日

夏の演劇ワークショップ2012 きみとぼくのあいだのおはなし (2)

《こども編》
小学3~6年生 14名
実施日:7月21日(土)、22日(日)2日間 10:30~16:00

夏の演劇ワークショップこども編。
おとな編に続き、小学生14名が小さな演劇づくりに挑戦しました。


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一日目。
まずは、たっぷり時間をかけ、身体を使って遊びます。
一列に手をつなぎ、指定された人の間をくぐる「人間知恵の輪」や、
参加者の一人が食べてきた朝ごはん(おにぎり、ペットボトルなど)を
身体を使って表現してみました。


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そして、自分の持ち物の中から一つ選び、その物についての記憶をたどりました。
その後グループに分かれ、各自の持ち物たちが登場するおはなしを考えました。


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二日目。
こども編では、自分の持ち物になりきるために、衣装をつくりました。
皆それぞれに工夫を凝らし、衣装づくりに奮闘!


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衣装が完成したら、全員で館内を探検です。
長いエントランスホールの下の池や、中庭(サンクン・ガーデン)などを、こども達が扮する
水筒・傘・旅行バッグのタグ・クマのぬいぐるみ・虫よけシートたちが練り歩きました。
そして、グループごとに自分達が演じたい場所を、美術館の中から選びました。


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いよいよ発表会です。保護者の方々が見守る中、
《ワークショップのあと》(※忘れ物たちが持ち主を探す旅に出るおはなし)や、
《物たちのケンカ》など、皆で想像力を膨らませてつくったおはなしを、館内各所で演じました。
こども達のパフォーマンスに、通りすがった一般来場者の目も思わず惹きつけられていました。

終了後は、
「2日間はとても短く感じた。4日ぐらいやりたかった!」
「げきのいしょうづくりが楽しかった!」という感想が出ました。
また、ある男の子が帰り際、劇に使ったペットボトルのラベルを手に、
「これ、しばらく捨てられないなぁ」とつぶやいているのが微笑ましく、印象的でした。


今回のワークショップは、日常、私たちがさまざまな物に囲まれ生きており、
その大小に関わることなく、それぞれの物に対して、かけがえのない関係を結んでいることを
再確認する機会になりました。
また、個人の物語の共有から新しい物語を紡ぐことや、それを美術館という空間で演じること
を通して、人や物、場所との新たな関係が生まれる、創造的な活動となりました。(G.I)

写真:岩井 彩

夏の演劇ワークショップ2012 きみとぼくのあいだのおはなし (1)

先日おこなった、夏のワークショップ2012。
今年度は、「きみとぼくのあいだのおはなし」と題し
おとな編とこども編をそれぞれ2日ずつ、全4日間実施しました。

企画・指導は、俳優で、各地の演劇ワークショップで進行役としても
活動されている南波 圭さん。
今回は参加者の思い出や記憶をもとに小さな演劇のシーンをつくり、
さらに、そのシーンを演じるのにふさわしい場所を美術館の中から選んで、
自分たちの身体を使って表現することに挑戦しました。


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演劇づくりの手がかりとしたのは、上の写真のような物たち。
参加者が日頃使っている、ごくありふれた身の回りの品々です。
これらから、いったいどのような物語が生まれたのでしょうか?

《おとな編》
中学生以上一般 10名
実施日:7月14日(土)、15日(日)2日間 10:30~16:00

おとな編参加者は、20代から50代の10名。
演劇は初めてという人から、高校で演劇をやっていたという人まで、
様々な人が集まりました。


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一日目。
まずは身体を使ったアクティビティでウォーミングアップ。
指定のポーズで止まる「だるまさんがころんだ」などで盛り上がり、
初対面同士に笑顔が生じ、心と身体がほぐれていきます。


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その後、南波さんから、
「自分が持っている持ち物から何か一つを選んでください。」との呼びかけ。
参加者の皆さんが持ち出してきたのは、
ボールペンや腕時計、ハンカチ、帽子、切符、くし、など。
目を閉じて触ったり、一筆描きでスケッチしたりした後、南波さんから、
「どうやって手元に来たか」、「その物は今、どんな気分でいるか」
「持ち主に対して一言言うとしたら、何と言うか」などの質問が投げかけられました。


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普段は、あまり気に留めることのなかった持ち物たちに、あらためて意識を向け、
丁寧に自分の記憶を掘り起こしていく参加者の皆さん。
グループで各自の記憶を語り合い、エピソードを共有し、それを10秒ほどの短いシーンで
表現してみました。


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二日目。
この日も引きつづき、物との記憶に向き合っていきます。
二人一組でインタビューを行い、それぞれの持ち主と物の関係についても、より深く迫りました。
また、時折、全員で息を合わせて身体を動かすアクティビティも織り交ぜつつ、
さらにお互いをよく知り、参加者同士の距離を縮めていきました。
その後、全員の持ち物の中から「グッと来た」エピソードを選び、それぞれがシーンを考え、
演じることに挑戦しました。


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そして最後に、パフォーマンスの発表。
財布に入れっぱなしの切符になりきって、その持ち主に呼びかけたり、
お気に入りのハンカチとともに過ごしてきたある参加者の回想を演じたり、
失くさぬよう使っていたペンが次第に特別に思えてきたというエピソードを再現したり、
帽子とイヤリングが出会い、それぞれの持ち主をめぐる記憶を語りあったり…
ささやかな物語の数々が、館内各所で演じられました。

また、日当たりのよい中庭(サンクン・ガーデン)に出たり、扉をロッカーに見立てたりなど、
美術館の場所の特性をシーンにうまく活かしたパフォーマンスが繰り広げられました。

終始、なごやかな雰囲気の中、参加者同士ゆったりと語り合う光景もとても印象的だった、
おとな編でした。(G.I)

<参加者の感想より>
「こどもの頃遊んだ遊びを大人になってもう一度できるなんて!」
「みんなの頭の中がミックスされて、とてもよいものが作られました」
「演じること、体を使うことの喜びを学びました。」
「この数年で一番心おだやかにすごせた2日間でした。」

写真:岩井 彩

2011年8月16日

からだでお話ししてみよう!

先日、夏休みこどもワークショップ2011が終了しました。
(実施日:8月5日、6日、7日)
今回は、「ボディーアクション!からだでお話ししてみよう!」と題し、
美術館の中で感じたことや作品を見て感じたことを普段忘れがちな
からだに意識を向けて表現し、自分のからだがどれだけたくさんの
ものを語っているかを発見していきました。

(ワークショップ1日目)
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今回、企画・指導していただいた近藤春菜(俳優・演出家)さんは、
アユリテアトルという多国籍のメンバーで構成される劇団の日本代表で、
身体表現をベースにした創作劇を作っています。

初日は、まず参加者同士お互いを知りあうことから始めました。
相手を紹介する他己紹介や、相手のかっこうをまねてみたり、
動物になったり、二人組になってストレッチをしたり、
様々な自分や相手を知るためのワークを行いました。

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次いで、目隠しをして美術館内を探検し、
光の感覚や空気の流れなどを感じながら歩きました。
そこで感じたことを絵にしました。

(ワークショップ2日目)
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2日目は、展示室で作品を見て、じっくり観察し、印象をメモしました。
見た作品は、ヤノベケンジの≪ロッキング・マンモス≫、
荒木珠奈の≪Caos Poetico(詩的な混沌)≫、
そしてモナ・ハトゥームの≪ウェブ≫。
この3つの作品を使って、創作ワークを展開しました。

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ヤノベケンジの≪ロッキング・マンモス≫は、
車を分解して作ったマンモス型の彫刻なので、
その形をみんなで作ってみました。
そして、それがもし動くとしたらどんな動きを
するか動作も考えてやってみました。

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荒木珠奈の≪Caos Poetico(詩的な混沌)≫では、
作家が以前暮らしていたことのあるメキシコの街中の
イメージがもとになっています。
天井からぶら下がっている一つ一つの箱を家に見立てて、
そこに暮らす人々の生活を想像して寸劇を作りました。

(ワークショップ3日目)
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3日目は、昨日見たモナの≪ウェブ≫の下で、彫刻家と彫刻役に分かれて
お互い人間彫刻を作ってみました。
この≪ウェブ≫は、朝露の蜘蛛の巣からイメージされた作品で、
常設展示室のアトリウムに展示されています。
そのため、吹き抜けの3階から下を見ると、
作品の下にいる人々が蜘蛛の巣にひっかかった獲物にみえます。

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この作品では、獲物とそれを捕える蜘蛛役とにわかれて、
創作ワークをしました。上の写真は蜘蛛に襲われる獲物の様子です。

これら3作品をモチーフに、実際に展示室で発表会を行いました。
発表会では、保護者の方々をご招待し、また一般の来場者もまきこみ
緊張しながら3日間のワークショップの成果をお見せしました。

微笑ましく我が子を見守一方で、突然始まったパフォーマンスに戸惑うお客様もいましたが、
ライブ感あふれる発表会となりました。

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今回は、身体表現をテーマにしたワークショップでしたが、
言葉以外を使った作品鑑賞も楽しめ、鑑賞の幅が広がったと
思います。また、からだを使ったコミュニケーションを共有体験することで、
新しい創造の可能性も探ることができました。(G)

写真:中村麻由美

2010年8月11日

夏休みこどもワークショップ終了! 「旅行ってなんだろう?」を考えた4日間

毎年恒例の夏休みこどもワークショップ。
今回は、「アメージングジャーニー 素敵な旅行を
仲間と計画しよう!」と題し、美術家の岩井成昭さんの
企画・指導のもと、みんなで旅行の計画をたてて、
実際にバスでツアーにでかけました。

◆ワークショップの1回目(7月31日)
旅行って何だろう?

ワークショップの1回目は、
岩井さんから「旅行ってなんだろう?」という
問いかけから始まりました。
初めに、岩井さんが考える様々な旅行についてのお話。
例えば、「たった3分の旅行」「たった30分の旅行」
「たった3時間の旅行」。
岩井さんの経験をもとに日常の身近な出来事や発見、
どんなことでも旅行になることを写真をまじえてレクチャー。

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その後は、グループごとに旅のリクエスト・ペーパー作りに挑戦しました。
「見たことのないものを見にいく」をテーマにリクエスト・ペーパーの質問を
うめていきます。
「そこへいくとどんな気持ちになる?」「その場所ではどんな音が聞こえる?」
「その場所だけで起きる出来事は何?」など10の質問が書かれており、
それらをうめていくことでグループごとに考えた見たことのない場所の
イメージや条件が整理されていきます。

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次に、完成したリクエスト・ペーパーをグループごとに交換。
リクエストを受け取ったグループが自分たちの経験と知識から
そのリクエストにこたえるぴったりの場所を探し出します。
そう、今回の旅行は、自分たちが行きたい場所に行くのではなく
相手のリクエストにこたえる場所を探しだし、そこに行くのです。

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しかし、リクエスト・ペーパーに書かれた全ての要素を
みたす場所などそう簡単に見つかるはずも無く、みんな悪戦苦闘。
でも、大丈夫。リクエストに無いものは、演出でカバーします。
つまり、何かアイテムをつくったり、演じたりしてリクエストにこたえます。

◆ワークショップ2回目(7月31日)
「おもてなし」の心で

ワークショップ2回目は、引き続きリクエストの場所探し。
地図を広げながらあの場所がいい、この場所がいいと
グループ内で意見を交換します。
と同時に、相手のリクエストを満たす演出も考えます。
例えば、ザリガニ釣りの道具を作ったり、かっぱの相撲を
実現するためのアイデアを練ったり。

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自分が楽しむのはもちろん、リクエストをしてくれた相手の
グル−プのことを考えることが重要。
つまり「おもてなし」の心です。どんな風にリクエストを実現すれば
相手が喜んでくれるか、そこに一緒にいく他の仲間が楽しくなるか
じっくりと考えます。

ひたすら考える時間が多い今回のワークショップ。
物作り主体のワークショップとは異なりこどもたちやグループを
まとめるリーダー役の大人のボランティアにとっても難しいものとなりました。

◆ワークショップ3回目(8月3日)
リクエストを演出でもりあげよう!

リクエストの場所もいよいよ決まり、ワークショップの3回目は、
リクエストを具現化する演出を考える一日となりました。

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実は、場所が決定したあと大人のリ−ダーたちは一足お先に
こどもたちが指定した場所が実際にあるかどうか、現地を下見しました。

各リクエストを実現するためにこれはあるけどこれはないね、
演出のために必要なものをこどもたちにかわって調べる作業もかねています。
そして何よりも安全に行けるのかどうかもチェックしました。

この調査結果も3回目の時にこどもたちに伝え、
より具体的な演出を練っていきました。

ちなみに、こどもたちが考えた場所のコース名はこんな感じです。
「カニ取りゆったり美しいミクロの世界」コース、
「きゅうにどきどきウリオンピックウォーターランド」コース、
「永遠(とわ)の眠り墓場」コース、「虹の公園」コース。

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◆ワークショップ4回目(8月10日)
どきどき、わくわくのバス・ツアー!

ワークショップ4回目。
いよいよ4グループが考えたそれぞれの場所へ
実際にバスでツアーにでかけました。

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朝から元気いっぱいのこどもたち。でも、ちょっと緊張ぎみ。
それもそのはず、ただその場所に行くのではなく、
各グループのリクエストを満たすべく演出をしなければ
いけないのですから。その場所のガイドも担います。
バスの中でも打ち合わせは続きます。
ゆっくり外の景色をみている余裕のないグループも。。。

それぞれの場所に到着すると、いろいろな演出で盛り上げます。
お手紙をつけた風船をとばしたり、なぞの生き物を探したり、
トンネルでゾンビのコスプレで歌と踊りを披露したり、
ザリガニ釣りをしたり・・・。

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大盛り上がりのバスツアーとなりました。

この4回のワークショップで、こどもたちは悩んだり、
時に喧嘩をしたり、でも仲直りして笑ったり、
様々なプロセスを通じて、見事なツアーを組み立ててくれました。

こどもの頃の旅行といえば、大抵は親が考え一緒についていくもの。
今回は、こどもたち自身が自分たちの経験と知識、アイデアで
旅行プランを立て実現しました。

今後大人になっていくこどもたち、このワークショップのことを思い出して、
未知なる“人生の旅”を続けていってほしいと思います。(G)
写真撮影:中村麻由美

2009年8月12日

夏休みこどもワークショップ記録展示開催中!

現在、ミュージアムショップ付近で、夏休みこどもワークショップの記録展示が開催中です。

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展示では、こどもたちの考えた「上手に大人になるための指示カード」をもとに
一部それらを再現しています。
こどもたちのワークショップの記録展示とはいうものの、
今回はかなり洗練された展示となりました。

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これは、ペンを使ったシリーズで、手前の作品は、
「ペンのキャップを付け替えてカラフルなペンを作れ」というもの。
奥の作品は、「ペンタワー」。制限時間内に一番高く積み上げた人が勝ちというものです。

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夏休みということもあり、連日たくさんの方にご覧いただいており、
みなさん興味深げに見てくれています。
また、今回は、高校生ボランティアを募り、
展示のケアや監視をお願いしています。
日ごろなかなか高校生との接点が少ない美術館ですが、
こうした活動を通じて、美術館と高校生がつながっていく
良いきっかけになればと思います。(G)

2009年8月 9日

夏休みこどもワークショップ 3日目

ワークショップもとうとう最終日。

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この日は、2日間の体験をもとに、
自分たちでオリジナルのいろいろなハプニングをつくりました。
「じゃんけんで、後だしで負ける」
「前にいくふりをして後ろに歩く」
「くもにさわれ」
「東京都現代美術館を反対にいう」
「大人とこどもを一日入れ替える」
などなど・・・。

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出来上がったものは、大人になるためのマニュアルとして、
箱につめ、将来大人になる自分へのメッセージをそえて
「宝の箱」を作りました。

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最後は、おうちの人を招待して、みんなで考えた
インストラクションアートをやってみるハプニングコンサートを開催。
見るだけだと思ってきたお父さん、お母さんもいつのまにかステージに上がって
様々な指示のもとこどもたちと一緒になってもりあがりました。

今回は、ハプニングを起こし、
アートを使って上手に大人になるということに挑戦しました。
普段見慣れたものもちょっと視点を変えてみてみたり、
やったことのないことをやってみる、
そんなアートの活用法をこの3日間を通じてこどもたちは学んでくれたようです。(G)

夏休みこどもワークショップ 2日目

ワークショップ2日目も、きくちさんが指示することをやってみる
「インストラクションアート(指示する芸術)」に挑戦!

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まずは、「しりトイレットパーパー」。
制限時間内にトイレットペーパーにしりとりを書き、
どのグループが一番長く書けるかを競いました。

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今度は、「美術館で5分間寝たふり」。
廊下にでて全員で寝たふり。
中には本当に寝てしまう子も。。。
目覚めた後は、その体験を粘土で表現。
耐えられなかった様子を形作る子もいれば、
平穏な気持ちを表現する子もいました。

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次なる指示は、「目隠しをして美術館を見る」。
長いエントランスを恐る恐る歩いて常設展示室に向かい、
耳や鼻を使って展示室内を体験しました。
その後は、体で覚えていることをもとに地図を作りました。(G)

夏休みこどもワークショップ 1日目

今年も夏休み恒例のこどもワークショップが、
7月31日~8月2日の3日間開催されました。

企画・指導は、アメリカボストン在住のアーティスト・きくちひろこさん。
「美術館でハ・プ・ニ・ン・グ!? アートで上手に大人になる方法」と題して、
様々なもしものシチュエーションを作ったり、共同作業を通じて
アートを身近に感じてもらうことからはじめ、実際に美術館の中や展示室を使って
自分なりのフィルターを通して体験した結果を、新しい言葉やハプニングを
生み出すことで表現しました。

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ワークショップ1日目、集まったこどもたちの目の前には
なぜかパンが置かれています。
これはきくちさんが、グループ分けのために用意したもの。
全員で同時に食べ、中に入っている番号を見つけ出し、
グループの席につきました。

自己紹介のあと、これから始まる3日間のお話や
アートについて簡単なレクチャーがありました。
これからの3日間、きくちさんからいろいろな指示が出され、
こどもたちはそれを実行していきます。

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最初の指令。
「1000円分の自分を探せ!」
100円ショップに行って、1000円分の自分を買ってくるというもの。
自分は人をまとめるのが得意だからとホイッスルを買う女の子や、
友達に対して甘いところや辛いところがあるのでカレーを買ったという子もいて
実に様々な1000円分の自分が集まりました。

今度は、それを壊せと指示が下り、みんな「えー」とびっくりしていましたが、
はじめは躊躇していたこどもたちもだんだんとその気になって、
最後はめちゃくちゃにしていました。

次に、
「壊した素材で、大人になった自分を想像して作れ」とこれまた難題が指示。
あれこれくっつけたり、つないだりしながら、おのおのの大人の自分を作ってくれました。(G)

2007年8月19日

ワークショップ展示終了しました!

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夏休みこどもワークショップが終わったのが8月5日。
それから今日まで約2週間。
美術館のエントランスホールの一角に、
こどもたちの作品が展示されました。

おりしも美術館は男鹿和雄展と磯辺行久展で混雑真っ盛り。
小さなこどもたちも両親に連れられて
たくさん美術館にやってきていたのです。

そうしたこどもたちの格好の遊び場だったのが、
このワークショップ展示でした。
面白い動物たちや、動いたりしゃべったりする眠る人。
最初はこわごわ・・・慣れると好きな動物を探したり、
楽しそうに遊んでくれました。

そうしたかわいいお客さんたちに、やさしく説明したり、
時には一緒に遊んでくれたりしたのが、
“展示ボランティア”のみなさんです。
(写真は今日の当番のお二人です。)

「こういう表示があったらお客さんにもわかりやすい」など
鋭いアドバイスをいただくこともしばしば・・・。

この猛暑の中、来る日も来る日も
美術館に通ってきてくださったのべ51人のみなさん。
ありがとうございました!

明日はいよいよ作品を片付けます。(C.M.)

2007年8月15日

ワークショップの舞台裏

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ワークショップの主役は子供たちですが、
その陰には沢山の大人も関わっています。
ここに写っているのはアーティストの磯崎道佳さんと、
アシスタント・ボランティアのみなさんです。

35人のこどもたちの暑い夏休みをサポートするには
何より強力なチームワークが必要で、
アシスタントをまとめて行くのも磯崎道佳さんの
重要な仕事でした。

前日のリハーサルから本番までの4日間。
ワークショップが無事に楽しく進んでいくように、
朝から晩まで準備や打合せに多忙な日々を過ごしました。

この写真はワークショップば終わった直後の写真。
緊張感が解けて、
みんなの笑顔に達成感と
そしてちょっぴり安堵感が漂っているかもしれません。
(C.M.)

太郎の裏には何がある?

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夏休み真っ只中。
連日、美術館もたくさんの人で賑わっています。
今日は、江戸川区立篠崎第二中学校美術部の
みなさんがやってきてくれました。

暑さのためかちょっとお疲れの様子。
でも、展示室では、目を輝かせて鑑賞していました。

岡本太郎《明日の神話》を中心にトークをしましたが、
作品の両端にある、小さな階段のヒミツをお話しました。
実はこの階段、作品の修復痕を裏側から覗くことができるのです。
ばらばらになっていた壁画は、その一つひとつに番号がふってあり、
ジグソーパズルのように組み合わされています。
その様子を確認することができます。

作品の裏側をみるといういつもとちょっと違った鑑賞方法に
みなさんも興味津々。
神妙に覗き込んでいました。

美術作品の裏側鑑賞、この夏休みのちょっとした
ハプニングかな?
(G)

2007年8月 5日

夏休みこどもワークショップ<第3日目 その2>

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美術館のエントランス奥に広がるこの風景。
これが、こどもたちが3日間かけて作りあげた“眠りの森”です。

明るい色にあふれた夢のようなこの風景は、
でもそれだけではありません。

よく見るとなにやらぶつぶつ声が聞こえます。
「もう食べられないよう~」
「夢ならさめてくれ」
「みかん、ほしい!」などなど。

そして寝ている人形たちは時おり、
ばたばたっ、びくっとカラダを揺すります。

ワークショップ最後のお披露目会で、
初めてこの「眠る人」たちが動き始めると、
こどもたちから歓声が上がりました。

そこから聞こえてくるのは、
そこにいるこどもたちの声なのです。
(録音した声を流しています。)

「眠る人」の寝言はさらに続きます。
「一億円ほしいよう~」
「お母さん、あそぼ」
もしかしたらこどもたちは、普段は言えない願いを
寝言に託したのかもしれません。

でも中には
「社長、もうしません~」というものも。

3日間かけてやっとできたこの“眠りの森”は、
大人になると見ることのできない風景なのかもしれません。

こどもだけが知っている“眠りの森”を
どうぞ見にきてください。
8月19日まで公開中です。
(C.M.)

夏休みこどもワークショップ<第3日目 その1>

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ワークショップも最終日を迎えました。

大人のスタッフの表情や歩き方からは疲労の色が・・・。
その一方で、子どもたちは相変わらずのエネルギーで
全力投球でぶつかってきます。

磯崎さんの魔法にかかった子どもたち。
35人の小学生が、
毎日休むこともなく暑い太陽の下、やる気満々で美術館に通ってくるのも、
驚異的です。

さてこの写真。
「眠りの森」に住む動物をこどもたちが想像して、
作ったものです。

白く光っているのは、すずらんテープ。
すずらんテープのカラー版を使って、
子どもたちは自分が考えた動物達を
夢中になって作りました。
2つ作って、家に持ち帰る子どもたちも。

さて3日間のワークショップが全て終わって、
“眠りの森”はどんな姿になったでしょう?(C.M.)

2007年8月 4日

夏休みこどもワークショップ<第2日目>

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今回のワークショップのテーマは“眠りの森”。
副題に“こわくて楽しいヒミツの森をつくろう!”とあるように、
この森は、ただ単に夢のような美しい場所ではないようです。

1日目に大きな「眠る人」を自分たちでも作った子どもたち。
2日目には、眠る森に生えている植物や生き物たちの風景を
描きました。
・・・・といっても、絵具を使うわけではありません。
美術館の大きな窓ガラスに色とりどりのカラーポリ袋を
写真のように貼って、風景を作るのです。
それはまるでステンドグラスのよう・・!

色は全部で11色。
赤、ピンク、水色、緑、銀色、オレンジなど好きな色を使って
思い思いの形を貼っていきます。
どうやって貼っているのかは企業秘密。
(写真をよく見て当ててください!)

「眠る人」と「風景」が出来たら、
いよいよ最後の日に突入!(C.M.)

2007年8月 3日

夏休みこどもワークショップ<第1日目>

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今日から夏休みこどもワークショップ“眠りの森”が始まりました。
これからの3日間。子どもたちはアーティストの磯崎道佳さんと一緒に
そしてアシスタント・ボランティアのお兄さん・お姉さんとともに、
朝から夕方まで長い時間を過ごすことになります。

今朝、やや緊張気味だった子どもたち。
自分の周りにいるのはみんな初対面の人たちなので、
様子をうかがうように静かに座っています。

そんな子どもたちの心をわしづかみにしたのが、
磯崎さんのイントロ・トーク!
準備した「眠る人」(人形:写真参照)を始動させると、
子どもたちのボルテージが一気に高まって、
表情が大きく変わりました。

これで心の準備はOK。
さてこれから何が起こるのでしょうか?(C.M.)

2007年7月31日

倶知安町から来た磯崎さん!

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今週末はいよいよ夏休みこどもワークショップです。
その準備のために早々とアーティストの磯崎道佳さんが
はるばる北海道倶知安町からやってきました。
沢山の荷物と一緒に車で海を渡ってきたのです。

子どもたちに楽しんでもらえるように準備も念入りです。
朝から晩まで美術館にこもり、
大工仕事をしたり、オーディオ・セットをチェックしたり。
内容は本番までヒミツですが・・磯崎さんの前にある謎の○○○。
これは一体なんでしょう?(C.M.)

2007年7月22日

今年も恒例のワークショップ!!

子どもたちの夏休みが始まり、
美術館の中にもにぎやかな声が
溢れるようになりました。

さて今年も恒例の“夏休み子どもワークショップ”
が近づいてきました。
今年は8月3日、4日、5日の3日間。
“眠りの森~こわくて楽しいヒミツの森をつくろう!”
という企画を考えてくれたのは、
アーティストは磯崎道佳さんです。

今年も参加者に加えて、ボランティアも募集したのですが、
驚くほど沢山の応募があり本当に嬉しい限りです。
美術館の活動はこういう方の熱意に支えられている・・!と感じます。

応募してくださったみなさん、どうもありがとうございました。
そして残念ながら定員の関係でご期待に添えなかったみなさん。
本当にごめんなさい。ぜひまたの機会にどうぞよろしくお願いします。
(C.M.)

2007年1月25日

あれは夏のことでした...

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先週から、MOTは全館新しい展示がオープンしました。それに伴い遅くなりましたが、夏のワークショップ「いいもの いいこと」のビデオ完成版を上映します。参加されたこどもたち、ボランティアをしてくれた皆さん、是非、見に来てください。もちろん大森裕美子さんも見てくださいね。
早いものであれから半年。3月になったら、大森さんがサンゴを集めた海岸(サンゴ自生地最北限は房総半島です!)に行ってみようかな...。

2006年8月 3日

いいなぁー。

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嵐のような3日間のワークショップが終了しました。Mさんは本日お休み。お疲れになったのでしょう。
初日の最初につくったのが、この作品。1000個以上のサンゴを並べて、いちばん気に入ったものを選ぶ、まなざしのトレーニング。形や質感。よくみると色彩も微妙に異なっています。
こどもたちが良いものをさがしてくると大人げなくも、「いいなぁー。」と思ってしまいます。このくまくんもとっても質感とやさしい形をしています。私はリサとガスパールのリサのように見えて、とても好きになりました。(オ)

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2006年7月25日

謎の作品出現!4

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めずらしいものばかりでなく、身近なものもたくさんまじっている。これはなんだろう...。ながめていると、忘れていたさまざまな記憶が呼び覚まされます。

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謎の作品出現!3

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ひとつひとつの上にいろんなものが置かれていて、さながら博物学の図鑑を見ているよう。

謎の作品出現!2

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作ったのは、夏のワークショップのアーティスト大森裕美子さん。

謎の作品出現

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マルタ・パンの彫刻の前に出現した大きな作品。

届きましたか?(2)

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これはワークショップの参加者全員に送られたものだそうです。あたたかい文章とたのしいおまけ。週末に迫ったワークショップ、ますますわくわくしてきました。

届きましたか?

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夏休みこどもワークショップのアーティスト大森裕美子さんからお手紙が届きました。

2006年6月 8日

募集開始 夏のこどもワークショップ

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毎年、好評の子ども向け「夏のワークショップ」。今年は大森裕美子さんに講師をお願いしました。
過日、大森さんが打合せのために美術館にお越しの折に手にしていたのがこのカップ。聞くと、当館のカフェで目にとまったとのことで、とてもうれしそうにされていました。(しかも、なぜかふたは二つ。)
日常の何気ないものが、大森さんの視点を通すとまったく違ったとても大切なものと気づかされます。
...このカップはどんな作品になるのでしょうか。

募集の詳細は以下のページで
http://www.mot-art-museum.jp/moushi/70/

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