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2017年12月 7日

小笠原小学校との文通その3

小笠原小学校との文通プロジェクトも交換3回目となりました。
毎回こちらからお題を出して、そのお題にまつわる写真を
小学生と学芸員がお互いに撮影して船便で送り交換しています。

さて、2回目のお題は「動物の目線」でしたが、
学芸員3名が撮影した「動物の目線」の写真はこちらです。


お題「動物の目線」郷 (300x225).jpg
題《コウモリの目線》
「夕方になると黒い生き物が、ものすごいはやさでひらひらと
上下左右に飛び回っているのをみかけます。よくみるとなんとコウモリ!
昼間ねぐらでさかさまになっているのかなと思って、
コウモリがすんでいそうな場所から、さかさまの目線で写真をとりました。
電車もさかさまです」


お題②「動物の目線」鳥居 (300x225).jpg
題《都会の中の小さな森》
「ある夏の日、犬の目線になって、のんびり街を歩いていると、
都会の一角に小さな森が広がっていました。
その森には7人の小人が住んでいました。
みなさんは何をしているところだと思いますか?」


お題②「動物の目線」吉崎 (300x225).jpg
題《ハチ先輩》
「人間にとって身近な動物の犬はどのように世界を見ているんだろう。
犬の視力は0.3未満で、青色と黄色と、その中間色しか識別できない
そうです。今日は大先輩である渋谷のハチさんに会いにいきました。
よーく見ると、ハチさんのおなかの下で猫が寝ています。
そんな夢をみているのかな。」

こどもたちは、学芸員の撮影した写真を見ながら、
「コウモリだから逆さまなのか!やっぱり発想がいいね」
「7人の小人はここを守っているんじゃない?」
「どうして周りがぼんやりしているんだろう・・・」
など、感じたことを語り合ってくれたようです。

さて、
3回目のお題は「見立ての風景」です。
なにげない日常も、よく見ると電源コンセントが人の顔に見えたり、
木の形が動物に見えたり、見えている形からいろいろなものが想像できます。

今回もこどもたちが撮影した「見立ての風景」の写真をこどもたちのコメントと一緒に
いくつかご紹介します。(原文ママ)

3るか (300x225).jpg
題《静かに見守る木の主》
「ぼくは、この木のも様が顔に見えたのでとりました。
この木の主みたいなやつは、どんな風景を見ているのか気になります。
こういう物は他にもあるかも気になります。」


10あまみ (300x225).jpg
題《自然のグリコ》
「大阪の道とんぼりにいるグリコのポーズをしている「葉から芽」の
葉っぱがなんまいかあったのでとりました。
まるで人間みたいに見えませんか??」


12れい (300x225).jpg
題《いかつい顔》
「新しくはえてきたところを目にして、
上の葉をかみの毛にしました。
うまくかみを見えるようにしてオレンジのぶぶんが
はなに見えるようにしました。」


15わかな (300x225).jpg
題《おつかれさま》
「これは学校の帰りの横だん歩道の東の止まれのマークです。
いつも安全に帰れるようにみまもってくれているように思いました。」


17すずのすけ (300x225).jpg
題《たらこ口びる》
「これは、コンセントです。たらこ口びるの顔に見えます。
さつえいした時に思ったことはおどろいているようにも思ったことです。」

こどもたちにとって見立ての風景は、少々難しかったようですが、
それでも、外や学校、自宅でいろいろなものを想像し見立ててくれました。
タイトルもイメージをよく表していて面白いです。

図工担当の教員からのコメントによると、
こどもたち同士の発表会でも、他の子の自分とは違った気づきや発見に、
盛り上がったそうです。

文通はまだまだ続きます!(G)

2017年12月 6日

アートでおしゃべり!

南砂ブログ1(300x223).jpg

学芸員による出張授業の一環で、
11月13日と14日に江東区立南砂小学校を訪問しました。
対象学年は5年生と6年生。
この学校は毎年、当館に団体鑑賞に来てくれますが、
現在美術館が休館中のため、学校で各学年に分かれて
鑑賞の授業を行いました。

授業では、12月に実施される校内展覧会用に制作した
「自転車の旅」(5年生)と「エッシャー的世界」(6年生)
という絵画作品を使用しました。
5年生の作品は、自分で描いた自転車と学校がある団地の絵、
カレンダーの写真などをコラージュしたもの。
6年生はエッシャーの作品の一部を切り抜きコラージュし、
そこから派生したイメージを水彩絵の具で描いた作品でした。

まず、美術館で働く学芸員の仕事について説明した後、
作品を鑑賞するときのコツやルールについて説明し
学芸員が進行しギャラリートークの要領で作品鑑賞を行いました。
他クラスの代表者1名の作品を使い、
感じたこと、考えたことや発見したことを発表。
作品から多くのことを感じ取ったようで、
「楽しそう」「雪の世界」「静かな感じがする」など
たくさんの発言がありました。

南砂ブログ2(300x225).jpg

その後、班ごとで活動。班の中で「会話によるキャッチボール」の
楽しさを味わうことを意識しながら、1名の作品を鑑賞し、
ワークシートにまとめながら感じたことや気づいたなどを発表しました。

南砂ブログ3(300x225).jpg

この授業のまとめとして、個人での鑑賞活動として各自に割り振った
友達の作品の鑑賞と表現活動を行いました。
5年生は「旅日記」、6年生は「物語つくり」をテーマに、
作品から想像したストーリーを書きました。

各自が友達の作品をじっくり見て、「作品をよく見る目」「感じる心」を養うこと、
書き言葉で感じたことや考えたことを表現することを目指しました。

「旅日記」では、描かれている内容から想像し、
近所の団地から海外へ旅をする物語や猫と一緒に旅をする物語などがありました。

「物語つくり」では、作品に描かれてあるモチーフをオリジナルの
ゲームキャラクターに見立てたもの、天国と地獄のストーリーなど
友達の作品に触発され、独創性豊かな物語になっていました。

南砂ブログ4 (300x225).jpg

これらの旅日記や物語は、みんなの前で数名に発表してもらいましたが、
思わず笑ってしまう面白いお話が誕生していました。

授業を受けたこどもたちの感想を紹介します。

(5年生)
・今まであまり気にしていなかったことが少し見るだけで、
いろいろなことが思い浮かんだので面白かった。
・絵を見るときはよく見る、よく考える、楽しく会話するということが
大事だと分かったから、それを今度、そういう作品があったら今のようなことをやりたいと思った。
・同じ絵でも一人ひとり見方も違って捉え方も違うことがよく分かりました。

(6年生)
・一人で考えるよりみんなで考えることによりいろいろな考えを知ることができ、
また新たな考えを広げることができると思った。また、このような機会を得たいと思った。
・他の人が描いた絵からその人の考えを想像することで言葉じゃなくても気持ちが伝わる気がした。
・よく見て考える絵でこんな想像ができるとは鑑賞は楽しいと思いました。
・作った人と自分の意見が違ってびっくりしました。だけど色々な意見を知ることができてよかったです。

今回の授業での鑑賞経験を活かし、12月に実施される校内展覧会では
こどもたち自身によるギャラリートークが行われるそうです。
ぜひ、伺ってみたいと思います。(N、G)

2017年12月 5日

自分達の作品をじっくりと見る

黒門ブログ1 (300x226).jpg

11月9日、台東区立黒門小学校にて学芸員の出張授業を行いました。
対象学年は6年生。
図工担当の先生からのご希望で、
ギャラリートークの体験とその方法を伝授しました。

まずは、美術館で働く学芸員の仕事、美術館の概要や
作品を鑑賞するときのコツやルールについてレクチャー。
次いで、ギャラリートークの体験。体験は三段階に分けて行いました。

<第一段階>
校内展覧会で展示する絵画作品「校内のお気に入りの場所」の鑑賞。
代表者1名の作品(校内にある冷水機を描いたもの)を黒板に掲示し、
全員でよく観察し、発見したことやなぜその場所を選んだのかを想像してもらい
発表してもらいました。

こどもたちからは、
「冷水機が実際より高い位置にある」
「細かいところまで描いている」
「壁が実際より白い」
などいろいろ気がついたことを発言してくれました。

そして、作者がなぜこの場所を描いたのか、
こどもたちが考えた理由は、
「おいしい水を飲めるから」
「たくさん水を飲むから」
「立体的なものをかきたかったから」
などでした。

その後、クラスにいる作者に理由を聞いたところ、
自分は背が低くてなかなか冷水機にとどかなかったのだけれど、
背が伸びて初めて冷水機で水を飲むことができるようになってとても嬉しかったから、
ということでした。
自分の身体的な成長への喜びを実感できたのがこの冷水機だったのです!

<第二段階>
班ごとに「校内のお気に入りの場所」作品1点を配り
鑑賞し、話した内容をワークシートに記述。
ここでは観察、想像するだけでなく、楽しく会話することも重視したので、
教室内がとても賑やかでした。
色彩やサイズ感の違いだけでなく、描いた道具の違いを発見したり
他のものに見立てたり、楽しそうに会話していました。
黒門ブログ2(300x225).jpg

<第三段階>
みんなの前で発表してもらい、ワークシートに書いた内容を共有しました。
こどもたちは少し恥ずかしながらも考えたことや発見したことをきちんと話し、
聞いているこどもたちは共感したときはうなずき、友達の発表を聞くことが楽しそうでした。
また、作品を制作した作者にもインタビューをして、
自分達が想像してみた場合と、実際の作者の制作意図とを比べて、
様々な考え方があることを知ったようです。
描きやすそうと思って描いたという理由から6年間の思い出を振り返って
制作している作品もあり、1つの作品には様々な思いが込められていることが分かりました

また、担当の図工教員からは、授業終了後以下のようなコメントをいただきました。

「難しいと言っていた児童もいたが、
よく見る・感じるがしっかりできたように思います。
作品を見られるということにとまどいを感じていた児童もいました。
もう少し学年が低い方がはずかしさといったものはないのかもしれません。
(でも本人はしっかり自分の作品について話してくれました。)
こどもたちの中に何か残るものがあったようです。」

今回の授業を元に12月の校内展覧会でギャラリートークを行うそうです。
こどもたちにとって自分達の作品をじっくりと見て、
観察力と想像力をフル活用した1日でした。(G、N)