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2016年9月14日

かかし作りに挑戦!

東京都現代美術館近くの深川資料館通り商店街で
毎年開催されている「かかしコンクール」。
19回目を迎える今回、地元地域との連携の一環として、
当館ガイドスタッフがかかし作りに挑戦しました。

かかしのベースとなる骨組みは商店街の方が用意してくださいました。
美術館スタッフも加わって、制作スタート!
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ガイドスタッフは、自宅から古着や使わなくなった素材などを持参。
事前にこんなかかしを作りたい!と計画を立ててきた人もいれば、
どんなかかしを作ろうか頭を悩ませる人も。

美術館ならではのオリジナリティあるかかしを作ろうと、想像力を働かせます。
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アーティストや当館が所蔵する作品から着想を得たかかしが
だんだんと姿を表してきました。
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特にテーマカラーを決めたわけではないのに、
赤・青・黄と色の個性が分かれたかかしが完成!
完成したかかしは、深川資料館通り商店街に
9月1日~25日までの期間、設置されます。
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《やよいちゃん》

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《ヘアリボンの女》

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《なんちゃって?デュシャン》

お近くにお立ち寄りの際には、ぜひMOTかかしを探してみてください!
(A.T)

2016年9月12日

学校をクイズにしちゃう!?

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休館に入り、教育普及係では学芸員による出張授業を
積極的に行っています。
授業内容も学校と相談しながら決めていきます。

今回ご紹介するのは、7月から9月にかけて全部で3回の授業を行った、
港区立青山小学校での様子です。

6年生が小学校生活最後の学び舎となる校舎の内外を使用し、
学校にまつわるクイズを作成。そのクイズを6年生以外の全児童が
解くという授業を行いました。
クイズ作り? と思われる方もいると思いますが、
クイズを通じて、日頃見慣れた学校空間を意識的に見ることで、
新たな発見や魅力、気づきの視点を獲得し、
美術鑑賞時に大切な「モノをよくみる目」を養うことをねらいとしています。

《授業1回目(7月7日)》
学芸員の自己紹介のあと、今回の授業の趣旨を説明し、
まずは現代美術館の紹介もかねて美術館にまつわるAB選択式のクイズを実施。
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次に、クイズ作りのコツを知ってもらうために、
事前に用意した青山小学校の図工室のみで回答をみつける
「図工室クイズ」を実施。
回答後はクイズの中身を解説し、ものの数や名称、
先生がいつも身につけているモノなど、
いろいろな視点で見渡してみることが大切など、
どんな要領でクイズを作ればよいかを伝授しました。

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次回2回目の授業までに宿題として校内外を題材に
自分たちでクイズを作るよう指示して終了しました。

《授業2回目(7月19日)》
宿題のクイズを各グループ内で精査し発表。
前回の授業を受けてものの数ばかりでなく、
学校の特長や6年生だからこそ知りうる視点で作り出された
ユニークな問題がたくさん考えられていました。

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それらのクイズは、学芸員が持ち帰り3回目の全校児童で解く
クイズ大会用に内容を整え問題用紙に仕立てます。
大会当日は6年生が班長となり活動する縦割り班で行動しますが、
班長の内4名をスペシャル・クイズを手渡す「クイズマン」に任命しました。

《授業3回目(9月3日)》
夏休みが明けてすぐに全校児童対象のクイズ大会「青小検定2016」を開催。
クイズマンも目印の青小グッズに身を包んで校内に待機します。
大会のイントロでは、青山小学校を題材にしたAB選択クイズでまずは肩慣らし。
次いで縦割り班に分かれて、6年生が考えてくれた青小クイズに取り組みました。

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制限時間は30分、全11問に挑戦!ちなみにクイズの内容はというと

「青山小学校の校歌の歌詞がかかれているのはどことどこ?」
「図工室にある人の顔のついた白い彫刻はいくつ?」

など学校内をくまなく巡って回答していきます。
クイズの内1問はスペシャル・クイズとなっており、
その問題は校内を動き回るクイズマンを探し出して入手しなければなりません。
ただし、運よく見つかっても手持ちのクイズ数には限りがあるため、
問題の配布が終了したクイズマンに当たった場合は、
他のクイズマンを探し出します。

全員体育会に戻って回答アワー。
正解が発表されるごとに一喜一憂する姿が見られました。
全問正解した班には、認定シールが配られました。
6年生はクイズを作った当事者ですが、班長として下級生の面倒みることに忙しく、
またクイズマンは迷子になった低学年を所属する班に引き渡す役も担うという
思わぬハプニングも発生。

終了後の児童の感想には、

「普段気が付かない見方ができた」
「みんなで協力してできてよかった」
「まわるルートを決めて効率的に動いた」
「来年もやってほしい」

という声がありました。

クイズというゲームを通じて観察力やチームワークにも
変化が見られたようです。(G)

校内展覧会について考える

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夏休み中に行った教員研修会の様子をお伝えします!

今回研修会を実施した場所は墨田区立曳舟小学校。
墨田区の図工部は、毎年夏休みに当館を研修の場として
活用してくださいます。
しかし、今年は休館中ということもあり、
学芸員が学校に出向いて研修会を実施(8月26日)しました。

研修担当の先生と今年はどのような研修内容にするか
事前に打ち合わせをしたところ、
毎回校内展覧会について頭を悩ますそうで、
今年はこの校内展覧会をテーマに研修をすることになりました。

新任や若手の先生にとってもベテランの先生からノウハウや校内展覧会に
対する考え方を伺える良い機会となります。

研修ではまず初めに、学芸員がこれまで見たいろいろな校内展覧会について、
その時に感じた疑問や展示の工夫などをお話しながら、
そもそもなぜ校内展覧会をやるのか? 
という基本的な問いについて、先生方とディスカッションを行いました。

「校内展は、こどもたちの図工のがんばりを紹介するだけではなく、
こどもたちの作品を通じて見た人が自分と向き合い、つながる場」

であるとベテランの先生がおっしゃってくれたことが印象的でした。
また体育館などで展示をすることが多いのですが、
そのことに関し別の先生は、

「いつも見慣れた場所が違った場所、異空間へと変化する
"わくわく感"を演出する」

と、展示空間そのものが未知なる体験の一端を担う場となる
重要性を説いてくださいました。


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さて、校内展覧会についてあれこれ議論したあとは、
美術館ではどのように展覧会が作られるのか、
その作り方をレクチャーしました。
個展やクループ展に分かれていること、展覧会の構造、テーマの設定など、
基本的な展覧会の作り方を校内展覧会と比較しながらお話しました。


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研修後半は、グループに分かれて現代美術館オリジナルの
アートカードを使って、展覧会を作ってみる実践を行いました。
テーマや見せ方、使用作品はグループ毎に考えてもらい、
全部で4つの展覧会が完成しました。

完成後は、各グループの展覧会を鑑賞し、
どんな展覧会なのかを想像してもらった後に、
グループ毎に展示テーマなどを発表してもらいました。


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「壁にたくさんの覗き穴が開いていて、穴のまわりには
キーワードが書いてあり、覗くと該当作品が見える仕掛けに」


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「展示室全体がフライパンになっていて、壁面に飾られた作品を
ぐるりと見ていくと、ひとつの料理が完成するストーリー仕立ての構成」


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「"生きる、ということ"をテーマとしたメッセージカードを
手にしながら展示室を巡り、洞窟のような場所を潜り抜け、
階段を上り下りしながら人生について考えてもらう展示」


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「作品の絵柄に合わせてアスレチックのように運動したり、
パズルをしたり、回してみたりと各所でアクティビティが用意されている展覧会」

研修会に参加した先生からは、

「展覧会のイメージが全くなかったので、
テーマの立て方や展示の仕方など具体的にイメージできました」(教員1年目)

「若手に全てをまかされているような気がしてプレッシャーを
感じていますが、アートカードでの活動を通じてもっと前向きに楽しく
展覧会作りをこどもたちとしてみたいと思いました」(教員2年目)

「空間を作り出すという発想が今まで無かった。
このようにしかけのある面白い空間を作ってみたい」(教員12年目)

「校内展覧会は、私たちにとって大きな大変な仕事ですが、
お互いがどんな思いで取り組んでいるのか相談しあえることが
出来てとても良い機会でした」(教員33年目)

などと振り返りの感想があり、今回の研修会がお互いに刺激となり、
実際の展覧会作りに向けて多数のヒントを得たようです。(G)