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アーティストの一日学校訪問(関根直子さん)レポート その3

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昨年の10月から今年の2月にかけて実施した、
関根直子さんによる「アーティストの一日学校訪問」。

関根さんは作品に使用する鉛筆を、いつもカッターで削っています。
鉛筆は作られた国によって硬さや風合いが違うため、
いろんな国のものを使っているそうです。


【5校目】2016年1月21日 東京都立葛飾ろう学校 「さらに自由に線を広げる」

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5校目の訪問校は東京都立葛飾ろう学校。
参加してくれたのは中学3年生の16人です。
関根さんのお話は、学校の先生方に手話で通訳していただきました。
まず、生徒の人数分の画用紙を環状に床に広げると、
関根さんはそこにさまざまな線を描いてくれました。


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この画用紙を、今回は一人一枚ずつ配り、
さらに自由に線を広げてもらいました。
中学生になると、線の描写がより繊細になってくるのがわかります。
紙を継ぎ足してはまたさらに描くを繰り返し、
多彩な線を持つ"絵画"が出来上がりました。
授業が終わった後も、何人かの生徒さんが戻ってきて
さらに絵を大きくしてくれたのが心に残りました。


【6校目】2016年2月16日 港区立青山小学校 「全体を見ながら白い場所を埋める」

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最後に訪問した学校は、港区立青山小学校です。
もうすぐ卒業を迎える6年生28人に向けて授業を行いました。
最初に、関根さんが表現についてのアドバイスを伝えます。
その雰囲気にこどもたちも集中して耳を傾けているのが伝わってきました。
前回と同じように、人数分の画用紙を環状にして関根さんが線を描き、
その後一人一枚ずつの制作に移りました。


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一人ずつの制作が佳境に入ったころ、それらの作品を一つに集めて、
関根さんが新しい紙を足しながら、川のように繋いでいきます。
今度は全体を見ながら、白い場所を埋めていく共同作業です。
男の子も女の子もあちこちに散らばりながら、
大きな"絵画"を懸命に完成させていきました。


こうして、無事に6校の学校訪問が終わりました。
訪問を重ねていくごとに、授業の内容も
関根さんやこどもたちの線のように広がり、
展開していく様子はとても興味深いものでした。

こどもたちは身近にあまりいない「アーティスト」と出会うことによって、
通常の図工・美術の授業とは全く異なる体験を味わいます。
その邂逅の新鮮味は、制作された作品の中だけでなく、
普段接している先生方がびっくりするくらい、
こどもたちの態度や反応に現れているようでした。
この授業が、これからの彼らの人生や、学校現場において、
新たな感性や価値観を呼び込むものであれば嬉しく思います。

後日、こどもたちから送られてきた感想文を見た関根さんは、
「少し彼らの固定的になっている視点もずらせたのかなとかんじられました。
また授業後「自由!」や「きれい!」とこどもたちが発しているのを聞いて
やってよかったと思いました。」とのコメントを寄せてくださいました。

来年度は、どんなアーティストさんや、こどもたちとの出会いがあるのか、
今から楽しみです。(J.O.)