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2015年12月11日

オノ・ヨーコ作品に、ペアで挑戦!

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12月6日(日)に「ペアで楽しむ『オノ・ヨーコ展』
ギャラリー・クルーズ」を実施しました。

ペア(ご夫婦、ご家族、ご友人など)という条件を
活かした作品鑑賞の方法で「オノ・ヨーコ」展をめぐり、
"二人で見る楽しみ"という美術館利用のスタイルを
提案することを目的にしています。

参加者の応募動機は、オノ・ヨーコのファンであるのはもちろん、
ペアならではの体験型鑑賞に興味があった、
現代美術館にまだ行った事がないからなど様々。

今回の「オノ・ヨーコ」展では、作品の指示に従って
参加することで成立するものが多くあります。
とはいえ、ひとりでそれらを実行するのは恥ずかしさや照れもあり、
なかなかやっている姿を見かけません。
そこでペアならば恥ずかしさも半減ということで、
今回はこうしたインストラクション(指示する芸術)作品を中心に、
実際に挑戦してみるプログラムとしました。
また、対象が大人であり通常は教育普及のスタッフのみで
行われるクルーズですが、企画展担当の学芸員にも加わってもらい、
要所、要所で作品解説を交える形でクルーズを進めました。

まず、集合場所のスタジオでオノ・ヨーコに関するクイズや
今回の展覧会の概要説明を行い情報をインプット。
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その後2チームに分かれて展示室へ。体験してもらった作品は、
《穴》《バッグ・ピース》《ワード・ピース》《ヴォイス・ピース》
《握手するための絵》の5点。
また時折立ち止まりながら他の作品解説も交えました。

《穴》では、銃弾で打ち抜かれたガラス板を挟んでペアで対面してもらい、
感じたことを話してもらいました。
「心臓が止まるほどびっくりした」などその衝撃を素直に感じた方もいました。
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《バッグ・ピース》では、大きな黒い布に二人で入ってもらいポーズをとり写真撮影。
自分達の姿が見えないため、外で見ている他の参加者の反応を袋の中で伺いながら、
思い思いのポーズを決めているのが印象的でした。
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一方、《ワード・ピース》《ヴォイス・ピース》では、
それぞれ独立した作品ですが、今回はペアならではの楽しみ方の
提案ということで、この2作品を合体させて体験してもらいました。
《ワード・ピース》は、「YES」「IMAGINE」「DREAM」などの単語のみが
書かれている12枚の作品。
《ヴォイス・ピース》は、マイクを通し風や壁、空に向かって叫ぶ
という指示がなされている作品。
なかなかマイクで叫ぶのはハードルが高いです。

そこで、ペアそれぞれを分け2列になって《ワード・ピース》の壁面に立ってもらい、
一方が12の単語の中から1つ選び、ペアである相手の背中にむかって全員で
叫んでもらいました。そして背中越しに叫ばれた相手は、叫んだ相手が
何の単語をいったのかを当ててもらいます。

一斉に叫ぶため、相手の声を認識してもなかなか言葉を聞き取れず
四苦八苦していましたが、みごと当てる事の出来たペアは嬉しそうでした。
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《握手するための絵》は、キャンバスの真ん中に穴があけてあり、
裏側から手をだして、表側にいる人と握手を交わしてコミュニケーションをとる作品。
ここでもペアならではの楽しみ方として、今回は参加者の中から1組を選び、
片方が穴から手を出し他の参加者全員と握手を交わして、
その中の何番目が自分の相手かを当ててもらいました。
かなり難易度が高かったにも関わらず見事的中したペアも。
手(握手)だけを通じたコミュニケーションの難しさも同時に体験できました。
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さて、最後はスタジオに戻り、オノ・ヨーコの「カップル・イベント」
(カップルの関係を向上させるための指示が書かれたカードで1972年に
発表されたもの)というインストラクションに挑戦。
互いに相手に週末にしてほしい内容をカードにしたため、それを交換し終了。
そっと覗いてみると「映画を一緒に見る」とか「クリスマスのお菓子を作る」など
心温まるイベントが書かれていました。
その場で中身を確認するペアや家に帰ってからみますという方もいて、
互いの仲をより深める良いきっかけにしていただけたのではないでしょうか。
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参加者の感想には、「体験は恥ずかしいと思ったが、皆でやると楽しかった」
「オノ・ヨーコさんの作品を深く感じることができ、とても有意義だった」
「途中で適宜専門の方からご説明頂けたことで、大変楽しく過ごすことができた」
「普段できないことができ、おもしろかった」
「美術館へは頻繁に行くが、一人でじーっと見ることばかりで、
ペアで体験しながら鑑賞することは深く理解でき、五感フルで楽しめたと思う」
などとあり、当初の目的である"二人で見る楽しみ"という美術館利用の
スタイルを提案でき、かつオノ・ヨーコの世界観を体験していただけた
クルーズとなりました。(G)