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2015年9月30日

こどもたちの「イタズラ」紹介

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9月22日、23日に行われた「ここはだれの場所?」展
関連ワークショップ「イタズラ・キッズ探偵団」で
「会田家」のコーナーにこどもたちが仕掛けた
「イタズラ」の数々をご紹介します。

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《カラダアヤトリ~プロローグ》の「物拾う男」に
イタズラ&他各所に小さなイタズラ

「物拾う男」の棲む家に、こっそりとカラフルなオブジェが
たくさん仕掛けられました。
男自身にもとりつけたかったのですが、怖くて実行できず...。
もともと、イタズラのアイデアがなかなか浮かばず、
とりあえずあった材料で各自アクセサリーのようなものを作りだし、
それらを男の家に飾る企みへと変化。
結果、一番目立たないが巧妙なイタズラとなりました。
男の家以外にも、他の展示物にこっそりと置かれており、
椅子にもピンクの不思議な生物を座らせました。

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おにぎりめっしー仮面

会田家の全ての展示要素を合体させてひとつのロボットを制作。
会田誠氏が8月まで公開制作をしていた畳の上に設置。
顔はおにぎり仮面、体は楽器、手には愛憎弁当、そして壁には仮面と檄文。
こどもたちの書いた檄文は「テストとは、とてもやっかいな物である。
100点をとればむだにきたいされ、0点はおこられる」など素朴な不満を吐露。

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ドラムを鳴らす装置

学習机の未来楽器(ドラム)を鳴らすための装置を制作。
ひもをひっぱると重りが上下してドラムをたたけるようになっています。
作品にくっつけたので、オリジナルとみわけがつかず、
初めらからこのような作品だったようにも見えます。
「本来は、たたけるようにしたかったので、
それが実現できたありがたいイタズラ」と岡田さん。
小さな子がひもをひぱって音を出して楽しんでいました。

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なぞの客

それぞれが作ったオブジェを合体させて、
エイリアンのような生き物を作り会田寅次郎作《TANTATATAN》の映像が
上映されている床に座らせました。
カラフルな床の色と違和感無く同化。
もとからそこにあったかのよう。

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秘密基地

講堂に用意されていた材料の中から偶然みつけた古い手紙。
秘密基地に関することが書いてあり、そこから秘密基地を作ろうということになったそう。
壁には、美術館に紛れ込ませるためのカモフラージュとして様々な絵を描いてはってあります。
中に入ると床は宇宙を表現。くつろげるようテーブルも用意。
また壁には窓も開いていて、中が覗けるようになっています。
小さなこどもたちに大人気スペースとなっていました。

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迷わす順路

「順路」と書いた紙に様々な方向を示す矢印を書いて、
展示通路にはり、順路を迷わすイタズラ。
順路男に扮したこどもが来館者にもイタズラを仕掛けました。

ちなみに、仕掛けたイタズラの数々はその日の閉館まで設置され、
たくさんの来館者の方々を惑わし、楽しませてくれました。(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月29日

「今日はいよいよイタズラだ!」ワークショップ2日目

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ワークショップ2日目(9月23日)。
朝一番で人形劇『今日はいよいよイタズラだ!』を上演。


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昨日の創作の続きをやり、仕上げ、完成したグループから
展示室の「会田家」のコーナーにイタズラを仕掛けに行きました。
お互いのグループ、イタズラの内容は秘密にすることという指令がでているため、
どんなイタズラか尋ねてもみな口を閉ざしています。


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イタズラの設置終了後、人形劇『探偵で解決しちゃう?』を上演。
イタズラしっぱなしではいけないということで、
どんなイタズラが実行されたのか今度はグループ毎に探偵になって
展示室へ偵察に行きます。
いわば自分たちで仕掛けたイタズラを自分たちでも発見し体験してみる活動。


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さて、探偵終了後は再び講堂に戻り、こどもたちの保護者や一般の来場者を招いて、
今回のイタズラの成果発表会を実施。
各自発見したイタズラを紹介したり、イタズラを仕掛けた本人たちの解説などを聞き、
多いに盛り上がりました。


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最後にワークショップ修了証を黒子スタッフから受け取って終了。

こどもたちが仕掛けた「イタズラ」は、
自分達の解釈でいかようにでも展示と関わることができ、
楽しめる場を創出できるのだということを示してくれました。
また、開催中の展覧会、しかも鑑賞者が居る目の前で、
展示室内や作品にこどもたちが直接イタズラを仕掛ける行為自体、
パフォーマンスの様相を呈し、このワークショップ最大のイタズラと
なっていたのではないでしょうか。

これらのイタズラは、こどもたちが作ったものだという説明がなければ、
会田家の作品であると勘違いしそうなほど空間に遜色無く溶け込んでいました。
事実、こどもたちのそれとは知らない鑑賞者がイタズラ作品を前に
「会田誠の力を抜いた表現に深みを感じる!」と感想をもらしている姿も見受けられました。
まさにイタズラ大成功の瞬間です!

こどもは大人が考えるほどこどもではありません。
ちゃんと見ているし、聞いているし、そして感じて考えています。
こどもたちの本能的な瞬発力、大人の我々には到底太刀打ちできないことを実感し、
打ちのめされた2日間となりました。
(こどもたちの「イタズラ」は次回ご紹介します)(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月28日

ワークショップ1日目「イタズラしちゃう?」

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ワークショップ1日目(9月22日)。
まずは人形劇『イタズラしちゃう?』を鑑賞したのち、
こどもたちには「地獄の学芸員」から黒マントが提供され、
全員でこのマントを羽織り、イタズラ・キッズに大変身。
マントを装着することで、いつもとはちょっと違う自分に変わり、
イタズラ心に火がついたようでした。
次いで、グループに分かれて自己紹介。
ここからは、黒子のお兄さん、お姉さんも加わり活動を共にします。


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自己紹介の後は、展示室に出向き作品鑑賞。
同時にイタズラのアイデアも練ります。


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再び活動の拠点である講堂に戻り、事前に用意された段ボールや画材、
布やひもなどさまざまな素材を使って、イタズラを実現すべく各グループで創作タイム。
基本イタズラは、1グループで1個考案しますが、
複数やりたい場合はそれも可としました。
もくもくと作業が進むグループもあれば、なかなかアイデアが出なかったり、
まとまらないグループもありましたが、なんとか1日目の終了までには、
方向性が定まったようでした。


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最後にまた人形劇『明日もまってるぞ!』を上演し解散。
(次回に続く...)(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月27日

イタズラ・キッズ探偵団!

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当館で、恒例化されつつある夏のこども向け展覧会。
これまでのこども展は、主に未就学児~小学生(低学年)を対象に
作品に触れたり、のぼったりといった体感的ないわゆる参加型作品が多い構成でした。
でも、今展「ここはだれの場所?」においては、
こうした要素を少なめにし(というか、ほぼありません)、
対象年齢も少し上に想定し小学生(高学年)~中学生を主なターゲットに、
かつ親子で共に考える作品や場が用意されました。

とはいえ、小学生には自由な発想や感性でもっとダイレクトかつ
ダイナミックに展覧会を楽しんでもらいたいもの。
そこで、こどもたちが主体的かつ能動的に展覧会に関われる場を
創出することを目的とし、9月22日と23日の2日間、
「ここはだれの場所?」展関連ワークショップを実施しました。
題して「イタズラ・キッズ探偵団」。


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ワークショップの企画・指導は出品作家の一人「会田家」の
岡田裕子さん(写真上)にお願いしました。

自らが主宰するオルタナティブ人形劇団「劇団★死期」の
人形たちや黒子スタッフ(声優や人形遣い)とこどもたちが
展示室内(「会田家」のコーナー)にイタズラを仕掛けるという
ユニークな企画を考案してくれました。

ここでいう「イタズラ」とは、人に迷惑をかけたり、困らせたりすることではなく、
「新しいモノの見方を発見したり、楽しみ方を考えたりすること」と定義しました。


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ワークショップは人形劇の上演を交えながらのストーリー仕立てで進められました。
登場人物は、イタズラ大好きな悪役「地獄の学芸員」、
そのイタズラを解決する名探偵「ゲンダイチコースケ」、
ゲンダイチの助手「ベッキー・モロー」、
ちょっと不真面目な刑事「ガイコツ刑事」、
そして展示室でお客様を見守る「漆黒の監視員」。

これら5つのキャラクターが人形劇を通じて
こどもたちにイタズラのルールやワークショップの流れを説明し、
人形劇団の黒子スタッフがそのままこどもたちのグループリーダー役も担いました。


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こどもたちに最初に伝えたルールとして《イタズラ・キッズの掟》なるものを用意。
それは、「危険なことはしない」「モラルをまもる」「美術館の作品を大切にする」という3つ。
イタズラとはいえ、火や刃物などの危険物を用いるのはNG。
また人やお客様の心を傷つけたり、汚い言葉を使ったり、怖がらせない、
そしてもともとある作品を壊したり動かしたりしない。

テーマが「イタズラ」ということもあり、こうした教育的な観点から
社会のルールとでもいうべきものをしっかりとこどもたちに伝えることも
強く意識しながら行いました。

そのおかげか、こどもたちも今回のイタズラとはどういうことかを良く理解し、
自分たちも会場の来場者も共に楽しめるユニークなイタズラがたくさん考案されました。
(次回に続く...)(G)

記録撮影:川瀬一絵

2015年9月17日

ガイドスタッフ・クルーズ ―お気軽トーク

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65歳以上が観覧料無料となるシルバーデーに、
常設展示室を会場とした当館ガイドスタッフによる
待ち受け型のギャラリートークプログラム
「ガイドスタッフ・クルーズ ―お気軽トーク」を実施しました。

毎日14時から実施している通常のギャラリートークでは、
ガイドスタッフが参加者と共に1時間ほどかけて
展示室全体をまわっていきます。
今回のクルーズは、展示室内にトークポイントを設け、
ガイドスタッフが待ち受ける形でトークを行いました。

9月の本実施に先立ち、まずはお試しのプレ・トークを
8月19日(水)のシルバーデー※に実施。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は観覧料が無料です。

当日は、6名のガイドスタッフの配置図が記された
展示室マップを常設展示室入口で配布しました。
また、ガイドスタッフは『ご自由にお声掛けください』と
書かれたバッヂを身に着け、お客様が利用しやすい環境作りを
行いました。

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プレ・トークは、開館後間もない10:30からの
実施としたため、お客様の人数は少な目ではありましたが、
ご年配の方を始め、小さなお子様連れのご家族や
若いカップルなど延べ16名の参加がありました。

本番となる9月16日(水)は、前回よりも少し時間を遅らせ、
11:30からスタート。
当日は5名のガイドスタッフが1階と3階に分かれ、
配置につきました。

目印のバッヂを付けているガイドスタッフにお声掛けくださる
お客様もいれば、ガイドスタッフからお声掛けすることも。
ガイドスタッフは、押しつけにならないよう、相手の様子を
良くうかがいながらトークを進行していきました。
一方的な解説ではなく、作品についてお客様と語り合う場面も
多く見られ、ガイドスタッフ一人ひとりの個性が光る
クルーズとなりました。

今回のクルーズは、ご年配の方を中心にしながらも
幅広い年齢層に渡る参加があり、延べ参加人数は98名となりました。
通常のギャラリートークよりも1点の作品にかける時間も長めで、
じっくりと鑑賞できるひと時となったのではないでしょうか。
(A.T)

2015年9月11日

こどもたちのつぶやき

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今日(9月10日)は、墨田区立曳舟小学校5年生の
皆さんが来てくれました。

今回の団体鑑賞は、夏休み中に墨田区の図工の先生たちが、
研修の一環で考案した授業の実践です。
(研修の様子は、7月30日のブログ記事をご参照ください。)

内容は、学芸員と一緒に一通り作品鑑賞をした後に、
3つのグループが、それぞれ1作品を前に全員でつぶやきカードを使って
作品から感じた「つぶやき」を記し、その作品の前で発表・共有する活動です。
(写真は、つぶやきカードに記入している様子)

この授業は、曳舟小学校の図工担当の先生が学芸員のトーク体験で終るのではなく、
こども自身から発せられる「つぶやき」をもっとたくさん聞けるような授業に
したいという思いから考案されました。

日頃のトークでは、積極的な子が活発に発言しがちで、
控えめな子は、なかなか意見をいえずに終わってしまうことがあります。
でも、自由鑑賞時などに個人的に聞いてみるとちゃんと感想を持っていたりします。

このつぶやきカードの良いところは、全員がなんらかの感想・考えを記しているので、
全員の思いをひろうことができます。

実際の授業では、作品の前で学芸員が一人ひとりのカードのつぶやきを読み上げて
全体に共有しました。

カードには、具体的に発見したことや気が付いたこと、
想像したことや考えたことなどがたくさん記されていました。

授業の様子を観察していた研修中の教員からは、
「つぶやきカードを使う事で一人の時間が持てる。このことも大事」
という感想もきかれました。

とかく美術館で行われている小学生向けのギャラリートークでは、
いろいろと質問したり意見を求める事が多く、
この教員の感想のように一人でじっくりと作品と対峙する時間も
大切だとこのつぶやきカードの実践を通じて改めて感じました。
まさに「つぶやき」とはこうした一人の時間によって生み出されてくるものだと思います。(G)

2015年9月10日

みんなで鑑賞を深め合う

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9月に入り、続々と学校の団体鑑賞がやって来ます。
今回、路線バスに乗って来てくれたのは、
江東区立豊洲西小学校の5、6年生です。
学年ごとに日を分けて来館してくれました。

9月4日は5年生31人が、8日には6年生17人が来館。
それぞれ3つのグループに分かれて、MOTコレクション(常設展)を
鑑賞しました。

最初に見たのは、大岩オスカールの横長に描かれた
大きな2点組の絵画作品(上写真)です。
まずは少し離れて全体を見比べながら、左右の作品の違いや
気づいたことをみんなで話し合います。
「両方とも同じ場所が描かれていると思う」
「人の気配があまり感じられない」
「こちらの作品が過去で、あちらが未来。なぜなら―」
友だちと同じように感じた子もいれば、私はこう思った!と
自分なりの見方を語ってくれる子もいます。

また、全体を見比べるだけでなく、近づいて細部もじっくり見ていきます。
すると、カンヴァスの右下に文字を発見した子が。
年号や作家のサインの他に、それぞれ『war』『peace』と描かれています。
英語の意味が『戦争』と『平和』を表していることが分かると、
「なるほど、そうか~!」と少し感じ方が変わった子もいるようです。

一人ひとりの発見や想像をみんなで共有しながら鑑賞を深めていくことで、
より一層作品の世界が広がっていくのではないでしょうか。
あっという間に鑑賞時間が過ぎてしまいましたが、まだまだ見たい!という
気持ちも伝わってきました。
またぜひ美術館に来てくださいね。
(A.T)

2015年9月 3日

夏休みが終って・・・

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今日(9月3日)は、夏休みが終わり新学期が始まって初めての学校団体鑑賞。
来てくれたのは、江戸川区立下小岩第二小学校5、6年生の皆さんです。

先に5年生が企画展「ここはだれの場所?」を担任の先生が引率し鑑賞。
6年生は教育普及担当の学芸員と一緒にMOTコレクションを見て回ります。
時間がくると学年を入れ替えて同じように見て回りました。

写真は、モナ・ハトゥームの《web》を鑑賞している様子です。
クモの巣のような形をしたこの作品は、端っこや真ん中など
いろいろな場所から見る事をおすすめしています。
「自分の一番好きな見る場所を探してごらん?」
という問いかけに、この男の子たちは、作品の真下にいって
寝っころがって見上げてくれました。

床に寝ることで、自分の視点をかなり下げることができ、
作品全体の様子をひろく捉えることができます。
リラックスしていつまでも見上げている姿が印象的でした。

一方一緒には回れなかった企画展「ここはだれの場所?」での
こどもたちの様子を引率していた先生に聞いてみると、
4つのコーナー全てが人気だったそうです。

ゴミでできたあるものに驚嘆したり、
こどもしか入れない空間からなかなか出てこなかったり、
クスクス笑いながら映像作品を見ていたり、
お絵かきコーナーに夢中になってしまったり...。

こうした様子を見ていると、こどもは大人が思うほど
作品を難しいとは捉えていません。

作品との出会いは「理解」することからはじまるのではなく、
「感じる」ことからはじまるのではないでしょうか。(G)