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アーティストの一日学校訪問(冨井大裕さん)レポート その1

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今年の1月から3月にかけて、
2013年度の「アーティストの一日学校訪問」を、
都内の6校(小学校4校、中学校1校、高校1校)にて実施しました。

訪問するアーティストは、美術家の冨井大裕さん。
日常のありふれた品を組み合わせることによって、
ものの意味や機能を解き放ち、新たな作品として発表している、
当館の収蔵作家です。

今回の訪問授業は、冨井さんにより「ファウンドコンポジション」
と名づけられた活動が中心となりました。
これは、学校の様々な場所を歩き回り、気になった、
あるいは美しいと思った「彫刻」(コンポジション)を
発見(ファウンド)し、それを授業会場に持ち帰り、再度組み立てる、
というプログラムです。
組み立てながら説明書を制作し、時間があればその説明書を元に、
他の生徒に再度組み立ててもらいます。

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最初の訪問校は八王子市立川口小学校です。
参加した児童は5年生56人。
まずは体育館で、冨井さんが自身の作品を画像で紹介しました。
スーパーボールやストローで出来ている作品の数々に、
こどもたちからは驚きの声が上がります。
冨井さんが師と仰ぐ海外作家の作品や、
身の周りの何気ない風景から切り取られた
「彫刻」と冨井さんが捉える画像から、
これから自分たちが作る作品のイメージが湧いてきたようです。

4人の班に分かれ、「面白いもの」を探しに、中庭やグラウンド、
そして自分たちの教室を捜索開始!
外で見つけたジョウロやすのこを抱えきれないほど
体育館に運び入れていきます。(右)

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「彫刻」を組み立てたら、次は誰もがそれを作ることができるように
説明書を書きます。冨井さんが黒板に書いた例(左)を参考に、
材料の数や組み立てた順番を書きだしていきます。

まだ土がついているブロックや丸太に、箒や傘をバランス良く載せて完成!
色の配置にも気配りがみられました。


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2校目は武蔵野市立第三中学校。
2年生28人が参加してくれました。
冨井さんのレクチャーにも熱が入り、
檀上でゴミ箱などを使っての実演が始まりました。(左)
この回の制作会場は、地下にある集会室。
柔道の稽古に敷かれる畳が早速材料に使われています。(右)

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組み立てる作業はみんな夢中でしたが、いざ説明書を書く段になると
作品を鑑賞する眼が必要になります。
作業が早く終わったので、違う班の作品を、説明書を見ながら
組み立ててみます。
「これって何のこと?」ああでもない、こうでもないと真剣そのもの。(右)
中学生ということで、一段階踏み込んだ行程まで進むことができました。


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3校目の富士見丘高等学校では、
対象が2年生の美術選択者7名と少人数だったため、
冨井さんと一緒に職員室や廊下を歩き回って
「面白いもの」を発見してまわりました。
物干しラックに提げられた雑巾も、
冨井さんからの呼びかけによって
新たな「構成物」として浮かび上がってきます。(左)
この学校では捜索場所を美術室に限定し、ひとりずつでの制作作業です。
雑誌や定規、スケッチブックや馬簾など、
普段見慣れた材料が作品へとかたちを変えてゆきました。

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説明書を作ったら、作品を一度解体し、台車に載せて移動。
廊下の一角に展示してみました。
展示は自分の作品ではなく、他の生徒の説明書を見て行います。(左)
学校に突如現れたギャラリースペースに通りがかった生徒たちもびっくり!
(J.O.)

(その2へつづきます)