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2011年1月28日

こどもたちによるギャラリートーク!?

2011.1.28二上小学校授業参観ブログ.jpg
いつもは美術館でトークをする側の我々学芸員。
でも、今日は逆で、こどもたちがギャラリートークをします。
今回は、その授業のゲストとして呼ばれていってきました。
場所は、葛飾区立二上小学校。
トークをしてくれるのは5年生のこどもたちです。

この学年は、昨年現代美術館に団体鑑賞で来館しており、
事後学習で、美術館体験の印象や感じたことから
自分たちなりに好きな絵を描いたそうです。
そして、それらの絵を使って、美術館で体験したように
今度は自分たちでギャラリートークをやってみようと、
図工担当の伊藤先生が考案しました。

初めは少人数のグループに分かれて、1人5分間の持ち時間で
自分の作品についてトークをします。
その後、全体から数名の代表を選び(選定は私に任されました)、
全員に向けてトークをします。

「この作品のタイトルはなんだと思いますか?」と
クイズ形式で問いかける子もいれば、
「美術館にはなかった絵を描きました」とか
「いたずら書きがうまく書けたので、それを仕上げました」など
様々なトークが聞けました。

トークを聞いているこどもたちからも
「なんでこの色にしたんですか?」
「この線はどういう意味があるのですか?」など
色々な質問もとびだしていましたが、
「塗り方に工夫がしてあって良いと思います」と、
その子の良いところをちゃんとほめる様子も多数みうけられました。
もちろんほめられた子はうれしそうに
「ありがとう!」と返します。

写真の女の子は、自分が1年生の時から5年間過ごしている
図工室の机の盤面(絵の具などがついて大変趣があります)が好きで、
それを描きましたと、「じーん」とくる一言に伊藤先生も感慨深そうでした。

今回のように美術館での鑑賞体験→創作→自作のトークという風に
一連の流れができており、またそのトークには美術館の学芸員も参加するという
まさに、学校と美術館の連携が上手に機能した授業になったと思います。(G)

2011年1月27日

変身ギャラリークルーズ

先週末、「トランスフォーメーション展」を楽しむための
“変身ギャラリークルーズ”を開催しました。

“変身”は、こどもにとって興味の尽きないキーワード。
テレビや映画、アニメの世界では、
変身するヒーローやヒロインが大活躍。
こどもたち自身もハロウィンで魔女になったり・・・
七五三で別人になったような思いをした経験があるようです。

集まったのは小学校3~6年生。
まず最初に「トランスフォーメーション展」を
学芸員と見て回ります。

ブログ1IMG_8839.jpg コピー ~ IMG_8820.jpg

人間が動物に変身したり、
モノが別のモノに生まれ変わったり・・・。

芸術の中の様々な変身を満喫した後、
今度はスタジオで、
自分がつける“変身メガネ”を作りました。

まず紙のメガネフレームに自分好みのレンズをつけて、
その後、フレームを好きなように飾ります。
  ↓
IMG_8880.jpg

ホログラムシートやカラフルなセロファンを付けたり、
フレームに毛皮を貼ったり、絵を描いたり・・・
こどもたちは創作に熱中。
時間が足りないほどでした。

できたメガネはこんな感じです
  ↓
IMG_8891.jpg コピー (2) ~ IMG_8883.jpg

全身を飾って思い切り変身するこどもも出現
  ↓
ブログIMG_2882.jpg

その後、“変身メガネ”を付けてもう一度、
展示室を探検します。
フシギなメガネをかけたこどもたちの姿に、
観客のみなさんもビックリ!

IMG_8925.jpg

そしてメガネを通して見える新しい世界に、
こどもたちもビックリ!

ホログラムシートを貼るとこんな風に見えます。
(きらきら光る虹が出現するんです!)
  ↓
IMG_8927.jpg

自分の姿も変わり、見える世界も変わる・・・

“変身”がもたらすスリリングな感覚や、
“変身”することによって味わえる気持ちの変化を、
存分に楽しめたクルーズのようでした。
(C.M.)

お気にいりを見つける目~汐入東小学校

ブログ.jpg

今日は荒川区の汐入東小学校の5年生が
美術館に来てくれました。

この学校は、去年、南千住に開校されたばかりの新しい小学校。
校舎も新しくて、屋上にプールがあったり、
広い図書室が完備されていていたり、
教室のサイズも普通よりも大きくて、
のびのびと過ごせそうな学校です。

今回の美術館見学も、だから学校としては、初めての試み。
60人という大勢の生徒たちが電車を乗り継いで、
やってきてくれました。

見学の前半は、「トランスフォーメーション展」を
学芸員と一緒に見て回り、
迫力ある作品に驚きの声を上げたこどもたちでしたが、
後半はMOTコレクションの3階に移動して、
各自で静かに鑑賞してもらいました。

図工の先生が作成した“特製ワークシート”を片手に、
生徒たちは、自分のお気に入りの作品を探します。

この3階には、100点近く作品があるので、
お気に入りの1点を見つけるのも簡単ではありません。
どれにしようか迷ってしまう・・・という贅沢な悩みを
かかえる子も続出です。

写真は、村山槐多の≪欅≫の前に集まるこどもたち。
鉛筆だけでだけで描かれていて、
それほど派手な作品ではないのですが、
こどもたちの心を捉えたようです。

その他にも、加藤太郎≪スミレ≫や山口勝弘の≪ヴィトリーヌ≫など、
比較的小さくて見逃してしまいそうな作品にも、
しっかりと目を向けていたのが印象的でした。

60人それぞれが、他の人に流されず、
しっかりと自分の目で見て、作品を選ぶ。
絵を見る上で大切な姿勢が
自然に備わっていたこどもたちでした。
(C.M.)

2011年1月25日

世界史と美術の交差点~横須賀学院高等学校

横須賀学院.jpg

今日は横須賀からはるばる横須賀学院高等学校の3年生が、
美術館に来てくれました。
横須賀学院といえば、
昨年も3年生が見学に来てくれたお得意様です。

じつは引率の先生は、美術ではなく世界史の先生。
ご自身もかなりの美術愛好家ですが、
おそらく・・・芸術作品を通して現代史や社会の問題点を
生徒たちに学んでほしいと考えているのかもしれません。

ということで、今日のトークは社会と深い関わりを持つ作品を
中心に話を進めてみました。

20世紀の正と負の遺産を見つめるヤノベケンジの≪ロッキング・マンモス≫、
現代のネット社会を映し出すモナ・ハトゥームの≪ウェブ≫、
そして日本の伝統文化に問いを投げかける菊畑茂久馬の≪奴隷系図≫・・・。

現代美術を見るのはほぼ初めてという生徒さんたちでしたが、
作品を見る目に時としてきらっと興味が宿ります。

芸術作品は“時代の鏡”・・・という人もいるように、
これを機にたくさんの芸術作品を読み解き、
自分なりの歴史観や世界観を大切に築いていってほしいですね。
(C.M.)

2011年1月20日

学校ゆかりの作家~恵泉女学園高等学校

ブログ.JPG

今日は恵泉女学園高等学校の3年生がMOTコレクションを
見に来てくれました。
高3といっても、すでに進学先が決まっている生徒さんばかり。
高校生最後のこの時期を有意義に過ごしてもらえるよう、
学校が特別に組んでいる授業のひとつです。

じつは先月、美術の先生と打合せをしたのですが、
その際に、「あっ。本郷新の作品」と目に留めてくださったのが、
3階に展示されているこの作品。

≪O嬢≫というタイトルの少女の彫刻です。
                ↓
IMG_8607.JPG

本郷新といえば野外彫刻で有名な作家。

広島の平和記念公園や札幌の大通公園など、
日本各地で作品が見られますが、
じつは恵泉女学園にゆかりのある作家だそうです。

戦前に恵泉女学園で15年間ほど教鞭をとっていた本郷新は、
学校内にも彫刻を残していて、
現在使われている学校章も本郷のデザインによるもの。

見せていただくと、
女性が泉の水を汲んでいる素敵な校章でした。

本郷新の精神が今も息づいている学校に育った生徒たち。
みなさん初めての現代美術館にもかかわらず、
じつにのびのびと楽しそうに・・・
作品を鑑賞していたのが印象的でした。
(C.M.)

2011年のミュージアム・スクールはじめ

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今日は、江東区立東川(とうせん)小学校4年生の皆さん(53名)が
来てくれました。

この学校がミュージアム・スクール(学校の団体見学)の年明け第一号。
1/3に淺井裕介さんが描いてくれた「巨大描き初め」作品もお出迎えです(写真)。

この学校は歩いて来ることができる距離の”ご近所さん”。
昨年6月には6年生も来てくれていました。
年に何度も来館してくれるなんて、うれしい限りです!

さて、今日は3グループに分かれて、「MOTコレクション」(常設展)と、
「オランダのアート&デザイン 新言語」展の鑑賞。
クラスの友達と一緒に、気になったことや不思議に思ったことなど、
思い思いに感じたことを自由に話し合ってもらいながら回ってもらいました。

常設展では、
洗濯バサミがカンヴァスにびっしりと付けられた中西夏之さんの作品を前に

「この人、何にでも洗濯バサミ付けたくなるのかな?」
「東京スカイツリーにも付けちゃうんじゃない!」

と、会話が盛り上がっているようでした。
…皆さんなら何を洗濯バサミで埋め尽くしてみたいですか?
ちょっと想像してみてくださいね。

作品の前で色々な会話と想像がふくらむミュージアム・スクール。
今年もたくさんのご来館をお待ちしています!
(G.I)

2011年1月 7日

新年を祝う“描き初め”~淺井裕介編

2011年が始まったと思ったら、
あっという間に七草粥の日ですね。

当館は1月2日から開館でしたが、
2日は「落語」、3日は「描き初め」とお正月イベントが続き、
多くのお客様にご来場いただき賑やかなスタートを切ることができました。

さて3日の「描き初め」のレポートです。
まもなく始まる“大人のためのプログラム”の講師、
アーティストの淺井裕介さんにご登場いただきました。

幅4メートル、長さ15mの巨大な紙の前に立つ淺井さん。
緊張の一瞬です。
  ↓
淺井(小).jpg

淺井さんの横にいる白塗りの人たちは、
舞踏家の細井博子さん、松原東洋さんです。
淺井さんが描く近くで、新年を祝う素敵な踊りを披露していただきました。

書道パフォーマンス用の大きな筆、モップ、刷毛、細い筆・・・
様々な筆を自在に駆使して、たっぷりと墨を使って、
紙の上を行ったり来たり。
淺井さんの足形もところどころに付いています。
黙々と描き続ける淺井さん。
 ↓
淺井クローズアップ(小).JPG
(上記2点の写真撮影:中村麻由美)

最後には鮮やかな朱色の墨液(お習字の先生が○を付ける時に使うもの)が
黒の上に重ねられ、絵がぐっと引き締まったところで終了でした。

その間、約1時間10分。
短い時間内でこんな大作を仕上げてしまう淺井さんに、
観客のみなさんから惜しみない拍手が贈られました。

さて出来上がった作品はどうだったでしょうか?
閉館後に床に置いてあった作品を移動し、
エントランスの天井から吊るしてみました。

描き初め(淺井)_.JPG

この作品のタイトルは≪描き初め・生きものたちの柱≫。
絵の中には、狼、へび、うさぎのような生きもの、人間・・・。
様々な生きものが隠れていて、エネルギーが満ち溢れているようです。

展示は1月末日までです。
ぜひみなさん見に来てくださいね。

・・・にしても、こんなに大きな描き初めは、
美術館でも初の試み。
想像以上に大変でした。

一緒に準備を進めてくださった多くの方々のご協力あっての
「描き初め」でした。
そして、見に来てくださった大勢のみなさま、
本当にありがとうございました!
(C.M.)

2011年1月 2日

現代美術と落語のコラボレーション!?

落語ブログ 2.jpg
正月開館の特別企画として2日、「落語で楽しむ現代美術!」と題し
MOT美術館講座を開催しました。

200枚用意した整理券も全てはけ、桟敷席も追加で40席用意。
満員となった講堂は、いまかいまかと開始を待ち望むお客様の
熱気で満たされました。
副館長の年頭のご挨拶の後、早速、二つ目の小蝠さん、健太郎さんの司会で
「美術館なんでもクイズ」からスタート。クイズの解説は加藤学芸員。
三人の会場とのやり取りも楽しく、和やかな雰囲気に包まれました。

落語ブログ3.jpg
次いで、今回のチャレンジ企画、現代美術をテーマにした
創作落語「パワースポッターMOTとアンデパンダンの因人」を健太郎さんが熱演。

《学芸員がこどもたちを引きつれ美術館を案内。途中バックヤードにもでかけるが、
そこで思わぬ事件が発生。収蔵庫に閉じ込められるというハプニングが・・・》。

冒険ミステリーばりのネタを披露してくださいました。

落語ブログ4.jpg
続いては、特別ゲスト・歌司師匠の登場。
美術館のご近所にお住まいの師匠だけあって熱心な
歌司ファンも多数いたようです。

ネタは「小言念仏」。(噺に入る前の《まくら》もたっぷりの30分!)
念仏を日課としているおじいさんが、家人にあれこれ小言をいい、
ちっとも念仏に集中していないという噺。

軽快な話芸に会場はあっという間に大爆笑の渦に。
やはりベテランは違います! 

落語ブログ5.jpg
さて、トリは、古典落語「井戸の茶碗」を小蝠さんがじっくりと聞かせてくれました。
落語にも芸術や美術を扱った噺が多数あり、これもその一つ。

最後に会場の皆様へ美術館からのお年玉ということで、
お楽しみ抽選会で大いに盛り上がり終了しました。

皆様本年も現代美術館をどうぞよろしくお願いいたします。(G)