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2010年9月30日

外国から来たこどもたち~葛西小学校日本語学級

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今日は約30人の外国人の小学生が、
美術館に来てくれました。
ブラジル、モンゴル、中国、韓国・・・・と様々な国から
日本にやってきて、
今、一生懸命に日本語の勉強をしているこどもたちです。
週に2回ほど、葛西小学校の日本語学級で
学んでいます。

美術館はほとんど初めてなので、
美術館を知ってもらい、
親しみをもってもらうことからスタートです。

まず展示室に入る前に、
美術館のルールをみんなで確認。
それから常設展示室にご案内して、
私たち学芸員と一緒に作品を鑑賞しました。

日本語が通じるかしら?と最初はこちらも不安だったのですが、
子どもたちの“一生懸命に聞こう”という姿勢と、
新しいモノに対する好奇心に後押しされて、何とかクリア。

高学年のお兄さん、お姉さんたちも、
助けてくれて、
低学年の生徒に通訳をしてくれました。

この写真は、モーリス・ルイスの作品を前に、
「薄い絵の具と濃い絵の具」についてこどもたちと
話し合っているところです。

「薄い方がキレイだと思う」
「濃い絵の具は色がはっきり出る」
「濃い絵の具はパサパサになってかきにくい」
どんどん意見が出てきます。

自分たちの絵の具の体験を思い出しておくと、
美術館の抽象絵画も身近になってくるのか、
近づいて表面を見ながら、
友だち同志で活発に話が進んでいる様子でした。

作品を前にしてのおしゃべりは楽しそう。
これからも日本語を使って
会話をエンジョイしてほしいです!
(C.M.)

2010年9月29日

展覧会の作り方

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今日の午後は、学習院女子高等科の美学美術史コースを
選択している3年生がやってきました。
例年来てくれる常連校です。

毎年、文化祭で自分たちが企画した展覧会をするそうで、
今回も展覧会の作り方や展示の仕方について学芸員から
レクチャーを受けるのが目的です。

はじめに研修室で、学芸員から一般的な展覧会開催までの
流れにつきてレクチャーを受けた後、実際に常設展示室に
出向き、展示方法についてあれこれ見学しました。
作品の展示の仕方、ライティング、鑑賞者に配布する解説書
などなど・・・。

いつもの作品鑑賞とはちがって、こうした展示方法を中心に
みていくと、普段は気がつかない美術館の展示空間に興味が
移ります。
作品はどこから展示室に入れるのか、普段作品はどこにしまわれて
いるのか、学芸員はどこで働いているのか・・・。

短い時間でのレクチャー&見学でしたが、
自分たちで作る展覧会のヒントを得てくれたようです。

楽しい、展覧会をぜひ作ってくださいね!(G)

好きだから、描くことでもっと好きになる

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カラリと清々しく晴れた秋空のもと、今日は葛飾区の
二上小学校の5年生のみなさんが見学に来てくれました。
秋晴れよりも爽やかな笑顔はなんと110人分。
ほとんどの人が現代美術館初体験です!

デイヴィッド・ホックニーの絵の前にくると、
様々な色や形に興味津々。
一見違う場所が描かれているように見える二つの絵を
じっくり観察して、実は同じ部屋が描かれていることや、
そこに描かれている家具の微妙な違いまで
細かく発見してくれました!

“好きなもの”を違う角度から描いたり、
違う時に描いたりするホックニー。
それによって、同じものでも様々に色や形が変わることに、
皆さん、とても驚いていたようです。

聞くと二上小学校の皆さんも図工の時間に
“好きなもの”をよく描くとのこと。
好きでたくさん見ているものでも、
ホックニーのようにいつもと違う見方をして描いてみると、
知らなかった一面を発見できるかもしれません。

これからも自分が好きなものを描くことで、
なにかを「好き」な気持ちを大切に育てていってほしいなと思います。

(インターン Y.K.)

2010年9月25日

“病院”が育つということ

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「こどものにわ」に関連したMOT美術館講座2回目は、
医師の山口悦子さんをお迎えし、
「おもろい病院の作り方 こどもにとって、本当によい環境とは?」と題し
お話をうかがいました。

山口さんが勤務する大阪市立大学医学部付属病院では、
2003年頃より本格的に病院内にアートプロジェクトという
概念を持ち込み、さまざまなプログラムやイベントを実施しています。

山口さん自身、以前は小児科医という立場でしたが、
今は、“病院のお医者さん”という病院内の安全管理を司る立場で
お仕事をされています。

病院とアートといってもそれは単なる癒しやセラピーのようなものではなく、
「アーティストと患者さんたちの真剣勝負のようなもの」と、山口さん。

実際に取り組まれてきた様々な興味深い事例を紹介していただきました。
初めは山口さんら小児科医を中心に小児病棟のこどもたちに向けた
プログラムを行っていました。そのうち、大人の患者さんにもやってほしいと
内部職員からのリクエストを受け、大人のプログラムも実施するようになったそうです。

そうする中でだんだんと病院内の職員の意識も変化し、
今では患者さんたちの度肝をぬかすような「おもろい」ことを
仕掛ける病院をめざして医師、看護師、そして事務方の職員が
一体となってこのアートプロジェクトに取り組んでいるとのこと。

これは単なる面白おかしい、おふざけではなく、
治療一辺倒の病院生活をいかに豊かな生活に変えていくかという
病院の前向きな姿勢のありかたのように思いました。

病院もどんどん成長し、患者さんらの笑顔とともに育っていくのだと感じました。(G)

2010年9月24日

じっくり味わう/思いっきり楽しむ

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今日は、台東区立石浜小学校5年生の皆さんがやってきました。
少し早めに到着し、隣の木場公園で元気いっぱい走り回っていた皆さん。
講堂に集合すると一転、わくわくした表情でこちらが話し出すのを
じっと静かに待ってくれています。

挨拶とマナー確認の後、「MOTコレクション」(常設展)で3グループに
分かれて学芸員とのギャラリートークと、「こどものにわ」の自由鑑賞を、
クラス毎に交代して楽しんでもらいました。

立体・絵画・映像、と、幅広い表現にふれることができる
今回の「MOTコレクション」。
《さそう絵画》と題された一室では、気になる作品を選んで
「ここにさそわれる!」というポイントを発表しあったり、
エルズワース・ケリーの作品《赤・黄・青》の前では、皆で"かげおくり"
(三つの色だけで構成された絵画をじっと見つめて、上の壁に視線をうつすと…
色の"かげ"が見える!という遊び)で遊んでみたり。

また、ショーン・グラッドウェルの映像作品では、
スクリーンの前に立つと皆、自分の影をうつして大喜び。

疾走する自動車の上に作家本人が立ち上がる様子が映し出されると、
「(おしりを)押せるよ!」
と、手の影で"共演"してくれました。(写真)

じっくり味わうことと、思いっきり楽しむこと。この二つがバランスよく
同居していた、石浜小のこども達でした。

こども達の鑑賞の様子を見て、「一度トークやってみたいな…」
と、先生も思わずぽつり。
次回お越しの際には、ぜひ挑戦していただきたいと思います。
(G.I.)

2010年9月22日

顔なじみのお客さま

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今日は港区立赤羽小学校4年生の皆さんが来てくれました。
じつはこの学校、毎年来てくれるお得意様なのです。

今日のこども達も、3年生の時に来てくれていたのでした。
再会を喜びつつ、「MOTコレクション」(常設展)と
「こどものにわ」、二つの展覧会を鑑賞。
二度目の来館とあって、皆、現代美術館の広い空間にも
慣れている様子です。
我々学芸員の顔を見ても、「あっ、前に会った人だ!」
と憶えてくれていると、嬉しくなってしまいます。

そんなこども達にとって、一番印象が変わっていたのは
常設展入口の吹き抜け空間(アトリウム)ではないでしょうか。

天井から垂れ下がるふしぎな形と漂う香り、そして床に置かれた
クッションからの眺めが好評だったエルネスト・ネト《Flower2》に代わり
現在は透明感ばつぐんのモナ・ハトゥーム《Web》が展示されています。

前回と同じ場所で、そのときの体験を思い出しつつ、床に寝転んで
新しく生まれ変わった空間を全身で感じてもらいました。(写真)
ひんやりとした美術館の広い床が、なんとも気持ちよさそう。

顔なじみの美術館があるなんて、素敵なことですよね。
また来年も、一回り大きくなった姿を見せに来てほしいと思います。
(G.I.)

2010年9月18日

秋晴れの美術館見学

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秋晴れの土曜日、今日は埼玉から浦和学院高等学校で
美術コースを選択している1、2年生の生徒さんが見学に
きてくれました。

ちなみに、2年生のクラス数は、なんと19クラス!!
800人もいるそうです。

昨年は、竹橋の近代美術館に見学にいったそうです。

さすが美術コースだけあって、様々なジャンルの美術の世界に
触れるのも、この見学の大きな目的になっているようです。

現代美術館への見学は初めてとのことで、
もちろん現代美術に触れるのも初。

平面作品や立体作品、インスタレーション、体験型の作品など、
いろいろなタイプの作品を紹介しました。

こちらからの問いかけや説明に熱心にうなずきながらメモを取る生徒や、
どんな仕組みになっているのだろうと不思議がる子、
じっと作品を見つめたまま動かない生徒など鑑賞の様子も様々。

現代美術の世界は、そのテーマや素材も多岐にわたります。
そうしたバリエーションのお話も交え、これからの美術の授業でも
参考になるようなお話を中心に、ギャラリートークを行いました。

美大をめざしている生徒さんもいるそうなので、
いろいろな見学を通じて、見聞をひろめてほしいものです。(G)

2010年9月14日

美術館でのびのび~江戸川区第三松江小学校

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今日は新小岩にある第三松江小学校の6年生が、
朝一番で美術館に来てくれました。
総勢104人と都内の学校としては大人数。

スムーズに見学できるようにと、
2ヶ月も前に図工の先生が下見に来館されて、
作戦を練っていただき当日を迎えました。

今日は常設展示と「こどものにわ」展の両方を、
約1時間30分で見るというハードスケジュール。

しかし先生の作戦のお陰か、
展示室の移動も時間通りスムーズでしたし、
鑑賞のマナーもしっかり守れていたようです。

聞くところによると、
この6年生たちは、これまでにも、
ブリヂストン美術館や
森美術館などに見学に行ったことがあるそうです。

そうした経験もしっかりこどもたちの中に蓄積されているのでしょう。
美術館に来ても緊張することなくのびのびした様子が印象的でした。

自分の目でお気に入りの作品を探して、
積極的に楽しもうという意欲も伝わってきます。

小学生の頃から、ごく自然に美術館を訪ね、
先入観をあまり持たずに様々な作品に触れること。
その大切さを実感したひと時でした。
(C.M.)

2010年9月12日

赤ちゃんから学ぶ赤ちゃんの「心」

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今日は、「こどものにわ」に関連したMOT美術館講座の1回目が開催。
赤ちゃん学の開一夫(東京大学教授)氏をお迎えしました。

開演前から長蛇の列ができ、会場は超満員。
開始前から、赤ちゃんの鳴き声で賑わいました。
日曜日ということもあって、お母さんばかりでなく、
お父さんの姿も多数見受けられました。

開始早々「こんなにたくさんの赤ちゃんの前で話すのは
初めて」と少々戸惑い気味の開氏。
講演では、赤ちゃん学の歴史や脳科学、社会的意義など
ちょっと難しいお話もありましたが、
熱心に聞き入る参加者の姿が印象的でした。

後半は、いよいよ赤ちゃんを使っての実験。
「ものまね」や「宝探しゲーム」ほか、
鏡をつかった実験などが紹介されました。
先生の指示にしたがって、早速実験をしてみる参加者の皆さん。

今回は、赤ちゃんといっても、月齢も幅広く、
一概に実験対象の年齢でなかったということもあり、
うまくいく人もいれば、なかなかうまくいかない人もいました。

先生自身も、会場内の鳴き声に圧倒され気味で、声も枯れ枯れ。
後半はお疲れのご様子でした。
しかし、講演終了後、沢山のお母さんたちに囲まれ質問攻めにあっていました。
今回の講座への関心の高さが伺えました。

赤ちゃんを通じて学ぶ赤ちゃんの「心」。
まだまだ分からないことが多い研究分野ですが、
お家に帰ってぜひもう一度実験してみてほしいです。(G)

2010年9月 8日

台風にも負けず!

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今日は、あいにくの台風。スコールのような雨の中、
文京区の図工部会の先生方が研修で当館を活用してくださいました。

例年、研修する美術館を変えているそうで、今年は現代美術館を
選んでくれました。対応する側としても気合が入ります!

はじめに当館でのスクールプログラムについてご紹介したあと、
2チームに分かれて、普段こども達にしているギャラリートークを
体験していただきました。

さすが、小学校の先生、無邪気な反応は、まるでこどものようです。
こちらからの問いかけにも楽しそうにお応えいただき、
トークももりあがりました。

「こども達の反応は、学年によってちがいますか?」
など、教師ならではの視点の質問もありました。

いろいろな美術館での研修を通じ、
図工のヒントや得るものも異なると思います。
さて、今日の研修では何を得たのでしょうか?
その結果を、報告してもらえる日を楽しみにしています。(G)

2010年9月 3日

まちの自慢スポットをさがして

今日は地元、江東区の越中島(えっちゅうじま)小学校から
元気いっぱいの3年生の皆さん、94名がやって来ました。

3年の地域学習で「江東自慢マップ」づくりをしていて、
その準備として区内あちこちの施設や寺社、名跡などをめぐる
一日がかりの見学ツアーなのだそうです。
今回、現代美術館もマップ候補地として選んでくれました。

施設めぐりということで、今日は展覧会のことだけでなく、
館内のいろいろな場所もご紹介しました。
たとえば…

・三角形が連なったような、柱のデザイン(写真左上)
・1階エントランスホールからのぞける、地下の図書室(写真右上)
・展示室に向かうエスカレーターから見える、水辺のある広場(写真左下)
…などなど。

IMG_1247.JPG 美術図書室ss.jpg

水辺ss.jpg リントイレ(女性)ss.jpg

中でも皆の話題になっていたのは、美術作家マイケル・リンがデザインした、
世にもきれいなお手洗い(写真右下)。
残念ながら今日は実際にお見せできませんでしたが、
また時間をみつけて、ぜひ探しにきてほしいです。

もちろん展覧会も鑑賞してくれました。「こどものにわ」展に出品中の
無数の動く線がスクリーンに次々と投影される映像作品、
出田 郷(いでた ごう)《lines》の前では、まるでパフォーマーのよう。

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きびしい暑さにも負けず、皆さん無事に見学ツアーを終えることが
できたでしょうか?
どんな自慢マップが完成するのか、そして、
皆さんがどのように現代美術館を取り上げてくれるのか、
今からとっても楽しみです。(G.I.)