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2009年8月28日

遠くの空を眺めるように 葛飾小学校

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新学期が始まったばかりのこの日、
見学にやって来てくれたのは葛飾小学校の皆さん。

はじめは3チームに分かれて見学しました。
金氏徹平の《建物のようにつみあげたもの》では、
「あっ!マリオだ!」「あれ?これはドラクエのなんかかな?」と
うえから白いものがかかってシルエットしか見えなくなっているにもかかわらず、
自分の知っているキャラクターのフィギュアを発見してくれました。
こうなってくると
ひとりひとりがじっと目を凝らして、さらなる知っているものを探し始めます。
「キャラクターのほかにもわかるものは?」とたずねると
またじっくり観察して
「トウモロコシ」、「洗濯物を干すもの」、「管みたいなもの」という声が。
こうして、一つの作品を一部分だけじっくり見たり、作品全体を眺めたりしているうちに
こどもたちにいろいろな「見ることのスイッチ」が入ります。

自由見学の時間には、八谷和彦の部屋が人気でした。
壁の上の方に真っ白な映像が映ったモニターがあります。
それを台の上に置いてあるオリジナルの望遠鏡を使って
遠くの空を眺めるように見ると
八谷氏の作品である不思議な飛行物体が空を飛んでいる映像が見えます。
なぜ見えるのかはここではヒミツです。
こどもたちは2つの望遠鏡を両目に当ててさらに良く見えるようにしたり
さまざまな見方で見ていました。

近づいてみたり、全体を見たり、道具を使ってのぞいてみたり、
いろんな「見る」を体験してくれたこどもたちでした。
                          (武)

2009年8月26日

「ら」は何の「ら」?

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夏休みもあと残りわずかとなったこの日、
越ケ谷北高校の美術部の皆さんが見学に来てくれました。

アトリウムにあるエルネスト・ネトがどうやってできているかを話したり、
奈良美智や加藤美佳の絵画を見ながらモチーフについて話しながら
じっくり見ていきました。
やっぱり高校生ともなると、静かにこちらの話に耳を傾けて、
質問すると、みなさんちょっと照れくさそうに答えてくれます。

伊藤存の《しりとりおきもの》では、
「アシカ」「カラス」・・・・とひとつひとつをみんなでたどっていきました。
いつも我々がお客さんと見ていると
「リンゴ」「ゴリラ」・・・のところで止まってしまいます。
「ら」ではじまるところがかなり難しいのです。
そのつぎのおきものは「ずのう」。
つまり、「ら」ではじまり「ず」で終わるものです。
学生さんのひとりがそのおきものを見て
「ラモーンズ」と答えてくれました。
すごい!正解です!
実はラモーンズというアメリカのパンクロックバンドを表しているのだそうです。
マッシュルームカットの人形のようなかたちをした「ら」ではじまる置物は
小学生や大人にはかなりの難題なのですが
ティーンエイジャーの学生さんたちには身近なテーマだったみたいですね。
さすがです。

今回の展示は若い世代の作家の作品もいっぱい。
そんな現代美術の作品の数々は、
10代の多感なみなさんにはどう感じられたでしょうか?
                      (武)

2009年8月25日

動くフォーラム

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夏休みももうじき終わりですが、先生たちの研修会はまだまだ続きます。

今日は、(財)東京都歴史文化財団主催の「動くフォーラム」が開催されました。
これは、昨年から始まった取り組みで、同財団が管理運営している都立の文化施設を
「歴史系」「音楽系」そして「美術系」の3つのコースに分けて、
夏休み中の先生方をご招待し、希望コースごとに各施設をめぐり
教育普及の取り組みを体験してらもらおうというもの。

現代美術館には、小中高、特別支援学校から約30名の先生方にお越しいただきました。

当館で行われている学校対応のプログラムについて研修室で紹介したあと、
実際に常設展示室にて、2グループに分かれてギャラリートークを体験してもらいました。

今回の参加者の中には世界史の先生もいて、
歴史の授業での活用という観点でみてくれた方もいました。

鑑賞後のミニフォーラムでは、教育現場からの声として、
こどもにやさしい美術館であってほしいとか、
情報機器に対応できるデジタルコンテンツの提供、
社会的背景に関連している作品の展示など、
いろいろなご要望、ご意見がでました。

現代美術館だけでなく、数館をまわって他館の取り組みを
比較体験することもできる今回の「動くフォーラム」。

先生方一人ひとりの狙いや目的にあった文化施設に
出会える機会になればと思います。(G)

2009年8月14日

民間学童保育のこども達

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キッズベースキャンプという民間の学童保育のこども達が
二子玉川から見学に来てくれました。
みんなお揃いの緑のゼッケンをつけています。

午前中、自由に伊藤公象展を見てから、
木場公園でランチを食べたあとで
常設展示室を2チームに分かれてまわりました。

アトリウムのエルネスト・ネトの作品の巨大さに驚きつつも
「上の方でなんか動いてる!」と
作品の中に入っている発泡ビーズがにょろにょろと動いているのをしっかりチェック。
鋭い観察力です。

栗田宏一の《ソイル・ライブラリー》は日本中の365か所の土が
ビンに詰められてグラデーションに並んだ作品。
作家が作品とは別に「こども達に見てもらうように」とくれたサンプルの土を渡して
それぞれ土によって色が違うだけでなく
粒の大きさや、水分の含み具合が違うことを確かめました。
引率のスタッフの方が
「キッズベースキャンプでも、みんなが持ち寄って集めればコレクションができるね!」
するとこども達も「いいね~!」
ほんとうですね、みんなが旅行に行くたびに少しずつ集めれば、
あっという間に素敵なコレクションができそうです。

ぜひいつか
キッズベースキャンプで集めた土のコレクションを見に伺いたいです!
                        (武)

2009年8月12日

夏休みこどもワークショップ記録展示開催中!

現在、ミュージアムショップ付近で、夏休みこどもワークショップの記録展示が開催中です。

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展示では、こどもたちの考えた「上手に大人になるための指示カード」をもとに
一部それらを再現しています。
こどもたちのワークショップの記録展示とはいうものの、
今回はかなり洗練された展示となりました。

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これは、ペンを使ったシリーズで、手前の作品は、
「ペンのキャップを付け替えてカラフルなペンを作れ」というもの。
奥の作品は、「ペンタワー」。制限時間内に一番高く積み上げた人が勝ちというものです。

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夏休みということもあり、連日たくさんの方にご覧いただいており、
みなさん興味深げに見てくれています。
また、今回は、高校生ボランティアを募り、
展示のケアや監視をお願いしています。
日ごろなかなか高校生との接点が少ない美術館ですが、
こうした活動を通じて、美術館と高校生がつながっていく
良いきっかけになればと思います。(G)

2009年8月11日

夏休みの先生

夏休みの先生は長いお休みでいいなぁ…
なんて思っていたこともありましたが、
それは全くの勘違い!
こども達はお休みでも、先生方は毎日勉強です。
当館でもこの夏休み中に
先生方にじっくりと現代美術について考えていただける機会を
ということで、「夏休み先生のための研修会」を開きました。
募集人数30名のところ、50名以上の先生に参加していただきました。

午前中は「メアリー・ブレア」展について担当学芸員の特別レクチャー。
メアリーが小さなこどもがいる母親でありながら
東海岸から西海岸へ通勤していた時期があることなど
さまざまなエピソードを交えたレクチャーを聞いたあとで
展示室を自由に鑑賞しました。

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昼食をはさんで、午後は「伊藤公象」展の研修会。
ふだん学校で陶芸の授業をすることもあるという先生もいらっしゃったのですが、
焼き物でありながら伝統工芸的手法ではなく
「自然にゆだねる」という伊藤公象氏の制作方法は新鮮だったようです。

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展示室では特別に作品の一部に触れながら鑑賞したり、
特製のワークシートを手がかりとして自由に鑑賞しました。

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最後のアンケートには、
「学校のこどもを連れてきたい」という嬉しいコメントもいただきました。
丸一日現代美術にどっぷりと浸る、濃密な1日だったことと思います。
先生方、本当にお疲れ様でした!
                 (武)

2009年8月 9日

夏休みこどもワークショップ 3日目

ワークショップもとうとう最終日。

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この日は、2日間の体験をもとに、
自分たちでオリジナルのいろいろなハプニングをつくりました。
「じゃんけんで、後だしで負ける」
「前にいくふりをして後ろに歩く」
「くもにさわれ」
「東京都現代美術館を反対にいう」
「大人とこどもを一日入れ替える」
などなど・・・。

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出来上がったものは、大人になるためのマニュアルとして、
箱につめ、将来大人になる自分へのメッセージをそえて
「宝の箱」を作りました。

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最後は、おうちの人を招待して、みんなで考えた
インストラクションアートをやってみるハプニングコンサートを開催。
見るだけだと思ってきたお父さん、お母さんもいつのまにかステージに上がって
様々な指示のもとこどもたちと一緒になってもりあがりました。

今回は、ハプニングを起こし、
アートを使って上手に大人になるということに挑戦しました。
普段見慣れたものもちょっと視点を変えてみてみたり、
やったことのないことをやってみる、
そんなアートの活用法をこの3日間を通じてこどもたちは学んでくれたようです。(G)

夏休みこどもワークショップ 2日目

ワークショップ2日目も、きくちさんが指示することをやってみる
「インストラクションアート(指示する芸術)」に挑戦!

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まずは、「しりトイレットパーパー」。
制限時間内にトイレットペーパーにしりとりを書き、
どのグループが一番長く書けるかを競いました。

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今度は、「美術館で5分間寝たふり」。
廊下にでて全員で寝たふり。
中には本当に寝てしまう子も。。。
目覚めた後は、その体験を粘土で表現。
耐えられなかった様子を形作る子もいれば、
平穏な気持ちを表現する子もいました。

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次なる指示は、「目隠しをして美術館を見る」。
長いエントランスを恐る恐る歩いて常設展示室に向かい、
耳や鼻を使って展示室内を体験しました。
その後は、体で覚えていることをもとに地図を作りました。(G)

夏休みこどもワークショップ 1日目

今年も夏休み恒例のこどもワークショップが、
7月31日~8月2日の3日間開催されました。

企画・指導は、アメリカボストン在住のアーティスト・きくちひろこさん。
「美術館でハ・プ・ニ・ン・グ!? アートで上手に大人になる方法」と題して、
様々なもしものシチュエーションを作ったり、共同作業を通じて
アートを身近に感じてもらうことからはじめ、実際に美術館の中や展示室を使って
自分なりのフィルターを通して体験した結果を、新しい言葉やハプニングを
生み出すことで表現しました。

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ワークショップ1日目、集まったこどもたちの目の前には
なぜかパンが置かれています。
これはきくちさんが、グループ分けのために用意したもの。
全員で同時に食べ、中に入っている番号を見つけ出し、
グループの席につきました。

自己紹介のあと、これから始まる3日間のお話や
アートについて簡単なレクチャーがありました。
これからの3日間、きくちさんからいろいろな指示が出され、
こどもたちはそれを実行していきます。

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最初の指令。
「1000円分の自分を探せ!」
100円ショップに行って、1000円分の自分を買ってくるというもの。
自分は人をまとめるのが得意だからとホイッスルを買う女の子や、
友達に対して甘いところや辛いところがあるのでカレーを買ったという子もいて
実に様々な1000円分の自分が集まりました。

今度は、それを壊せと指示が下り、みんな「えー」とびっくりしていましたが、
はじめは躊躇していたこどもたちもだんだんとその気になって、
最後はめちゃくちゃにしていました。

次に、
「壊した素材で、大人になった自分を想像して作れ」とこれまた難題が指示。
あれこれくっつけたり、つないだりしながら、おのおのの大人の自分を作ってくれました。(G)