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2009年6月26日

先生によるギャラリートーク 都図研研修会 その2

学校団体見学 043.jpg

都図研研修会2回目。
いよいよ現代美術館のご近所、元加賀小学校の皆さんに向けて
他の美術館の学芸員の皆さんと図工の先生方による
ギャラリートークがおこなわれました。

元気いっぱいの4年生に対して
トーカーのみなさんそれぞれが工夫を凝らした
作品に近づくためのよりよいアプローチを繰り広げました。
オスジェメオスの作品では
先生が「~が~を見てる」や「何で?」などの言葉のかいたカードを提示し
それを入口に作品をみていきましたが
「何でみんな黄色くて、痩せてガリガリなの?」という
オスジェメオスの描く人物像の特徴をしっかりとらえた言葉が飛びだし
こども達の視点の鋭さを垣間見ることがました。

こうした研修を通して、
先生方にとって、ご自身がギャラリートークをすることが
すごく気軽に、自然に行えるようになって
現代美術館でも引率の先生によるギャラリートーク風景が
もっと見られるようになるといいと思います。
                      (武)

2009年6月25日

「すごい!」「すごい!」の連続

平塚小ブログ.JPG
今日は品川区立平塚小学校の6年生の皆さんがやってきました。
お昼をお隣の木場公園で食べて、午後からの来館です。

お腹も満腹になったところで、美術館体験とは結構うれしいかも。。。

3チームに分かれて学芸員と一緒に鑑賞した後は、
学校の先生が用意したワークシートを使っての自由鑑賞です。

ある男の子のグループは、トビアス・レーベルガーの作品の中で
なにやら情報交換中。(写真)

「あれ見たか?」
「見た、見た。すごいよな」
「おー、すごい、すごい」」

途中先生が中に入ってくるやいなや

「先生もあれみたほうがいいよ、絶対!」

と、すすめている姿がありました。

「あれ」とは、中ハシ克シゲの《OTOMI》という作品。
気になる方はぜひ美術館で確認してください。

ワークシートをびっちり埋めている子もいれば、
印象的な言葉であさっりまとめている子もいて様々。

きっと、一人ひとりの心の中には、
「すごい」「すごい」が連呼されていたに違いありません。
自分が出会ったことのない未知なる作品に出会えるのも
このミュージアムスクールの醍醐味です。
ぜひ、他の学校の皆さんも、この未体験お試しあれ。(G)

2009年6月23日

「お気に入り」の一点! 練馬区立練馬第三小学校

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蒸し暑いくらいの空気
本格的な夏を感じるお天気の中
今日は練馬区立練馬第三小学校の5年生
合計87人のみんなが美術館に来てくれました。

午前中にグループに分かれてトークを聞いた後は
自由時間にじっくりと作品を鑑賞しました。
その間に持参してくれたワークシートに「お気に入り」の作品を記入。
みんなとっても真剣な表情・・・。
ここでは、名和晃平《Pixcell—Deer#17》が圧倒的な人気でした!
「可愛い!」「なんかちょっと怖い・・・」と、様々な意見が飛び交います。

そしてお昼ごはんをはさんで
今度は、実際に作品の前で一人ひとりが「お気に入り」の一点を紹介します。
このときには、奈良美智《サヨン》に描かれている女の子の表情から
睨まれているけれども何故か気になってしまう・・・という面白い意見があったり。
また、67点からなる大竹伸朗《日本景》では
各々が色や形、そして制作方法にまで目を凝らし
独自の着眼点を披露してくれました。

発表するにあたり、ちょっぴり緊張していた子もいたようですが
自分の好きなものを自分のことばで表現してくれるみなさんの様子からは
非常に頼もしい印象を受けました。
87人のみんながいれば、87通りの「お気に入り」がある。
そんな思い入れがぎゅっと詰まった発表だったのではないでしょうか。

帰りがけには、「今度は弟を連れてこよう!」
「今日のことを家族に自慢したい!」という声も。
これは、何とも嬉しいかぎり!
自分の気に入った作品を、ぜひ周りの人に教えてあげてくださいね。
また美術館でお待ちしています。(前)

2009年6月18日

一人ひとりの感じ方で

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今日は荒川区立第三峡田小学校5年生、
6年生の皆さんがやってきました。
こどもたちは、普段図工の時間で
「一人ひとりの感じ方は違って当たり前」と
先生から教育を受けているだけあって、
鑑賞中も非常に積極的に自分の考えをお話してくれました。

大竹伸朗《ゴミ男》を見るや否や、
「あっ!ここに人がいる」
「靴だ!」「電卓だ!」「絵の具のふたもある!」と矢継ぎ早に
発見したことを教えてくれました。

この作品には、こどもたちが発見してくれたように
様々な素材が貼り付けてあります。
おまけに、スピーカーからは奇妙な音もでています。

自由鑑賞の時間に、いろいろと想像力をはたらかせ
各自が自分なりの感性で鑑賞している姿は、
非常に頼もしいものがありました。

最後に今日見た中で気に入った作品は?
との問いかけにもみんなあれこれ答えてくれて、
本日の美術館体験が彼らの心の中にしみこんでいることが
伺えました。

「一人ひとりの感じ方で」。
大切にしたい言葉です。(G)

2009年6月14日

「・・・??」を楽しもう! 九十九里中学校

今日は九十九里中学校のみなさんが、バスに乗ってやってきてくれました。
見学に来てくれたのは、美術部の方々。
生徒さんを2チームに分けて、常設展をご案内しました。
みなさん、普段は風景画やクロッキーを描いているとのこと。
いつも描いている絵とはかけ離れた、フランク・ステラの作品の前で、
「…?? 」といった印象。

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「これはVの字が集まって構成されているんですよ。」と伝え、
Vの字のピースを3つ使って、実際に好きな形を作ってもらいました。

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回したり、重ねたり。3つのピースをどう置くか試行錯誤するうちに、
みなさんそれぞれ異なる、さまざまな形が出来上がりました。
「どうしてこの形にしたの?」と訊ねると、
「線がよかった」と言う人がいたり、
「なんとなくダイヤモンド型」と言う人がいたり、様々でした。
「・・・??」を楽しむのも、現代美術館の魅力。
ぜひまたいらしてくださいね!(T)

2009年6月11日

図工の先生の研修会 都図研研修会 その1

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東京都の小学校は、1316校あるそうです。
そしてそれぞれの小学校に一人ずつ図工の先生がいます。
ということは、1300人以上?!

さて、そんな図工の先生方のための
美術館での作品鑑賞をテーマにした研修が行われました。
図工の先生方の研究会「都図研」と
わが現代美術館をはじめ、東京国立近代美術館、東京国立近代美術館の工芸館
そして国立西洋美術館の4つの美術館とが連携して行われる研修会です。

当館の常設展示室の作品を使って
まずは他館の学芸員のみなさんによるギャラリートーク。
そして、そのあとで先生方によるディスカッションです。
どんな投げかけがあればもっと作品をじっくり鑑賞できるようになるか、とか
こども達の想像を膨らませるにはどんな切り口がよいのか
など。

トビアス・レーベルガーの、ガレージ模型の作品では
学芸員から「ここに1日いられるとしたら、どんなことがしたいですか?」
という問いかけがありました。
それを受けた一人の先生は「ここで1日暮らしてみたい。」とのこと。
「外部が透けて見えるので、太陽の光や月の光の移り変わりを楽しんだりしたい」
というご意見でした。
確かに、この作品の天井からお月さまや星々が眺められたら
本当に素敵ですよね!

この研修会は2回もの。
次回は26日に、現代美術館近くの小学校のこども達に
学芸員と先生がギャラリートークをする予定です。
こども達はこの作品の中で何がしたいと言ってくれるのか
とっても楽しみです!                 (武)

お友達と一緒に美術館! 豊島区立長崎小学校

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雨が降ったりやんだりのお天気の中を
電車に乗り継ぎやって来てくれたのは
豊島区立長崎小学校の4年生のみなさん。
学校で美術館に見学に来るのが初めてのこどもたちは
到着したときからやや興奮気味です。

今回の見学では
村山悟郎の作品のトークを先生からのリクエストでいただいていました。
見学後の授業として、
「ひもを交差して編んで上から絵をかくような制作」をする予定なのだそう。
村山悟郎の作品の展示室に入ると
足もとまで広がるたくさんのひもにすっかり釘付けのこどもたち。
この作品のひもが「縦と横に通して編まれていること」を確認してから
木枠に貼られた市販のカンヴァスをみんなに見せました。
カンヴァスに貼られた布も、この作品と同じように
縦糸と横糸を組み合わせて編んである、ということを改めて実感したようです。
そのあとで、丸く渦を巻いたような《神の宿る部分》を見ながら、
みんなでどの部分に神が宿ってるのか、考えました。
「真ん中の丸いところは地面を掘った穴を表していて、その穴の中に住んでいる」
「いろんな魂が真ん中の丸いところに集まっているみたい」
などいろいろな発想が出てきました。スゴイ!
そして、作品がまるで回転しているみたいに見えるので、
どちらがわに回転しているか考えてみたり。

その後、内海聖史の《三千世界》について話をしようとすると
こちらはまだ何も言っていないうちから、ほとんどの子が手を挙げて
作品を見て気づいたさまざまなことを話してくれました。
そのどれもがとても鋭い。
先ほど見せたカンヴァスのことを覚えていて
「さっきみたいなカンヴァスに描いてある」と言ってくれた子もいました。

みんな活発に手を挙げて、ひとりひとりが自分の言葉でたくさん話してくれました。
とても感性豊かなこども達。ぜひまた遊びに来てくださいね!
                               (武)

2009年6月 9日

みんなちがってみんないい 二上小学校

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二上小学校の図工の伊藤先生は
前任校のときにもよくMOTを利用してくださっていたのですが、
二上小学校で見学に来るのは今回が初めてです。
見学に来てくれたのは、5年生98人!
お友達がいっぱいの学校です。

はじめに4つのチームに分かれてギャラリートークです。
藤本由紀夫の《Ear with chair》は、誰もが体験したくなる作品。
「普通にしているときに聞こえているはずなのに意識しないでいる音」を
長い管を通して聞いてみるのです。
まず作品を体験する前に
「今、トビアスの作品を見ていたときにどんな音がしていたか覚えてる?」
とみんなに訊ねてみましたが、もちろん覚えていません。
そう質問している私だって覚えていませんから。
するとみんな「今ここでしている音」を意識し始めます。
そのあとで何人かの子にこの作品の音を聞いてもらいました。
その感想を言ってもらうと、一人一人違います。
「ウワンウワン言ってる」とか「ビヨビヨビヨ・・・っていってる」とか、実に様々です。
同じ音を同じように聞き、みんな真実を言っているはずなのに、
ほとんど同じにならない。不思議ですよね。
だってこれが一つの計算式だとしたら、誰が解いても同じ答えになるはずです。
そこが美術のおもしろいところです。
「みんなちがってみんないい」のです。
トークの時はみんなに体験してもらうことができないのが残念なのですが、
自由見学の時間になるとたくさんの子が
「自分だけの体験」をもとめて、この作品の前に行列ができるのでした。

ひとつひとつの作品の話をとても一生懸命に聞いてくれたこどもたち。
その集中力は本当にすごかったです。
これからも、ひとりひとりの「自分だけの体験」を
大切にしていってほしいと思います。
                               (武)