東京都現代美術館
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MOTコレクション

MOTコレクション
特集展示|福島秀子
クロニクル 1964- OFF MUSEUM



東京都現代美術館では、約4,000点のコレクションを核として、会期ごとにテーマを設定し、戦後・現代美術の魅力を多角的に紹介しています。今期は、1940年代末より絵画を中心に制作し続けた作家、福島秀子(1927-1997)の特集展示と、戦後日本美術を見直す「クロニクル」シリーズの3回目として、1964年以降の美術動向に焦点をあてた「1964- OFF MUSEUM」により構成します。
同時開催の企画展「田中敦子-アート・オブ・コネクティング」展、「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」展と連動し、戦後の日本美術を知るうえで、欠くことのできない作家・作品、美術動向をご紹介します。


1F  「特集展示 | 福島秀子」
福島秀子は、1940年代末より80年代末まで、絵画を中心に発表し続けた作家です。福島の作品では、スタンプが重要な要素となっています。様々なものを素材にして紙やカンヴァスに押されたスタンプは、運動感に満ちた筆触や、陰影に富んだ色彩とともに幾層にも重ねられることで、絵画空間に独特の響きをもたらしています。

その絵画世界は、1957年に来日し、「アンフォルメル(未定形)」という美術運動を主唱したフランスの美術評論家ミッシェル・タピエに激賞され、ヨーロッパで開催された展覧会に出品を重ねました。「アンフォルメル」とは、未だこの世界のどこにもないものを行為とマチエールによって創ろうとするものですが、タピエは福島の作品のなかに、未知のものに向かって生成されるイメージの力を見出したのでしょう。そうした画家としての活動の一方、彼女は、当時の前衛的なグループにも積極的に関わりました。1951年、創立メンバーとして加わった「実験工房」は、美術と音楽を中心として、ジャンルを横断した総合的な空間(環境)の創造を目指すものでした。福島はこのグループの発表会で、新しいメディアを使った映像作品や舞台衣装、装置等を手掛けています。こうした福島の独創的な営みを回顧する試みは、これまでそう多くはありませんでした。このたびの展示では、多数の未発表作品を含む新収蔵作品を中心に、最初期から晩年に至るまで、福島の追い求めた表現の世界を探ります。

なお、「特集展示 | 福島秀子」では以下の展示も併せて行います。

(1)実験工房
福島秀子の参加した「実験工房」は、1951年に結成されたグループです。グループの活動の一端を、作品・映像・資料により紹介します。
出品予定作家:大辻清司、北代省三、駒井哲郎、山口勝弘ほか

(2)同時代作家たち
福島秀子とほぼ同世代で、50年代以降その独特な才能が注目された女性作家たちに焦点をあてます。
出品予定作家:漆原英子、榎本和子、草間彌生、間所紗織、宮脇愛子

(3)アンフォルメルと具体
「具体美術協会」(略称:具体)は、リーダーの吉原治良のもと、阪神在住の若手作家により、1954年に芦屋で結成されたグループです。タピエは彼らの作品にも高い関心を寄せました。
出品予定作家:金山明、白髪一雄、村上三郎、吉原治良、吉原道雄ほか




3F  「クロニクル 1964- OFF MUSEUM」
今期の「クロニクル」は、「OFF MUSEUM」をキーワードに、1964年以降の美術動向に着目します。東京都美術館で開催されていた「読売アンデパンダン」展は、誰もが出品できる無鑑査・自由出品制をとっていました。また主催者である読売新聞社が、紙面を用いた新人発掘キャンペーンを行ったことから、前衛的な新人作家が集う実験場と化していました。しかし彼らの破壊的ともいえる行為や作品がもとで、同展は1964年に中止が通告されます。このアンデパンダン展の中止は、美術館の外に発表の場を求め、表現方法を拡張することを加速化させました。1964年に篠原有司男や小島信明、ハイレッド・センターら、アンデパンダン展の先鋭的な若手作家たちが大同団結して、新宿の画廊で「OFF MUSEUM」展を開催します。彼らのように美術館の外で展開された様々な活動は、美術館と美術についての根底的な再検討を迫るものとなりました。「OFF MUSEUM」とは文字通り「美術館の外」という意味ですが、このことを美術館から逸脱し、既存の枠組みへの問題提起を含む、この時代を象徴する概念ととらえ、改めて美術館と作品との関係について考える契機とします。

出品予定作家:
小島信明、篠原有司男、ハイレッド・センター(高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之)、平田実、観光芸術研究所(中村宏、立石紘一)、山口勝弘、多田美波、福岡道雄、塩見允枝子、神田昭夫、秋山祐徳太子ほか


今期のMOTコレクションの見どころ
■ これまであまり紹介されることのなかった福島秀子の作品世界に迫る。
福島秀子は、田中敦子と同時代に前衛的な活動を繰り広げた女性作家ですが、その作品がまとまって美術館で紹介される機会はほとんどありませんでした。このたびは、新規に収蔵した未発表の水彩作品のほか、油彩や映像作品、多数の資料により、作家の世界にふれる貴重な機会となります。

■ 近年注目の高まる「実験工房」の活動をお伝えします。
1951年に結成された「実験工房」は、結成60周年を迎えましたが、そのインターメディア的活動の先駆性から近年とみに注目が集まっています。メンバー同士切磋琢磨することで育まれた実験精神に富んだ活動を、造形作品と資料によりご紹介します。

■ 「田中敦子」展に関連し、「具体」の絵画作品を展示。
「具体」メンバーであった田中敦子の個展に併せて、リーダーの吉原治良による「これまでにないものをつくれ」というモットーから制作された絵画作品を展示します。

■ 1960年代から70年代にかけて日本の前衛美術家たちを捉えた平田実の写真を多数展示。
戦後の日本の前衛美術家たちの活動について、このところ国内外から関心が寄せられています。当時の活動を鮮烈に捉えた平田実の写真を多数展示します。

■ 「靉嘔」展に関連し、塩見允枝子の活動を新収蔵作品により紹介。
フルクサスのメンバーとして靉嘔と交友のあった塩見允枝子の作品の数々を、映像を交えて展示します。

■ 秋山祐徳太子のハプニングやパフォーマンスをご紹介します。
秋山祐徳太子の活動は、当館でこれまでほとんど紹介されることがありませんでした。新規に作品を収蔵したことを契機として、「もの」としての作品を越えた広がりをもつ、秋山祐徳太子の活動をお伝えします。




関連プログラム
講演会 「アンデパンダン展を曲解したら、OFF MUSEUM展がスタートした」
講師 篠原有司男(前衛画家)
日時 2012年2月26日(日)午後3時から(午後2時30分開場)
会場 東京都現代美術館 地下2階講堂
定員 200名(整理券制)
*入場無料(企画展もしくは常設展のチケットが必要です)
*当日午後1時30分から、メインエントランスにて整理券を配布します。


講演会 「現代泡沫論」
秋山祐徳太子(美術家)、赤瀬川原平(画家・作家)、山下裕二(美術史家)
日時 2012年3月10日(土)午後3時から(午後2時30分開場)
会場 東京都現代美術館 地下2階講堂
定員 200名(整理券制)
*入場無料(企画展もしくは常設展のチケットが必要です)
*当日午後1時30分から、メインエントランスにて整理券を配布します。



【展覧会情報】
→プレスリリース

会期
2012年2月4日(土) - 5月6日(日)
休館日
月曜日 ※ ただし4/30は開館、5/1は休館
開館時間
10:00 - 18:00(入場は閉館の30分前まで)
会場
東京都現代美術館 常設展示室1階、3階
主催
東京都、東京都現代美術館
観覧料
料 金
一 般 500円
大学生 400円
高校生・65歳以上 250円
中学生以下 無料
※企画展のチケットで「MOTコレクション」もご覧いただけます。
お問合せ
03-5245-4111(代表)/ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
同時開催
「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」
2012年2月4日(土) - 5月6日(日) / 企画展示室 1F + B2F

「田中敦子-アート・オブ・コネクティング」
2012年2月4日(土) - 5月6日(日) / 企画展示室 3F
靉嘔 ふたたび虹のかなたに
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